冬の名産として知られるカニは、刺身はもちろん、鍋やパスタ、味噌汁などさまざまな料理に使われます。
しかし、カニを生で扱うのは難しいため、冷凍されたカニを購入して調理するのが一般的です。
しかし、冷凍カニは正しく解凍できなければ、味の品質を落としたり、食中毒を起こしてしまったりする可能性があるため、大変危険です。
そこで今回は、冷凍カニを正しく解凍する方法について詳しく解説していきます。
正しく解凍ができれば、カニのうま味を失わないため、身がぷりぷりで甘味の強い美味しいカニをいただけます。
間違った解凍をして、せっかくのカニを駄目にしてしまわないためにも、しっかりと確かめていきましょう。
生の冷凍カニを正しく解凍する方法
カニには、大きく分けて生とボイル加工された2種類があり、それぞれ解凍方法が変わります。
生の冷凍カニを正しく解凍する方法はこちらです。
- 流水で解凍する
- 氷水で解凍する
生のカニを美味しく解凍するポイントは、短時間で解凍することです。
素早く解凍するためには、流水や氷水で解凍する必要があります。
続いては、流水解凍と氷水解凍の仕方についてみていきましょう。
流水で解凍する方法
流水解凍とは、ポリ袋などに入れて水が当たらないように遮断したカニを流水につけて解凍する方法です。
この流水解凍には、素早く解凍できるといった特徴があります。
流水解凍の方法は以下のとおりです。
- カニについている氷を軽く水で洗い流す
- カニをポリ袋やジップロックに入れて水がカニに直で当たらないようにする
- 容器を用意して密封したカニを入れる
- 水道水を流しながら解凍していく
カニの大きさによっても変わりますが、大体30〜1時間程度で解凍できます。
水に触れるとカニのうま味が抜けてしまうため、ポリ袋は必ず密封できているか確認しましょう。
氷水で解凍する方法
氷水解凍は、氷水につけながら解凍していく解凍方法です。
氷水解凍なら、冷凍カニとの温度差が少ないため、美味しく解凍できるといったメリットがあります。
氷水解凍の方法は以下のとおりです。
- カニについている氷を軽く水で洗い流す
- カニをポリ袋やジップロックに入れて水がカニに直で当たらないようにする
- 容器を用意して密封したカニを入れる
- 氷水を容器に入れてカニを浸しながら解凍していく
カニの大きさによっても変わりますが、大体1時〜1時間半程度で解凍できます。
こちらも、カニに水が当たらないようにしっかり密封できているか確認しておきましょう。
ボイルの冷凍カニを正しく解凍する方法
ボイルカニは生のカニと違って、ゆっくりと解凍するとうま味を逃さずに解凍できます。
急速解凍すると、ドリップと呼ばれるうま味が詰まったエキスが流れ出てしまったり、身がドライになってしまったりするため、生カニとは違った方法で解凍します。
ボイルカニは、冷蔵庫でゆっくり解凍するようにしましょう。
また、解凍時にはカニを乾燥させないことが肝心なため、キッチンペーパーや新聞紙で包み、ポリ袋の中で解凍します。
この際、カニに付着している氷の膜が溶けて冷蔵庫が濡れてしまうため、深い皿などを下にひいておくとよいでしょう。
ボイルカニはそのまま食べよう
ボイルカニは、すでに一度加熱されているため、解凍後に再加熱してしまうと、うま味を損なってしまいます。
そのため、ボイルカニは鍋やしゃぶしゃぶなどの加熱する料理ではなく、そのまま食べるのが一番美味しく食べられるためおすすめです。
鍋やしゃぶしゃぶなどでカニを使用したい場合は、ボイルではなく生のカニを購入するとよいでしょう。
冷凍カニを解凍する際に不適切な方法
冷凍カニを解凍する際には、以下のやり方で解凍しないように気をつけましょう。
- 常温での解凍
- 電子レンジでの解凍
なぜ、これらの解凍方法がダメなのかについてみていきましょう。
不適切な方法1.常温での解凍
常温での解凍は、カニにとって温度が高すぎるため、うま味成分が流れ出てしまい、美味しく解凍できません。
また、常温で長時間放置していると、身が黒く変色する黒変という現象が起こる可能性があります。
味には影響ありませんが、見た目を損ねてしまうため、冷凍カニは必ず低温でゆっくり解凍するようにしましょう。
不適切な方法2.電子レンジでの解凍
カニにとって、電子レンジでの解凍も高温すぎるため、肝心なうま味が抜けてしまいます。
身もドライになってしまうので、急いでいたとしても電子レンジでの解凍は控えましょう。
冷凍カニを解凍する際の要点
冷凍カニを解凍する際は、以下の要点に気をつける必要があります。
- 100%解凍しない
- 食べる分だけ解凍する
- 冷凍のまま茹でない
- 解凍したカニを改めて冷凍してはいけない
これらの理由についてみていきましょう。
要点1.100%解凍しない
カニは100%解凍してしまうと、水分とうま味成分が抜けてしまうため、身がドライになったり風味を損なってしまったりします。
そのため、解凍は8割程度で中だけが固い状態にして調理すると、美味しくいただけるでしょう。
要点2.食べる分だけ解凍する
解凍したカニを長時間放置していると、黒変が起こったり、味や風味を損なってしまったりします。
そのため、なるべく解凍した状態で保存しないように、食べる分だけ解凍することが肝心です。
要点3.冷凍のまま茹でない
冷凍されたカニを、解凍せずに茹ででしまわないようにしましょう。
冷凍のまま茹でてしまうと、カニの身にあるうま味成分が流れ出てしまいます。
身の中にあるうま味成分をしっかりと身に染み込ませるためにも、冷凍のまま茹でるのは避けましょう。
要点4.解凍したカニを改めて冷凍してはいけない
解凍したカニが余ってしまった場合、再冷凍しての保存を考えるかもしれませんが、解凍したカニを再冷凍してはいけません。
というのも、解凍と冷凍を繰り返すとカニは傷みやすく、味の劣化だけでなく、衛生面でも問題が出てきます。
そのため、美味しく安全にカニを食べたいのであれば、カニを改めて冷凍してはいけません。
解凍したカニはすべて食べてしまうか、食べる分だけ解凍するように心がけましょう。
カニの適切な保存方法
カニは状態によって、保存方法がそれぞれ異なり、保存方法を間違うと、すぐに傷んでしまいます。
続いては、冷凍カニ、茹でカニ、生カニとそれぞれに適用した保存方法についてみていきましょう。
冷凍カニ
冷凍されているカニは冷凍庫で保存します。
この際、ラップや新聞紙に包み、ポリ袋に入れてから保存しましょう。
保存期間は2〜3週間程度です。
解凍した冷凍カニが余ってしまった場合にも、同じ手順で保存します。
しかし、解凍済みの場合は保存期間が2〜3日しか持たないため、なるべく早めに消費しましょう。
茹でカニ
茹でカニの場合は、ラップや新聞紙で2〜3重に包み、ポリ袋に入れて保存します。
保存期間は、冷蔵庫なら2日、冷凍庫なら3日が目安です。
また、茹でカニは水分が抜けると身がドライになってしまうため、なるべく空気が当たらないように遮断して水分が抜けないように注意しましょう。
生カニ
生カニは傷みが早く、すぐに身が黒く変色してしまうため、そのままの状態で保存してはいけません。
生カニを保存する際は、一度茹でてから保存する必要があります。
しかし、生カニの場合は鮮度がよい状態で食べるのが一番美味しいため、なるべく早めにすべて消費しましょう。
カニの身が黒く変色する現象について
カニを間違った方法で保存したり、長時間放置していたりすると身が黒く変色する場合があり、この現象は黒変と呼ばれます。
カニには多くのタンパク質が含まれており、これらのタンパク質が酸化することが黒変の原因です。
タンパク質は酵素によって分解され、アミノ酸に変換されますが、このアミノ酸中には黒色のメラニン色素が含まれています。
メラニン色素の元となるチロシンは、カニの体液中に含まれる酸化酵素であるチロシナーゼによって酸化され、メラニン色素に変化します。
そして、このメラニン色素が侵食し、時間が経過するにつれてカニの身や殻が黒く変色していく現象が黒変です。
黒変したカニは食べられない?
黒変したカニは見た目が悪く、腐っているように感じられるかもしれませんが、実際にはカニのうま味や風味が失われるわけではなく、単に色が変色するだけです。
そのため、黒変していても健康や味に影響はないため、捨ててしまう必要はありません。
ただし、カニから異臭やヌメヌメした感触がする場合は、単に黒変しただけでなく、腐っている可能性があります。
そのような場合には、食べずに避けた方がよいでしょう。
特に、長時間放置したり、温度管理が不適切だったりした場合は注意が必要です。
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冷凍カニを正しく解凍する方法についてのまとめ
今回は冷凍カニを正しく解凍する方法について紹介してきました。
冷凍カニは加工状態によって解凍方法が変わります。
生カニの場合は、流水解凍や氷水解凍で素早く解凍することが美味しく解凍するためのポイントです。
対して、ボイルカニは冷蔵庫でゆっくりと解凍すると、うま味成分が抜けずに美味しく解凍できます。
また、常温解凍や電子レンジでの解凍は、カニにとって温度が高すぎるため、うま味が抜けてしまったり身がドライになってしまったりします。
そのため、カニを美味しく解凍するためには、低温でじっくり解凍するように心がけましょう。