タイワンガザミは、その大きな体と豊かな味わいで人気を集める食用のカニです。
日本でも愛されているタイワンガザミは、濃厚な蟹味噌や甘みのある身が特徴。
本記事では、どのように調理すると美味しく楽しめるのか、また価格相場や旬の時期についても詳しく解説していきます。
タイワンガザミについて知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
タイワンガザミとは
タイワンガザミは、ワタリガニ科に分類される食用カニです。
大型のカニで、甲幅は最大で15センチ程度にまで成長します。
甲羅は横長の六角形に近い形をしています。
また、ワタリガニと同様に後ろ脚がオールの形をしており、海中を自由に泳げるのも特徴です。
日本では房総半島以南に多く見られ、各地で食用として愛されています。
タイワンガザミの旬
タイワンガザミの旬は、秋から冬にかけてですが、漁獲量が最も多いのは初夏から夏にかけてです。
秋から冬にかけて美味しくなるのは、メスのタイワンガザミが産卵期に備えて内子を成長させるためです。
一方、オスのタイワンガザミは夏の方が身が詰まり、また身の味もよくなるともいわれています。
そのため、タイワンガザミはオスとメスで美味しい時期が異なるのが特徴です。
季節によってオスとメスの味を比べることで、タイワンガザミの旬を余すことなく楽しめるでしょう。
身詰まりのよいオスのタイワンガザミを楽しみつつ、秋から冬の美味しい内子も味わってみると、タイワンガザミの魅力をより深く堪能できます。
タイワンガザミの価格相場
タイワンガザミの価格相場は、季節や性別によって異なりますが、1kgあたり2,000円程度が一般的です。
漁獲量の多い時期には供給が増えるため、相場は比較的安くなります。
一方で、旬の時期には需要が高まるため、価格が上昇する可能性があります。
しかし、同じワタリガニと比較すると相場は安い傾向にあるでしょう。
美味しいタイワンガザミを手頃な価格で楽しむためには、季節や供給状況を考慮して購入するのがおすすめです。
タイワンガザミの味
タイワンガザミは、甘みが詰まった旨みの強い身が特徴です。
さらに、濃厚な蟹味噌や内子も魅力の一つで、しっとりとした食感がクセになります。
身本来の味が強いため、旨みを閉じ込められる蒸しガニや茹でガニといった調理法が向いているでしょう。
また、香ばしい香りを感じられる焼きガニもおすすめです。
このように、タイワンガザミはさまざまな調理方法で、素材の美味しさを引き出せます。
タイワンガザミの食べ方
タイワンガザミを手に入れたら、以下のような調理法で食べることがおすすめです。
- 蒸しガニ
- 焼きガニ
- 茹でガニ
- 味噌汁
それぞれの食べ方についてみていきましょう。
蒸しガニ
タイワンガザミの旨みを余すところなく堪能するなら、蒸していただくのがおすすめです。
蒸すことでぷりぷりの身の食感や、旨みが凝縮された風味を堪能できます。
蒸しガニは簡単に調理できるうえに、カニ本来の美味しさを存分に楽しめる料理です。
カニの風味をじっくり味わいたい方は、ぜひ挑戦してみてください。
焼きガニ
焼きガニは、香りやホクホクの食感を楽しめる調理方法です。
焼きガニを食べることで、身の甘みがより引き立つため、カニの風味を存分に楽しめます。
特に、焼きガニの香ばしい香りと美しい焼き目は、食欲をそそられることでしょう。
茹でガニ
茹でガニの魅力は、繊細な身から感じられる甘みやプリプリした食感です。
茹でることで身が引き締まり、風味がより増します。
また、調理の手間が少なく、手軽に楽しめるのも特徴です。
茹でガニはシンプルな調理方法でありながら、カニの風味を最大限に引き出すことができるため、カニ本来の味を堪能したい方におすすめの調理方法です。
味噌汁
味噌汁にタイワンガザミの身を加えることで、より味わい深い仕上がりになります。
また、蟹味噌をプラスすると濃厚さが増して絶品です。
ぜひ、寒い季節や体を温めたいときに試してみてください。
タイワンガザミの捌き方
タイワンガザミを美味しく調理するために、適切な捌き方についてみていきましょう。
1.ふんどしを外す
タイワンガザミの下腹部についている三角形の部位をふんどしと呼びます。
食べられない部分なので、調理前に外します。
ふんどしとお腹の間に手を入れて力を加えると簡単に外れるでしょう。
2.甲羅を外す
胴体部分と甲羅の間に手をかけて外します。
甲羅の内部には蟹味噌が詰まっているので、しっかりと取り出しておきましょう。
3.口とエラを外す
甲羅の中についている口やエラは食べられないので、外しておきます。
特に、エラを除去しないと食中毒にかかる可能性があるので、忘れずに取っておきましょう。
4.脚を外す
関節部分から脚を外していきましょう。
手で外せない場合は、包丁やハサミを利用してください。
5.胴体を半分に割る
胴体は包丁で半分に割ります。
サイズによっては、さらに包丁を入れて細かく割りましょう。
6.ハサミや脚の身を取り出す
殻を割ってハサミや脚の身を取り出していきます。
胴体はカニスプーンや箸を利用すると、やりやすいでしょう。
タイワンガザミの蒸し方
タイワンガザミを蒸す際は、以下の手順で行いましょう。
- タイワンガザミの口に竹串などを刺して締める
- ふんどしの中に塩を入れる
- 水を張った蒸し器にタイワンガザミを入れる
- 15〜20分程度蒸す
- 水洗いして完成
タイワンガザミは、調理中に暴れて自らの手足を切断してしまわないように、事前に神経締めが必要です。
口に竹串などの鋭利な物を刺して閉めます。
味付けに関しては、ふんどしの中に塩を入れることで、塩味をプラスできます。
しかし、入れるすぎると塩味が強くなってしまうため、加減が必要です。
また、蒸し器に入れる際は、甲羅を下にして旨みが流れ出ないように注意しましょう。
タイワンガザミの茹で方
タイワンガザミの茹でる際は、以下の手順で行いましょう。
- タイワンガザミの口に竹串などを刺して締める
- 鍋にカニが浸かるほどの水を入れる
- 適量の塩を入れる
- 沸騰させる
- 沸騰したらタイワンガザミを入れて10分程度茹でる
茹で時間は大きさによって異なるため、臨機応変に対応しましょう。
また、茹でる際も甲羅を下にして旨みや蟹味噌を流してしまわないように注意が必要です。
タイワンガザミはどこで入手できる?
タイワンガザミは、主に以下の方法で入手できます。
- スーパーで購入する
- カニ通販で購入する
- 自分で釣る
それぞれの入手方法の詳細についてみていきましょう。
スーパーで購入する
タイワンガザミは、仲間であるワタリガニと比べたら流通量が多くないため、スーパーで見かける機会は多くありません。
しかし、時期や地域によっては取り扱いがある店舗もあるため、近くのスーパーを確認してみるとよいでしょう。
カニ通販で購入する
カニ通販なら、タイワンガザミのようにあまり流通していないカニでも気軽に購入できます。
そのため、タイワンガザミを購入するならカニ通販が一番おすすめです。
しかし、実物を見られないというデメリットがあるため、購入する通販サイトの口コミなどを事前にリサーチするようにしましょう。
関連記事:カニ通販で人気のおすすめ10サイトをランキング形式で徹底比較
自分で釣る
タイワンガザミはカニ網と呼ばれる仕掛けを使えば、自分で釣ることも可能です。
網の中にエサを入れておびき寄せ、周りの網で捕獲する方法です。
初心者でも簡単に挑戦できる方法ですが、釣れるポイントを知っていないと釣果は得られないので、事前に釣果情報を調べておくようにしましょう。
また、カニ網を使った捕獲方法は、地域や漁協によってルールが異なるため注意が必要です。
関連記事:【カニの釣り方】よく釣れるカニやおすすめのポイントを紹介!
食中毒にならないための注意点
タイワンガザミに限らず、カニのような海産物を食べる際に気をつけなければいけないのが食中毒です。
続いては、タイワンガザミを食べて食中毒にならないための注意点について確認していきましょう。
下処理をしっかり行う
タイワンガザミの甲羅にはさまざまな菌が付着しているため、調理前にはしっかり洗って綺麗にしておく必要があります。
特に脚の隙間は洗い残しが多い箇所でもあるので、入念に洗うことが大切です。
また、甲羅の中についているエラを食べることによっても、食中毒になる可能性があります。
エラは海水に触れている部位でもあるので、甲羅同様にさまざまな菌が付着しています。
そのため、エラは必ず事前に取り外しておくようにしましょう。
鮮度が落ちたタイワンガザミを食べない
タイワンガザミに限らず、鮮度の落ちたカニを食べることは、食中毒の可能性を高めます。
カニの鮮度が落ちている際の特徴は以下のとおりです。
- 甲羅や殻がヌメヌメしている
- 身が黒く変色している
- 腹部から異臭がしている
- 身が溶けている
これらの特徴に当てはまる場合は、食べずに破棄することが大切です。
また、鮮度は間違った保存方法によっても劣化するため、適切な方法で保存するように心がけましょう。
加熱して食べる
新鮮なカニであれば生食も可能ですが、その分食中毒のリスクも考えなければいけません。
加熱するとカニに付着した細菌を死滅させられるため、安全に食べられます。
そのため、カニの調理経験が少ない方や、自分で釣ったタイワンガザミを食べる際は、必ず加熱してから食べるようにしましょう。
タイワンガザミの食べ方についてのまとめ
今回は、日本各地で食用として愛されているタイワンガザミの食べ方について紹介しました。
タイワンガザミは、甘みの強い身と濃厚な蟹味噌によってさまざまな料理と相性抜群です。
しかし、衛生管理や鮮度管理を怠ると食中毒にかかるリスクもあるため、調理には十分注意しなければいけません。
タイワンガザミを手に入れた際は、ぜひ自分好みに調理して楽しんでみてください。