ズワイガニやタラバガニといった有名なカニではないものの、サイズが大きくほのかな甘みが感じられるとして人気なのが「タカアシガニ」です。
タカアシガニは、身に水分が多く長時間放置しておくと身が溶けてしまうことから、美味しさを保ったまま調理するのは難しいとされています。
しかし、しっかりと調理すればほかのカニ同様、美味しく味わうことが可能です。
今回は、そんなタカアシガニの特徴や味について紹介していきます。
世界最大の節足動物「タカアシガニ」とは
タカアシガニとは、クモガニ科に分類される大型のカニです。
現在生息している節足動物の中では世界最大の大きさを誇ります。
また、カニの中でも古くから存在する種であることから「生きた化石」と呼ばれることも。
生きた化石と呼ばれるだけあって、その寿命は推定で100年といわれています。
ほかのカニと比較しても数倍は生きるため、タカアシガニはかなり生命力の高いカニだといえるでしょう。
その見た目は細長い脚が特徴で、オスのタカアシガニが脚を広げると3〜4メートルにもなります。
オスメスの見分け方は簡単で、腹部を見れば尖った三角形になっているのがオスで、幅広く丸みを帯びているのがメスです。
地域によって呼び名が異なり、徳島県海部郡ではヒガンガニ、神奈川県三崎ではバンバガニといった別名が付けられています。
ほかにも、駿河興津ではシマガニと呼ばれるなど、さまざまな呼び名が存在しますが、すべて同じタカアシガニとなります。
タカアシガニの産地は?どこでよく獲れる?
タカアシガニは、主に駿河湾や相模湾、土佐湾で多く水揚げされます。
水深200メートル〜500メートルに生息しており、海外でいえば台湾にも分布しています。
しかし、タカアシガニを目的とした漁は、伊豆半島の下田や西伊豆程度でしか行われていません。
そのため、そのほかの地域では他の漁に混ざって水揚げされる混漁で水揚げされます。
漁獲方法としては、底引網や底刺し網、カニカゴ漁が基本です。
また、タカアシガニ漁は、乱獲防止のための漁獲制限があり、産卵期は禁漁となっています。
このように、漁獲制限があることからも、タカアシガニは希少価値が高いカニとして知られています。
タカアシガニの味は美味しい?まずい?
食用として、漁獲されるタカアシガニですが、タラバガニやズワイガニといった定番のカニと比べると、食べる機会は少ないでしょう。
実際、タカアシガニの身に関しては、水分が多くタラバガニやズワイガニよりも多少劣るといわれています。
それでも、さっぱりしてほのかに甘みを感じる味わいで、決して美味しくないことはありません。
実際にタカアシガニの身を食べた人からは、カニよりもエビに近いような味と評されることが多く、一部の人から人気が高いのも事実です。
蟹味噌に関しては、濃厚でクリーミーなため、そのまま食べても美味しいとされています。
生臭さも感じないので、蟹味噌目当てにタカアシガニを食べてみてもよいでしょう。
タカアシガニの旬の時期はいつ?
タカアシガニを美味しく食べるには、旬の時期にいただくのが一番です。
一般的なカニであれば、冬の時期に旬を迎えるケースが多いですが、タカアシガニも同様なのでしょうか。
タカアシガニの旬の時期は、9月中旬〜5月と広範囲です。
そのため、一年を通しても半年以上はタカアシガニを楽しめますが、その中でもほかのカニ同様、冬の時期の方が特に美味しいとされています。
寒い時期の方が、身の締まりが良く蟹味噌も多く入っているためです。
そのため、タカアシガニを一番美味しくいただくなら、12月〜2月ごろを狙うとよいでしょう。
タカアシガニの禁漁時期
タカアシガニは乱獲防止のため、禁漁時期というものが設けられています。
禁漁時期は、タカアシガニの産卵期となる5月〜9月上旬の間です。
そのため、タカアシガニを食べるなら5月〜9月上旬を避けて食べるようにしましょう。
ただし、産地であれば、漁期に獲られたものが生簀で活かされているため、一年を通じて味わうことができます。
タカアシガニの価格相場は?
タカアシガニは一杯で10,000円〜25,000円程度の価格相場となっています。
しかし、ほかのカニ同様、脚だけなら5,000円前後で購入が可能です。
タカアシガニは、ほかのカニと比べても特別安いわけではありませんが、量が多いためお得感を感じられます。
タカアシガニを購入したいなら、複数のカニ通販を見比べて、価格を比較してみるとよいでしょう。
美味しいタカアシガニを選ぶ方法
タカアシガニは、身が締まっていて一番美味しく食べられる12月〜2月ごろに購入するようにしましょう。
また、冬の時期であれば蟹味噌も多く入っているため、さらにお得です。
ほかには、大きさではなく重さで選ぶと身がたくさん入っているタカアシガニを選ぶことができるでしょう。
カニは大きくても、身が詰まっているとは限らないため、大きくても軽いカニには注意が必要です。
タカアシガニの捌き方
タカアシガニは、死んでしまうと身が溶けてしまうため、生きたまま調理する必要があります。
また、タカアシガニには水分が多く含まれているため、生で食べるよりも加熱する方がよいでしょう。
しかし、タカアシガニはサイズが大きいため丸ごと茹でたり、蒸したりはできないので、しっかりと捌く必要があります。
続いては、そんなタカアシガニの捌き方について見ていきましょう。
1.甲羅を剥がす
まずは、脚の付け根と甲羅の間に包丁を入れ甲羅の接点を切り離していきましょう。
このとき、甲羅の内側にあるお腹の部位であるふんどしも切り落とします。
そして、甲羅を下にして引き剥がすと、タカアシガニの旨味が詰まった体液が甲羅の中に貯まるので、しっかり甲羅で受けるようにしましょう。
2.ミソを取り出す
甲羅に貯まった体液を別の容器に移し、殻になった甲羅の中にミソを取り出していきます。
ミソは脚にまでしっかりと詰まっているので余すところなく取り出すようにしましょう。
3.えらを取り除く
続いて、包丁を使ってえらを取り外していきます。
真ん中に包丁を入れ、左右に切り分けるようにします。
えらは腐敗や寄生虫の心配があるため、丁寧に取り除くようにしましょう。
4.脚を取り外す
脚は、包丁を使って付け根の部分から切り離します。
一本一本丁寧に外していきましょう。
タカアシガニの美味しい食べ方
続いては、タカアシガニを堪能できる美味しい食べ方について紹介していきます。
タカアシガニの美味しい食べ方はこちらです。
- 蒸して食べる
- しゃぶしゃぶで食べる
- ホイル焼きで食べる
- フライで食べる
- カニ飯で食べる
それぞれについて見ていきましょう。
蒸して食べる
鍋に細かくしたタカアシガニと少量の水、または酒を入れ、蓋をして加熱します。
沸騰してから10分ほど蒸せば完成です。
脚一本一本が大きいため、食べ応えがあるでしょう。
また、蟹味噌と一緒にいただくと絶品です。
しゃぶしゃぶで食べる
鍋に昆布と水を入れ、15分〜20分おきます。
沸騰直前に昆布を取り出し、用意したタカアシガニや野菜をしゃぶしゃぶしていただきます。
程よく火が通ったら熱々のまま食べましょう。
旨味が染みたホロホロのカニ身を堪能できます。
ホイル焼きで食べる
脚をホイルに包んでオーブントースターやグリルで焼くと完成です。
ホイル焼きにすることで、タカアシガニ特有の水気が抜けて、旨味が増します。
そのため、濃い味が好きな方はホイル焼きで食べるのがおすすめです。
フライで食べる
まず、剥き身にしたタカアシガニの水気をよく拭き取りましょう。
その後、卵と小麦粉で作った卵液とパン粉をつけて油で揚げて調理します。
衣は薄めにつけることで、カニの食感が残り美味しく出来上がるでしょう。
カニ飯で食べる
カニの殻と醤油やみりん、日本酒、塩、昆布だしを鍋に入れ火にかけます。
沸騰後、殻を取り出してカニの剥き身を入れて一煮立ちさせましょう。
その後、火を止め、出た煮汁を取っておきます。
米と煮汁で炊飯し、炊き上がったらカニの剥き身を入れていただきます。
カニの旨味が染み込んだ、カニ飯を余すことなく堪能できるでしょう。
お得に美味しいカニを購入するならカニ通販がおすすめ!
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また、スーパーで購入するよりも多くの種類から好きなカニを選べるのもメリットの一つでしょう。
そのほかにも、カニは高級な食材のため、口コミを見ることで失敗する可能性を低くできる点も嬉しいところです。
このように、スーパーで購入するよりもカニ通販を利用した方がお得で安全にカニを購入できます。
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タカアシガニの味や旬の時期についてのまとめ
今回はタカアシガニの味や旬の時期について紹介してきました。
最後に本記事の内容を振り返ってみましょう。
- タカアシガニは漁獲制限があり狙って漁をされることが少ない
- 味はさっぱりして甘みがあるが水分が多い
- 蟹味噌は濃厚で美味しい
- タカアシガニの旬は9月中旬〜5月で一番美味しく食べられるのは12月〜2月
タカアシガニは、普段水揚げされることの少ない希少なカニということがわかりました。
また、タラバガニやズワイガニとは違ったエビのような味わいなのも特徴です。
そんなタカアシガニを食べるなら、身の締まりも良く、蟹味噌がたっぷり入っている12月〜2月ごろの寒い時期がおすすめです。
普段食べる機会の少ないタカアシガニですが、気になる方はぜひ一度カニ通販などで探してみてはいかがでしょうか。