イシガニとワタリガニは、見た目がとても似たカニとして有名です。
どちらも食用として利用されており、甘みのある味が絶品です。
本記事では、そんなイシガニとワタリガニの違いやそれぞれの特徴について紹介していきます。
また、美味しいカニの見分け方について紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
イシガニとワタリガニの違い
イシガニとワタリガニは見た目がよく似ているため、初見で見分けるのは大変ですが、よく観察すればいくつか違いを確認できます。
以下の表にイシガニとワタリガニの違いをまとめてみました。
項目 | ワタリガニ | イシガニ |
---|---|---|
大きさ | イシガニよりも大きい | ワタリガニよりも小さい |
形 | 横幅がある | 丸みを帯びる |
色 | 斑点模様がある | 黒ずんだ褐色 |
甲羅の硬さ | イシガニよりも柔らかい | ワタリガニよりも固い |
このように、見た目だけでも両者を見分けるポイントはいくつかあります。
また、味の違いについてはほぼ変わらないといわれていますが、若干ワタリガニの方が食味は上だともいわれます。
しかし、そこまで大きな違いはないため、そのときの旬や価格などでどちらを選ぶか決めるとよいでしょう。
イシガニについて
まずは、イシガニがどのようなカニなのかについて紹介していきます。
イシガニの特徴
イシガニは、ワタリガニ科に分類される食用のカニです。
ワタリガニに似ていることから、地域によってはワタリガニと混同して呼ばれますが、種類は異なります。
地方名としてはガネやイシガニ、トビツキガニなどさまざまな愛称で呼ばれています。
甲幅は8cmほどが一般的ですが、大きい個体だと10cmを超える個体も。
第5脚は遊泳脚になっており、ワタリガニと同様に海中を自在に泳げるのも特徴です。
また、小型の個体は体に細い毛がたくさん生えていますが、成長するにつれて段々と抜け落ちていきます。
イシガニの分布
イシガニは北海道南部から九州にかけて分布しており、浅い海の岩石の隙間や海藻の間に潜んで生活しています。
また、適応力が高く、岩礁近くの砂泥底や防波堤、タイドプールなど広範囲で生息が確認されています。
イシガニの旬
イシガニは一年中漁獲されるカニですが、特に秋から春先にかけてが美味しく食べられる旬の時期とされています。
一方で、初夏から夏にかけてが一番多く漁獲されます。
イシガニの価格相場
イシガニは一般的に市場に出回ることが少ないため、スーパーや鮮魚店で見かけることはまれです。
しかし、ネットからならイシガニを購入でき、1kgあたりの価格は1,000円前後が相場です。
しかし、価格は季節や産地、販売業者によって価格は異なることがあるため、注意しなければいけません。
イシガニの味
イシガニはサイズが小柄なため、ほかのカニのように豪快に味わう食べ方はできません。
しかし、身は甘みがあり、クセのない味わいです。
また、ほかのカニ同様に蟹味噌も味わえ、濃厚な味わいで人気があります。
イシガニのおすすめ料理
イシガニの定番料理は、ぶつ切りにしたイシガニを入れた味噌汁です。
イシガニの香ばしい風味が味噌とマッチして、濃厚な味わいとなります。
また、イシガニから取れる蟹味噌を加えると、クリーミーさが増すのでおすすめです。
ワタリガニについて
続いては、ワタリガニの詳細について確認していきましょう。
ワタリガニの特徴
ワタリガニは、甲幅が15cmを超える大型のカニですが、オスとメスでは大きさが異なり、オスの方が大きい体をしています。
脚などは青みがかっており、白い水玉模様がついているのも特徴です。
また、ハサミは頑丈でトゲもたくさんついているため、扱いには注意しなければいけません。
イシガニ同様、第5脚は遊泳脚になっており、海中を素早く泳げます。
ワタリガニの分布
ワタリガニは、北海道から台湾にまで分布しています。
内湾の水深30メートルほどまでの砂泥底に生息しており、普段は砂に潜って生活しています。
ワタリガニの旬
ワタリガニはオスとメスによって、旬の時期が異なります。
オスの旬は6月〜11月までであり、一方、メスの旬は12月〜5月までです。
このように、ワタリガニは一年を通じてオスとメスが交互に旬を迎えることが分かります。
オスのワタリガニが夏から冬にかけて旬を迎えるのは、海水温度が上昇し、より活発になるためです。
この時期には豊富な餌を捕食できるため、肉の旨味や甘味がより一層引き立ち、美味しさが増します。
一方、メスは夏に産卵するため、冬場は夏に向けて内子をたくさんつけます。
そのため、ワタリガニのメスは内子をたくさん身につけた冬場が旬です。
このように、ワタリガニはオスとメスで旬が異なるため、一年間を通じて美味しく食べられるという点は、消費者にとって嬉しい要素です。
季節ごとに異なる味わいを楽しめるため、ワタリガニの魅力を存分に堪能できるでしょう。
ワタリガニの価格相場
ワタリガニの価格相場は、1kgあたり1,000円〜2,000円程度といわれています。
これは、ほかの食用カニと比べても比較的安価なため、手頃にカニを食べたい方におすすめです。
また、一般的にカニは、身がたくさん詰まっているオスの方が値段が高くなりますが、ワタリガニに関してはメスの方が値段が高いのが特徴です。
それだけ、メスにつける内子の人気が高いのがわかるでしょう。
ワタリガニの味
ワタリガニは、繊細な食感に加えて、身が甘く、味が濃いのが特徴です。
また、ぷりぷりな身を楽しみたいならオスを、内子を楽しみたいならメスといったように、オスとメスで違った楽しみ方ができます。
さらに、カニ特有である蟹味噌も絶品で、旨みが凝縮されたクリーミーな味わいを堪能できるでしょう。
ワタリガニのおすすめ料理
ワタリガニは、茹でても蒸しても焼いても美味しい万能なカニです。
繊細な身は、ほかの高級カニとも引けをとりません。
また、身を蟹味噌や内子と合わせると、さらに旨みを感じられます。
ご飯やお酒のお供として堪能してみてはいかがでしょうか。
美味しいカニの見分け方
カニを購入する際に、質の高いカニを見分けるためにはいくつかのポイントがあります。
以下は、美味しいカニを見分けるポイントです。
- 甲羅が硬い個体を選ぶ
- 重みのある個体を選ぶ
- カニビルの卵がたくさんがついている個体を選ぶ
それぞれのポイントについて、確認していきましょう。
甲羅が硬い個体を選ぶ
甲羅が硬い個体ほど、脱皮から時間が経過しているため、身がたくさん詰まっていて美味しいカニである可能性が高いといえます。
カニは脱皮を繰り返して成長していきますが、脱皮直後のカニは甲羅が柔らかいのが特徴です。
また、脱皮直後は脱皮にエネルギーを多く消費しており、身に必要な栄養が不足している状態です。
そのため、脱皮から時間が経って甲羅が硬くなっている個体の方が、身に十分な栄養が蓄えられている指標となります。
身に栄養が多いと、ボリュームがあり旨味も強いため、そのようなカニを購入したい場合は、甲羅の硬さを気にして確認するようにしましょう。
重みのある個体を選ぶ
カニはサイズよりも重みで選択した方が、お得に購入できます。
というのも、カニを持ってずっしりとした重みがある場合は、中に身や蟹味噌がたくさん詰まっている可能性が高いためです。
サイズは大きくても軽い個体だと、身入りが悪く損をしてしまうこともあるでしょう。
そのため、購入時に実際に触れる場合は、一度持ち上げて重みを確認してから購入するのがおすすめです。
カニビルの卵がたくさんついている個体を選ぶ
カニは脱皮から時間が経過している個体の方が品質が良いとされていますが、それは甲羅についたカニビルの量でも判断できます。
カニビルは、カニの甲羅に卵を産みつける場合があり、この卵の量が多ければ多いほど脱皮から時間が経過している指標となります。
しかし、カニが生息する場所によっては、脱皮直後でもたくさん卵をつけている個体や、脱皮から時間が経っていてもまったく卵をつけられない個体もいるため、あくまで参考程度に留めておくのがよいでしょう。
腐ったカニの見分け方
カニを美味しく食べるには鮮度が重要です。鮮度が落ちて、腐敗したカニを食べてしまうと、食中毒にかかる危険性があります。
そんな、腐敗が始まったカニは臭いで見分けられます。
臭いを感じやすいカニのお腹側から、鼻をつんざくようなアンモニア臭がしている場合は、鮮度が落ちている証拠です。
また色が変色していたり、殻や身がヌメヌメしていたりする場合も、腐敗が始まっています。
これらの特徴に当てはまるカニは、危険ですので食べる前に破棄するようにしましょう。
美味しいカニを購入するならカニ通販がおすすめ!
カニを購入する方法はさまざまありますが、美味しいカニを購入するなら、カニ通販がおすすめです。
カニ通販なら、産地から直接カニが送られてくるので、獲れたてで新鮮なカニを自宅にいながら味わえます。
また、スーパーのように店頭に並ぶコストがかからないため、価格を抑えて購入できるのもカニ通販ならではのメリットです。
手頃で美味しいカニを購入したい方は、ぜひカニ通販を利用してみてはいかがでしょうか。
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イシガニとワタリガニの違いについてのまとめ
今回は、イシガニとワタリガニの違いについて紹介してきました。
イシガニとワタリガニは、ぱっと見で違いを判別できないほど、見た目が似ているのが特徴です。
しかし、大きさや甲羅の形、色などが異なるため、しっかりと観察すれば判別できます。
また、両者は見た目だけでなく味わいも似ており、どちらも絶品です。
そのため、イシガニやワタリガニを食べる機会があれば、ぜひ甘みのある身や濃厚な蟹味噌を味わってみてはいかがでしょうか。