巨大な甲殻類「ヤシガニ」ってどんな味?食べたら危険って本当?

陸上の節足動物では最大級の大きさを誇るヤシガニ。

大きな身や、弾力のある食感が人気で、食用としてよく利用されます。

本記事では、そんなヤシガニの味について紹介します。

ほかにも、ヤシガニが持つ危険性についても解説するので、ぜひ最後までご覧ください。

ヤシガニとは

ヤシガニは、オカヤドカリ科に分類される甲殻類です。

名前にカニと付くため、カニの仲間と勘違いされることが多いですが、分類上はヤドカリの仲間となります。

陸上で生活する節足動物の中では、最大級の大きさです。

体長は40センチを超え、脚を広げると1メートルにも及びます。

強力なハサミが特徴で、最大級のヤシガニであればライオンの噛む力に匹敵するといわれています。

ヤシガニの分布

ヤシガニは、インド洋や西太平洋にある熱帯域の島々に分布しています。

日本では、沖縄や宮古、八重山などの各諸島に生息しています。

ヤシガニの生態

ヤシガニは、産卵時以外は水に入ることがない、ほぼ完全な陸上性です。

湿度が高く、水分量の多い地域の岩の割れ目や地中に掘った穴を住処として生活しています。

日中は住処に身を隠しており、夜中になると活動を始めます。

また、ヤドカリの仲間であるため、カタツムリの殻をまとって生活するのが特徴です。

しかし、成体となると体に見合う殻を見つけることが困難になるので、ヤシの実などを利用することもあります。

ヤシガニの名前の由来

ヤシガニという名前の由来は、ヤシの木に登ってヤシの実を落として食べるイメージからきています。

しかし、実際にはヤシの実が主食というわけではありません。

ヤシガニは雑食性であり、腐った死肉などを含むさまざまなものを食べる習性があります。

そのため、ヤシの実が主食であるというのはイメージであり、実際の生態とは異なる部分があります。

ヤシガニの寿命

ヤシガニはかなり長寿な甲殻類であり、その寿命はオスメス共に50年程度です。

また、ヤシガニは成長スピードがゆっくりなため、食用として利用される目安の大きさになるまでにオスは約11年、メスは約25年かかるといわれています。

ヤシガニの味

ヤシガニの身は、非常に筋肉質で甘みがあります。

身詰まりも良く、歯応えがあるため、プリプリとした弾力を楽しめます。

また、ヤシガニの蟹味噌は珍味として高い人気を誇ります。

蟹味噌特有の濃厚で深い味わいが、珍味好きにはたまらないでしょう。

しかし、ほかのカニの蟹味噌と比較すると油っぽく匂いも強いため、好き嫌いの分かれる味わいでもあります。

それでも、茹でると身が赤く染まる見た目やプリプリとした食感によって、食欲をそそられることは間違いありません。

ヤシガニの美味しさを堪能するために、適切な調理方法で楽しんでみましょう。

ヤシガニに蟹味噌はある?

カニといえば蟹味噌ですが、ヤシガニでも蟹味噌を楽しめます。

毛ガニやズワイガニとは違った風味の味わいで、独特のクセが特徴です。

それでも味は濃厚なので、身と絡めていただくとよいでしょう。

ヤシガニを食べるときは食中毒に注意!

ヤシガニ自体は毒を持たない生物ですが、腹部にある消化管を食べてしまうと食中毒を引き起こすかもしれません。

ヤシガニは雑食性のため、人が排出した生ゴミや生物の死骸、有毒植物の果実などをエサにします。

そのため、消化管に未消化の有毒性の物質があった場合、消化管を食べてしまうと食中毒にかかる可能性があります。

実際、ヤシガニを食べたことによる死亡例もあるので、注意が必要です。

お店で提供されるようなヤシガニであればリスクは低いですが、自ら調理する場合は危険ですので、野生のヤシガニを捕獲して食べるようなことはしないようにしましょう。

ヤシガニは絶滅危惧種?

ヤシガニは、食用目的の捕獲によって年々個体数を減らしています。

これを受け、2017年に沖縄県の絶滅危惧種Ⅱ類に指定されました。

また、条例によって、ヤシガニの捕獲が禁止されている地域も増えつつあります。

例として、宮古島市の「ヤシガニ保護条例」は、市内の甲長8センチ未満および同12センチ以上のヤシガニの捕獲が全面的に禁止されています。

加えて、繁殖期の6月1日から8月31日の期間は大きさを問わず捕獲禁止です。

違反者には、10万円以下の罰金が科されるため、野生のヤシガニを見つけても地域のルールを守って捕獲は絶対に行わないようにしましょう。

ヤシガニを食べる際の価格相場は?

お店で提供されているヤシガニの価格相場は、100gで1,000円〜2,000円程度です。

サイズによって相場は高くなり、1万円を超える場合もあることから、高級食材として知られています。

自分で調理するのはリスクがあるため、ヤシガニを食べたいときは、なるべくお店で安全に楽しむようにしましょう。

ヤシガニのオスとメスの違いは?

ヤシガニは、メスにのみ腹肢と呼ばれる脚が存在しており、この腹肢に卵を付着させます。

腹肢は2つあり、お腹の左側に2~3カ所、二つに分かれてあります。

そのため、腹部を見ればオスとメスを区別可能です。

安全に食べられるおすすめのカニ6選

ヤシガニは、死亡事例もある危険なカニです。

そのため、安全にカニを楽しみたいなら以下のようなカニがおすすめです。

  • 毛ガニ
  • ズワイガニ
  • タラバガニ
  • 花咲ガニ
  • 紅ズワイガニ
  • 上海ガニ

これらのカニは味も絶品なので、ぜひ選択肢の一つに入れてみてください。

クリーミー蟹味噌が絶品「毛ガニ」

毛ガニは、クリガニ科に分類される食用カニです。

さまざまな季節に北海道の各地で水揚げされるため、一年を通して楽しめます。

繊細で甘みのある身はもちろんですが、濃厚でクリーミーな蟹味噌が特に人気です。

1kgあたり1万円程度の価格帯で、高級ガニとしても知られています。

濃厚な蟹味噌を楽しみたい方は、ぜひ毛ガニを購入してみてはいかがでしょうか。

関連記事:毛ガニの剥き方は?解凍方法から茹で方まで紹介!

大きな体が特徴「ズワイガニ」

ズワイガニは、深海に生息する大型の食用カニです。

大きな個体では、脚を広げると70センチにもなります。

各地でブランド化され、地域によって異なる味を楽しめます。

繊細で甘みのある身が特徴で、茹でたり鍋にして食べたりすると絶品です。

ブランドによって価格も大きく異なるので、ぜひ自分に合ったズワイガニを探してみてください。

関連記事:ズワイガニの食べ方は?初めてでも簡単に解体する方法を紹介!

食べ応えのある豪快な身「タラバガニ」

タラバガニは、タラバガニ科に分類される食用の甲殻類です。

見た目はカニと似ていますが、ヤシガニと同様にヤドカリの仲間に分類されます。

身詰まりがよく、食べ応え抜群の豪快な身が特徴です。

焼きガニにすると、ホクホクの身と豊かな香りを同時に味わえるのでおすすめです。

身を豪快にいただきたい方は、ぜひタラバガニを選んでみてください。

関連記事:タラバガニのおすすめの食べ方は?旬や価格も併せて紹介!

弾力がありプリプリの食感「花咲ガニ」

花咲ガニは、タラバガニ科に分類される食用の甲殻類です。

ヤシガニやタラバガニと同様にヤドカリの仲間に分類されます。

甲羅に大きなトゲが生えていたり、甲羅がハートの形をしているのが特徴です。

また、茹でると花が咲いたように赤く染まることが名前の由来であるといわれますが、諸説あります。

資源保護のための漁獲制限により、希少性が高く「幻のカニ」と呼ばれるのも特徴で、一般にはなかなかお目にかかれません。

それでも、弾力がありプリプリした身が絶品なので、機会があればぜひ賞味してみてください。

関連記事:花咲ガニはどんな味?幻のカニの値段相場や旬についても紹介!

安価で高品質「紅ズワイガニ」

紅ズワイガニは、ズワイガニ科に分類される食用のカニです。

ズワイガニ同様大きな体で、深海に生息しています。

身入りはズワイガニよりも少なく、水分量が多いのが特徴です。

しかし、甘みは紅ズワイガニの方があるとされており、みずみずしさも相まって一部の層からは高い人気を誇ります。

価格もズワイガニと比較して安価なので、手軽にカニを購入したい方は、ぜひ紅ズワイガニを試してみてはいかがでしょうか。

関連記事:紅ズワイガニが安いのは美味しくないから?安さの理由を解説!

中国の高級カニ「上海ガニ」

上海ガニはイワガニ科に分類される食用カニで、中国の広範囲の川に生息しています。

中国の秋の味覚である上海ガニは、濃厚で味わい深い蟹味噌が特徴です。

高級食材であまり馴染みのない方も多いかもしれませんが、日本でも中華レストランなどで食べられるので、気になる方はぜひ一度味わってみてはいかがでしょうか。

関連記事:上海ガニが美味しい時期はいつ?特徴や価格相場について解説

カニを購入するならカニ通販!

ヤシガニは食中毒のリスクがあるため、自分で調理するのはおすすめできません。

しかし、毛ガニやズワイガニのように安全に食べられるカニは、カニ通販を利用するのがおすすめです。

産地直送のカニ通販なら店頭に並ぶコストがかからないため、スーパーなどで購入するよりも安価で手に入れられます。

また、地域によって購入が難しいカニも、カニ通販なら手軽に購入できます。

そのため、カニの購入を考えている方は、さまざまな種類のカニを安く購入できるカニ通販をぜひ利用してみてください。

関連記事:カニ通販で人気のおすすめ10サイトをランキング形式で徹底比較

ヤシガニの特徴や味についてのまとめ

今回は、沖縄などに生息しているヤシガニの特徴や味について紹介しました。

ヤシガニの身は、肉質で甘みがあるのが特徴です。

また、弾力が強くプリプリした食感も楽しめます。

しかし、ヤシガニの消化管には未消化の有毒物質がある場合があり、食中毒によって最悪の場合死に至るケースもあります。

そのため、ヤシガニを安全に食べるなら店舗で提供されている料理を食べることが大切です。

ヤシガニは珍味として人気な食材なので、機会があれば一度食べてみるとよいでしょう。

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