アカテガニは飼育に向いている?飼育方法や手に入れ方について解説

アカテガニは、日本の川に広範囲で生息するカニで甲幅3cm程度の中型のカニです。

そんなアカテガニは、同じく日本に多く生息しているサワガニのように自宅で飼育ができます。

本記事では、アカテガニの飼育方法やその生態について紹介していきます。

また、アカテガニを入手する方法についても紹介するので、アカテガニの飼育を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

アカテガニの特徴について

アカテガニは、ベンケイガニ科アカテガニ属に分類されるカニです。

よく似た種類にクロベンケイガニがいますが、クロベンケイガニの方ががっしりした体つきをしているため、見た目で見分けられます。

食用として利用されることは少なく、主に飼育用のカニとして人気があるのが特徴です。

名前の由来通りハサミが赤いのも特徴で、体色は灰褐色をしています。

また、オスの方がメスよりも大きく、頭胸甲は厚みのある四角形です。

さらに、さるかに合戦に登場するカニのモデルになったことで認知している方もいるでしょう。

アカテガニの生息地

アカテガニは台湾や中国などの東アジアに分布しており、日本では本州から南西諸島にも広く分布しています。特に海岸や川辺などの水辺環境を好むため、生息域の川で多く見られます。

アカテガニの生態

アカテガニは、冬眠を行うカニで、冬場は巣穴の底で過ごします。

また、夜に行動する夜行性で、食性は雑食性なことも特徴です。

そのため、基本的に魚や植物、動物の死骸までなんでも食べますが、なんでも食べるがゆえに空腹時は共食いする習性も持っています。

さらに、アカテガニは体内で水の循環を行えるため、ほかのカニと違って少ない水でも生存可能です。

アカテガニの寿命

アカテガニの寿命はオスで10年程度、メスで7年程度といわれているため、飼育するアカテガニは寿命の長いオスを選ぶ方がおすすめです。

しかし、飼育環境によっては10年以上生きることも珍しくありません。

そのため、適切なエサやストレスのない快適な住処作り方を心がけることによって、少しでも長く生きてくれるでしょう。

アカテガニを飼育する方法

アカテガニを飼育するときは、飼育環境やエサに気を付けることが大切です。

適切な飼育方法を実践することで、通常よりも長く飼育できるでしょう。

飼育環境

アカテガニを飼育する際は、水と陸を分けた環境にすると、メンテナンスが楽になるためおすすめです。

水と陸を一緒に作ると、水替えの頻度が高くなってしまいます。

ほかにも、アカテガニは天敵から身を守るために隠れ家を作る習性があるため、岩などでアカテガニが隠れられる環境を作ってあげると、アカテガニにストレスをかけることなく飼育が可能です。

基本的にアカテガニはさまざまな環境に強く、直射日光に当たっていなければ衰弱することはありません。

しかし、室温が5度以下になる場合は、暖房を使用して室温を維持する必要がある点に注意しましょう。

エサ

アカテガニは雑食性のカニのため、どのようなエサを与えても問題ありません。

そのため、手軽に手にはいる市販のカニ用エサやザリガニ用エサをメインで与えるとよいでしょう

しかし、同じエサばかりだと手を付けなくなることがあるため、定期的に違った種類のエサを与えることが大切です。

また、食べ残しが多いと水の汚れが溜まるので、エサのあげすぎには注意して水質を保つようにしましょう。

共食いに注意

アカテガニは共食いの習性があるため、飼育の際には注意が必要です。

そのため、狭い範囲や同じ水槽に複数のアカテガニを飼うことは避けましょう。

また、空腹時には共食いのリスクが増加します。

エサを与える際は適切な量を提供し、空腹を防ぐように心がけましょう。

ほかにも、共食いを防ぐために、個別に飼育するか、十分なスペースを確保した分離された環境を用意することが重要です。

適切な飼育環境と食事管理によって、アカテガニを安全に飼育できるようになります。

アカテガニを飼育する魅力

アカテガニを飼育するメリットは、主に以下の3つです。

  • 飼育する手間がかからない
  • 飼育するコストがかからない
  • 生態観察が面白い

それぞれについて見ていきましょう。

飼育する手間がかからない

こまめな水換えやストレスのない環境作りをすることによって、アカテガニの寿命を伸ばせられます。

そのため、手間をかけられるならその方がよいでしょうが、アカテガニは環境の変化に強いカニであるため、飼育の際は温度変化やエサなどに特別神経質になる必要はありません。

このように、手間がほかの生物よりもかからないのは、飼育するに当たって大きな魅力といえます。

飼育するコストがかからない

アカテガニを購入するとなると、かかる費用は500円〜1,000円程度です。

しかも、川で自ら捕獲すれば入手するコストはかかりません。

また、雑食性でエサにこだわらないため、食事の残り物などでも食べてくれます。

このように、エサ代も節約できるため、アカテガニを飼育するコストは他の生物と比べても低いといえるでしょう。

生態観察が面白い

アカテガニは、石の隙間や掘った穴を巣にするなど個体や環境によって住む場所も異なります。

人間が近づいたらその巣に逃げ込んだり、ハサミを広げて威嚇したりと、その生態を観察するのも面白いでしょう。

サイズもそこまで大きくないので、水槽の中で頑張って生活している姿に癒しを感じられるかもしれません。

アカテガニの入手方法

アカテガニを入手するには、主に以下2つの方法があります。

  • ペットショップやネットで購入する
  • 自然で捕獲する

それぞれについて見ていきましょう。

ペットショップやネットで購入する

アカテガニを飼育するためには、ペットショップやネットで購入する方法が一番手軽です。

価格は500円〜1,000円程度が相場です。

ペットショップならアカテガニを飼育するためのエサやアイテムなどをまとめて購入できます。

また、店員さんにわからないことを聞けることもメリットの一つでしょう。

対してネットでは、わざわざ店舗まで購入しにいく必要がなく、手間がかからないのが特徴です。

自然で捕獲する

ほかにも自然のアカテガニを捕獲する方法もあります。

アカテガニは、生息している地域の川や土手で見つけられます。

サワガニのように小型のカニと比較すると、サイズも大きく挟まれると危険なので、網などを使って安全に捕獲するようにしましょう。

アカテガニを食べることはできる?

アカテガニは、飼育用だけでなく食用として利用されるケースもあります。

しかし、雑食性でさまざまなものをエサとしているため臭みが強く、身も少ないため、味はほかの食用カニと比較すると劣ります。

ほかにも、寄生虫による食中毒のリスクもあるため、アカテガニは食べるのにあまり向いていないといえるでしょう。

アカテガニ以外にも飼育に向いているカニはいる?

基本的にカニは食用としては活用されますが、アカテガニ以外にも飼育用として親しまれているカニがいます。

アカテガニ以外にも飼育に向いているカニは以下のとおりです。

  • サワガニ
  • モクズガニ
  • ドワーフガニ
  • スナガニ

それぞれの特徴について見ていきましょう。

サワガニ

サワガニは、サワガニ科に分類されるカニで、甲幅が20〜30mmと小柄なため観賞用として一般的に愛されています。

日本全国の綺麗な川に生息しており、捕獲の難易度が低いのが特徴です。

また、サワガニは食用としても人気で、サワガニの唐揚げはサクサクとした食感でお酒との相性が抜群です。

モクズガニ

モクズガニは、淡水で暮らすカニで、主に食用として利用されますが、川で捕獲が可能なことから自宅で飼育されることもあります。

そんなモクズガニは、名前の通りハサミや脚に細かい毛が生えているのが特徴です。

甲幅は8cm程度とアカテガニやサワガニと比較すると大きいため、飼育時は大きめの水槽が必要です。

また、モクズガニを捕獲するときは、地域によって異なるルールを事前に確認しておかなければいけません。

ドワーフクラブ

ドワーフクラブは、インドネシアに生息している甲長が2cm程度の淡水カニです。

カラフルな体色をしているのが特徴で、小さな体と相まって観賞用として高い人気を誇ります。

種類によってさまざまなバリエーションの色や模様を持っているため、自分好みのドワーフクラブを飼うことでおしゃれなインテリア代わりにもなるでしょう。

また、基本的にドワーフクラブの飼育難易度自体は高くありませんが、寒さに弱いという特徴があるため、室温を18度以下にならないように保つ必要があります。

ほかにも、ドワーフクラブは個人飼育でも繁殖ができるという特徴があります。

しかし、同じ水槽で飼育していると、空腹時に共食いをしてしまうリスクがあるため、エサの与えるタイミングや量をしっかり見極める必要があるでしょう。

関連記事:初心者でも安心!簡単に飼育できるドワーフクラブの魅力と育て方

スナガニ

スナガニは、東北地方以南に生息する甲幅が3cm程度の小型のカニです。

砂浜に生息しているため、自然界と同じような環境を作ることで自宅でも飼育できます。

普段は砂に潜って生活しているため、飼育時には身を隠せるほどの深い砂を用意することが大切です。

また、スナガニの寿命は3年程度ですが、清潔な環境や適切なエサを与えることで長生きできるので、飼育環境をしっかり整える必要があるでしょう。

関連記事:スナガニは飼育できる?長生きさせる飼育方法や捕まえ方について解説

アカテガニの飼育方法についてのまとめ

今回は、アカテガニを自宅で飼う際の注意点や入手方法について紹介しました。

アカテガニは、さまざまな環境下でも力強く生存できる力を持っているため、飼育の難易度はそこまで高くありません。

また、日本では広範囲に生息しており、自然での捕獲も可能です。

そのため、手軽に飼育できるペットを探している方は、アカテガニを選んでみてはいかがでしょうか。