【北海道の郷土料理】花咲ガニを使った鉄砲汁の作り方や特徴を紹介!

その地域に根付いた食材を使って作る郷土料理には、歴史や伝統を深く感じられます。

カニの産地として有名な北海道では、根室市で水揚げされる花咲ガニを使った「鉄砲汁」が昔から愛されてきました。

今回は、そんな鉄砲汁の作り方や、どのような料理なのかについて紹介していきます。

そのほかにも、花咲ガニの特徴についても紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

昔から愛される漁師飯「鉄砲汁」とは

鉄砲汁とは、北海道の郷土料理で、カニを入れた味噌汁のことを指します。

古くからある漁師飯として知られ、北海道民を中心に人気のある一品です。

鉄砲汁には、主に根室市で水揚げされる花咲ガニが使われています。

鉄砲汁の名前の由来

鉄砲汁は、カニの脚を箸で突いて食べる様が、鉄砲に弾を詰める姿や鉄砲の中を掃除している様子に似ていることから、その名がつけられました。

独特な名前ですが、伝統あるカニの汁料理です。

ケガ美
ちょっと怖い名前ですね!

根室の名産「花咲ガニ」とは

鉄砲汁のメインとして扱われる花咲ガニは、北海道根室市の花咲港を中心に水揚げされます。

カニと名前に付き、見た目もカニそのものなのですが、実際はヤドカリの仲間であるのが特徴です。

根室だけでなく、シベリア海周辺にも生息している花咲ガニですが、漁獲量がとても少なく、幻のカニと呼ばれています。

そのため、現地でなければなかなかお目にかかれないカニといえるでしょう。

花咲ガニの名前の由来は?

花咲ガニの名前は、産地である北海道根室の花咲が漁獲地になっていることが由来として最も有力です。

しかし、茹でたら甲羅が真っ赤になる様が、花が咲いたように見えることから、その名が付けられたとする説もあります。

また、昆布の生えている場所に生息することからコンブガニという別名があるのも特徴です。

花咲ガニが一番美味しく食べられる時期は?

花咲ガニが一番美味しく食べられる旬の時期は、7月〜9月といわれています。

漁獲時期は4月から始まるため、獲れたての花咲ガニが食べられるのは4月〜9月です。

このことからも、花咲ガニはほかのカニと違って、冬ではなく夏に旬を迎える珍しいカニだといえます。

そのため、花咲ガニは夏に美味しいカニが食べたくなったときにおすすめなカニです。

花咲ガニの身はどんな味?

花咲ガニは、北海道の寒い海で育っているため、身が詰まっており、プリプリとした食感が特徴です。

また、過酷な環境で育った花咲ガニの身は、甘みが凝縮されています。

さらに、冷たい海水によって身が引き締まっているため、食べ応えがあり、焼きガニや茹でガニ、そしてカニ鍋と、さまざまな料理で楽しめます。

このように、花咲ガニの身には旨味がたっぷりと詰まっているため、どのような料理でも美味しくいただけるでしょう。

花咲ガニの蟹味噌は美味しい?

花咲ガニはプリプリな身だけでなく、濃厚な蟹味噌も絶品です。

基本的にタラバガニのような、ヤドカリの仲間であるカニの蟹味噌は美味しくないとされていますが、花咲ガニはその例に当てはまりません。

花咲ガニの蟹味噌は、独特の香りがあり、味は甘みが強くとろけるような食感です。

そのため、花咲ガニを手に入れたら、蟹味噌も一緒に味わうとよいでしょう。

花咲ガニの卵は美味しい?

花咲ガニのメスには、内子・外子と呼ばれる卵をつけます。

花咲ガニの卵は、どちらもオレンジ色をしており、内子はしっとり、外子はプチプチとした食感が特徴です。

内子は濃厚な味わいで、ツウには堪らない逸品ですが、癖の強さから好き嫌いの分かれる味わいでもあります。

お酒を飲む方には、この一癖ある風味がお酒を進ませるでしょう。

対して、外子は癖があまりないので、内子が苦手な方でも食べられるという方は多いかもしれません。

花咲ガニのメスを手に入れたら、ぜひ内子と外子も合わせていただいてみてはいかがでしょうか。

タラ枝
内子は塩漬け、外子は醤油漬けにして食べると絶品よ

鉄砲汁は花咲ガニじゃなくてもいい?

鉄砲汁は、花咲ガニを入れるのが主流ですが、花咲ガニは近年の漁獲制限によって漁獲量が減少しています。

そのため、花咲ガニ以外のカニを代用して、鉄砲汁として飲むことは珍しくありません。

実際、ズワイガニやタラバガニ、毛ガニといった有名どころのカニからも美味しい出汁が取れます。

出汁が取れれば鉄砲汁は美味しく出来上がるので、身がついたカニだけでなく、食べ終わったカニの殻を出汁にして、鉄砲汁を作ってみるのもよいでしょう。

美味しい鉄砲汁の作り方

鉄砲汁の作り方は、シンプルで簡単です。

  1. 鍋に水を入れて沸騰させる
  2. 料理酒と花咲ガニを入れて煮立たせる
  3. お好みで具材を入れて火を通す
  4. 味噌を溶かして完成

なお、煮込んだ身は味が薄くなってしまうため、殻で出汁をとり、身は食べる際に投入するのがおすすめです。

また、具材を入れずにカニ本来の味を楽しむのもよいでしょう。

鉄砲汁はどんな味?

鉄砲汁は、カニの風味を強く感じられる味噌汁で、とても上品な味わいです。

普段の味噌汁よりも、旨味が凝縮された濃厚なスープは、体を芯から温めてくれます。

また、低脂肪、高タンパクなカニと、アミノ酸やイソフラボンなどが含まれる味噌を合わせているため、鉄砲汁は栄養豊富な料理ともいえるでしょう。

蟹味噌でアレンジもおすすめ

鉄砲汁に蟹味噌を加えて、風味をプラスするのもおすすめです。

蟹味噌が加わることによって、味噌がより濃厚になり、クリーミーさが増します。

蟹味噌が余っていたら、ぜひお好みでアレンジしてみてはいかがでしょうか。

鉄砲汁以外のカニを使った郷土料理を紹介

花咲ガニを使用した北海道の鉄砲汁以外にも、カニを使った郷土料理は数多く存在し、全国各地で愛されています。

続いては、そんなカニを使った郷土料理をいくつか紹介していきます。

せいげ(福井県)

せいげとは、福井県で水揚げされるメスのズワイガニであるセイコガニを使用した郷土料理です。

福井県の南越前町河野地区で古くから親しまれています。

せいげは、セイコガニに大根おろしと味噌を加えて煮込んだ家庭料理です。

そのまま食べても絶品ですが、お酒やご飯にとても合うので、好きな組み合わせで食べてみてはいかがでしょうか。

かにまき汁(宮崎県)

かにまき汁は、宮崎県の北郷町(きたごうちょう)で愛される郷土料理です。

秋から冬にかけて獲れる、上海ガニの仲間であるモクズガニを使用して作られます。

作り方は、まずモクズガニの甲羅を外し、脚と身をミキサーなどで砕き味噌を加えます。

その後水を加えて、ザルで濾し、鍋で加熱すると、おぼろ豆腐のように固まるので、おろし生姜やネギを加えて完成です。

ふわふわとした食感と、カニの旨味が凝縮された汁が、一度食べたら病みつきになる味わいでしょう。

かにばっと(岩手県)

かにばっととは、主に岩手県で食べられる、モクズガニを使った郷土料理です。

まず、細かく潰したモクズガニを煮込んで出汁を取ります。

その後、野菜をお好みで入れて、醤油で味付けしたら、はっとと呼ばれるすいとんのような郷土料理を合わせて入れます。

最後にモクズガニの蟹味噌を加えたら完成です。

カニの風味はもちろん、濃厚な蟹味噌がより一層旨味を引き出してくれます。

つがに汁(高知県)

つがに汁は、高知県を代表するカニの郷土料理です。

かにまき汁と同じように、モクズガニを生きたままミキサーなどで砕き、その出汁から作る汁料理です。

砕いたモクズガニを沸騰させた鍋で濾し、灰汁をとった後に、薄口醤油を加えて味付けします。

また、モクズガニを甲羅ごと米で炊く「つがに飯」などモクズガニを使用した郷土料理は、つがに汁以外にもさまざま存在します。

希少な花咲ガニを購入するならカニ通販がおすすめ!

花咲ガニは、特定の地域でしか水揚げされないため、希少性が高く、なかなか手に入らないのが特徴です。

しかし、現地まで食べに行くのは現実的ではありません。

そこでおすすめなのが、カニ通販です。

カニ通販なら、わざわざ現地に赴かなくても、水揚げされたばかりの新鮮な花咲ガニを購入できます。

また、カニ通販なら口コミや評判を確認したうえで購入できるため、カニ選びで失敗したくない方にもおすすめです。

質の悪いカニ通販にあってしまうと、身入りが悪かったり、鮮度が悪かったりするカニに当たってしまうかもしれません。

そのような、悪質な通販サイトにあたらないために、こちらの記事ではおすすめのカニ通販サイトを10個厳選して紹介しているので、参考にしていただければと思います。

関連記事:カニ通販で人気のおすすめ10サイトをランキング形式で徹底比較

ぜひ、カニ通販を利用して、希少な花咲ガニをゲットしてみてはいかがでしょうか。

花咲ガニの価格相場は?

花咲ガニは、1kgで約6,000円〜8,000円程度で取引されます。

ほかのカニと比べても、特別高いわけでも安いわけでもない価格帯です。

しかし、個体によって値段に大きな差が出ないのは、ほかのカニと異なります。

例えば、ズワイガニなら、高いブランドは20,000円を超えるケースもありますが、ブランドがついていない一般的や個体なら3,000円程度で購入できます。

このように、花咲ガニはズワイガニやほかのカニのように、個体によって相場が大きく変動するわけではない点が特徴です。

花咲ガニを使った鉄砲汁の作り方や特徴のまとめ

今回は、花咲ガニを使った北海道の郷土料理「鉄砲汁」の作り方や特徴について紹介してきました。

花咲ガニは、特定の漁港でしか水揚げされない希少なカニで、甘味が強い身と濃厚な蟹味噌が魅力です。

そんな花咲ガニを味噌汁に入れたのが鉄砲汁で、古くから漁師飯として愛されています。

鉄砲汁は、カニの風味を強く味わえる上品な味わいが特徴です。

作り方もシンプルで簡単に作れるので、花咲ガニを手に入れたら、ぜひ作ってみてはいかがでしょうか。