ハマガニにはどんな特徴がある?食べられる?飼育はできる?

ハマガニは、モクズガニ科に属するやや大型のカニです。

本州では主に西日本で観測されていますが、本種の知名度はそこまで高くありません。

本記事では、そんなハマガニの特徴について紹介します。

また、食用として利用できるのか、飼育はできるのかについても解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。

ハマガニとは

ハマガニはモクズガニ科に属するカニの一種で、やや大型です。

甲幅は5センチ程度で、甲長は4センチほどのやや横長の体型を持ちます。

これは、同じモクズガニ科のアシハラガニよりも大きく、一方でモクズガニよりは小柄です。

さらに、鎧を纏ったような頑丈な甲羅とハサミが特徴です。

また、体には短い毛が密生しており、体色は紫褐色から灰褐色をしています。

ハマガニの分布

ハマガニは、東アジアの熱帯や亜熱帯域のマングローブ周辺で見られるカニです。

日本では本州以南に生息しており、主に西日本でその姿を観測されます。

また、東日本では、仙台湾や利根川などに生息しています。

ハマガニの生態

ハマガニは、ヨシ原やマングローブなどの汽水域上限付近で植生が多くて、泥が固い区域に生息しています。

生息域では、深さ50センチほどの穴を掘って巣として生活しています。

また、アシハラガニやオキナワアナジャコなどが掘った穴を巣として利用することもあるのが特徴です。

ハマガニは夜行性であり、昼間はあまり活動しません。

冬は巣穴で冬眠する習性を持っており、食性は雑食性です。

しかし、主に植物の葉っぱを食べて生活しています。

天敵はサギやアライグマで、見かけると巣に逃げ込むがその早さはお世辞にも早いとはいえません。

ハマガニは食べられる?

ハマガニは、大きな体をしていますが、身は少なく、可食には向いていません。

そのため、食用としては利用されることはほとんどないでしょう。

カニを食用として楽しみたい方は、毛ガニやズワイガニといった、身がたくさん詰まって風味豊かなカニを選ぶようにしましょう。

ハマガニは飼育できる?

マガニは、初心者でも比較的飼育が簡単な部類とされるカニです。

そのため、カニの飼育を考えている方は、ハマガニを自宅で飼ってみるのもよいでしょう。

ハマガニは雑食性のため、エサは基本的になんでも食べうえに、夏の暑さにも頑丈です。

しかし、ほかの魚や脱皮したてのカニを食べてしまうため、混泳には向きません。

飼育用としては体も大きいため、ハマガニを飼う際は1匹のみでの飼育を心がけましょう。

また、産卵は河口域近くで行うため、自宅での繁殖は困難ですが、繁殖させなくても十分楽しめるでしょう。

飼育に向いているカニ6選

ハマガニは飼育も可能なカニですが、入手が難しいため、手軽に飼育を始めるのには向いていないでしょう。

そこで、続いては飼育に向いているカニを6種紹介します。

カニの飼育を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

サワガニ

飼育初心者の方におすすめなのが、サワガニです。

サワガニは、日本の川に広く生息する淡水カニで、いくつかの飼育に向いている理由があります。

まず、サワガニはサイズが小柄であり、初心者でも取り扱いやすいカニの一種のため、飼育コストが抑えられ、費用面でも手軽に飼育を始められます。

また、雑食性であるため、エサも手軽に用意できるものが多く、エサの準備にも困りません。

さらに、寿命が比較的長いため、長い期間にわたって飼育を楽しめるのも魅力です。

加えて、日本各地の川に生息しており捕獲が容易のため、入手しやすさもおすすめの理由です。

飼育に関しては、水質の綺麗な川を好む傾向があるため、環境を清潔に保つことが重要です。

2~3日ごとの水替えをして、綺麗な水を保つことで長期にわたって飼育できるでしょう。

関連記事:サワガニはどのような飼育環境が必要?エサや水換えの頻度について解説

ドワーフクラブ

小柄なドワーフクラブは、初心者でも手軽に飼育できる淡水カニです。

美しい外見が鑑賞に適しており、その鮮やかな姿が魅力です。

そんなドワーフクラブは、主にインドネシアに生息しており、国内でも飼育用として人気が高まっています。

また、種類によって異なる体色や模様があり、多様性も楽しめます。

自分だけの独自の飼育環境を構築することも可能で、レイアウトを工夫する楽しさも得られるでしょう。

価格も手ごろで、1匹あたり約1,000円ほどです。

ぜひ一匹飼育してみて、その魅力に触れてみてはいかがでしょうか。

関連記事:初心者でも安心!簡単に飼育できるドワーフクラブの魅力と育て方

アカテガニ

アカテガニは、鮮やかな赤いハサミが特徴的なカニで、主に鑑賞用として利用されています。

飼育環境を整える際には水の交換や温度調整が必要ですが、比較的小さな水槽で飼育可能であり、コストも抑えられます。

そのため、初心者でも飼育をしやすいカニといえるでしょう。

また、アカテガニの生態を観察することで、人間に対して行う威嚇などの面白い行動を観察できます。

アカテガニを飼育することで、日常的な観察も楽しみの一つとなるでしょう。

関連記事:アカテガニは飼育に向いている?飼育方法や手に入れ方について解説

キンチャクガニ

キンチャクガニは、インド太平洋の浅い海に生息するカニで、護身用として両ハサミにイソギンチャクをつけています。

その独特の習性と可愛らしい外見から、飼育用として人気があります。

小さなサイズで飼育コストが低いため、初心者でも飼育が比較的容易です。

また、エサや環境の維持も手軽であるため、気軽に飼育を楽しめるのも特徴です。

特に、可愛らしい外見に癒されたい方や、手軽に飼育を始めたい方に向いているカニといえるでしょう。

関連記事:キンチャクガニの飼育方法は?エサや適切な水温について解説!

スナガニ

スナガニは、海で捕獲して飼育ができるカニです。

砂浜に生息しており、深さ数十センチから1メートルほどの穴を掘って巣にしています。

非常に警戒心が強く、逃げる速さもあるため、捕獲は容易ではありません。

そのため、捕まえる際は、地上を走っているスナガニではなく、穴を掘って穴にいるスナガニを捕獲する方法がおすすめです。

飼育する際には、スナガニが普段生息している砂浜に似た環境を用意してあげることが大切です。

砂の中で隠れられるほどの、多くの砂を用意しましょう。

また、環境を整えるためには海水を砂に含ませることも重要です。

適切な環境を整えてあげれば、スナガニの飼育も難しくないでしょう。

関連記事:スナガニは飼育できる?長生きさせる飼育方法や捕まえ方について解説

イソガニ

イソガニは日本各地の海岸に生息しているカニで、海で自ら捕獲できます。

捕まえ方としては、簡易的な釣竿を使って釣り上げる方法がおすすめです。

イソガニは共食いの心配があるため、水槽を分けたり、個別の隠れ家を作ってあげたりする必要がありますが、飼育自体の難易度は高くありません。

そのため、カニの飼育に興味がある方は、ぜひイソガニから飼育を始めてみてはいかがでしょうか。

関連記事:イソガニはどうやって飼育する?捕まえ方から特徴までを徹底解説

カニの飼育で大切なこと

カニを飼育する際は、主に以下の点に注意することが大切です。

  • 飼育環境を整える
  • エサは適量だけ与える
  • 脱走に注意する
  • 基本的に混泳はさせない

それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。

飼育環境を整える

カニを長生きさせるためには、整った飼育環境が必要不可欠です。

特に、水質汚染された水を放置していたり、水温が極端に高かったり低かったりすると、カニはすぐに死んでしまいます。

そのため、水質や水温の調整には注意深く行う必要があるでしょう。

また、飼育環境が自然環境と大きく異なると、カニはストレスで早死にしてしまいます。

陸生のカニには陸を作ったり、砂に潜る習性のあるカニには深い砂を用意したりと、自然環境となるべく合わせてあげることが大切です。

エサは適量だけ与える

たくさん食べて大きくなってほしいからと、エサを多めに与えることは避けたほうがよいでしょう。

エサは食べきれないとゴミになり、水質汚染の原因となります。

その結果、日頃行っている水換えの頻度が高くなり、飼育の手間が増えてしまいます。

そのため、エサは適量与えて、食べ残しを出さないことが大切です。

また、残ったエサはピンセットなどでこまめに回収することでも水質汚染は防げるでしょう。

脱走に注意する

カニはとても器用な生き物で、高い水槽に入れてたとしても、気付けば脱走していることがあります。

そのため、脱走対策はしっかり行うようにしましょう。

特に蓋のない水槽は要注意です。

小さなカニだとしても、必ず蓋をして、なおかつ上から重しを置くぐらい厳重にするのがおすすめです。

また、フィルターなどを使用していると、その配線から脱走することがあるため、配線をテープで固定するなどの対策も忘れないようにしましょう。

さらに、飼育環境が悪いことも脱走の要因となります。

カニは生活している環境が悪いと、より良い環境を求めて脱走するため、カニが脱走しようと試みているときは、現在の飼育環境を見直してみるのも大切です。

基本的に混泳はさせない

カニの習性として、共食いを行う種類も多く存在しています。

カニ以外にも魚やほかの甲殻類を食べてしまうケースもあるため、基本的に混泳はNGです。

それでも同じ水槽で飼育したい場合は、なるべく大きい水槽で飼育するか、それぞれの隠れ家を作ってあげてお互いが干渉しないようにする配慮が必要です。

また、弱っている状態はほかのカニに狙われやすいので、脱皮直後はほかの水槽に移したり、共食いを防ぐために空腹の状態にならないように気をつけたりする必要があるでしょう。

そのような対策は手間が増えてしまうため、そもそも混泳させないことが1番の対策となります。

ハマガニについてのまとめ

今回は、主に西日本で見られるハマガニについて紹介しました。

ハマガニは、鎧を纏ったような頑丈な甲羅やハサミが特徴でやや大型のカニです。

食用として利用されるケースは少ないですが、飼育用としては利用できます。

食性は雑食性で暑さにも強いため、比較的飼育はしやすい部類になるでしょう。

しかし、なかなか手に入れられないカニでもあるため、飼育を考えている方はほかの手頃なサワガニやスナガニなどから始めてみるのもおすすめです。