カニを飼育していると、水槽内で動かなくなることがあります。
死んでしまった?と思っても時間が経てば動き出すことも多いため、生きているのか死んでいるのかの判断は難しいでしょう。
そこで本記事では、カニが動かないときに死んでいるのか生きているのかを判断する方法について紹介します。
カニの生死を判断するのは難しい場合もあるため、カニを飼育している方はぜひ本記事の内容を参考にしてみてください。
カニが動かないときに考えられる原因は?
カニが動かなくなるのには、主に以下の原因が考えられます。
- 死んでいる
- 冬眠している
- 脱皮している
それぞれの原因について見ていきましょう。
動かない原因1.死んでいる
もちろん、カニは死んでしまうと動かなくなります。
カニが死んでしまう原因はさまざまありますが、よくあるのは飼育環境の乱れによるものです。
カニはデリケートな生き物であるため、自然と異なる環境では長生きできません。
特に、室内温度や水温はカニの生死に大きく影響します。
そのため、カニを飼育する際は室内温度や水温を一定に保ち、カニにストレスの少ない環境作りを心がけることが大切です。
また、水質汚染もカニにとってストレスになる要素なので、定期的な水換えも怠らないようにしましょう。
動かない原因2.冬眠している
カニに冬眠のイメージはないかもしれませんが、一部冬眠の習性を持つ種類のカニが存在します。
そのようなカニは寒い時期に冬眠するため、冬場の寒い時期に動かなくなったのであれば、冬眠の可能性も考えられるでしょう。
また、動かなくなるだけでなく巣穴に入って出てこなくなったり、エサを食べなくなったりするのも冬眠の兆候です。
そのため、カニが動かなくなった時期も注目するようにしましょう。
関連記事:カニはなぜ冬眠する?冬眠を成功させる方法についても紹介
動かない原因3.脱皮している
カニは定期的に脱皮をして体を大きくします。
脱皮した殻は体の形をしているため、脱皮した殻を見て死んでしまったと誤解してしまうことも少なくありません。
触ってみて質感が違わないか、本体が水槽のどこかに隠れていないか確認してみましょう。
また、脱皮していた場合、新しい殻が硬化するまでは傷つきやすいため、余計な刺激を与えないことも大切です。
カニが死んでいるかの見分け方
カニが動かないとき、死んでいるかを判断するには以下の方法を試してみるとよいでしょう。
- 持ち上げてみる
- 裏返してみる
- 臭いを嗅いでみる
- 色を確認する
- 周囲の水を確認する
- ふんどしを確認する
それぞれの方法について、詳しく見ていきましょう。
持ち上げてみる
動かないカニを持ち上げたときに、カニの脚がだらんと落ちる場合は死んでいる可能性が高いでしょう。
対して、脚が落ちない場合はまだ生きている可能性があるため、冷静に判断することが大切です。
裏返してみる
カニは死んでしまうと、裏返したときに左右の脚が対象に縮むのが特徴です。
そのため、裏返しても脚が対象に縮まない場合は、まだ生きていると考えられるでしょう。
臭いを嗅いでみる
カニは死ぬと独特の腐敗臭がします。
特に、お腹の部分は臭いが強いため、生きているか確認する際は、お腹の臭いを嗅いでみるとよいでしょう。
色を確認する
甲羅や殻が変色している場合は、死んでしまっている可能性が高いです。
変色が始まると臭いも強くなるため、臭いも併せて確認するようにしましょう。
周囲の水を確認する
カニが水の中で死ぬと、カニの周囲の水が澱んできます。
そのため、動かないカニの周りの水が綺麗で澄んでいる場合は、死んでいる可能性は低いでしょう。
ふんどしを確認する
カニのふんどしがめくれていると、死んでしまっている証拠です。
ふんどしは下腹部についているので、確認しましょう。
カニが冬眠したらどうする?
カニを飼育していると、冬眠を始めて動かなくなる場合があります。
その際は、あまり刺激せず静かに見守ることが大切です。
カニの冬眠中に過度なストレスを与えると、その生存率に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、室温や水温が低くなりすぎると死んでしまう可能性があるため、冬眠中でも飼育環境を適切に整えることが重要です。
温度を一定に保ち、水質を清潔に保つことで、カニの健康と生存率を維持できます。
このように、冬季のカニの飼育には特別な注意が必要であり、飼い主の責任が求められるでしょう。
冬眠前に気を付けることは?
カニは冬眠が近づくと、動きが少なくなったりエサをあまり食べないようになったりします。
そのため、冬眠の予兆を感じたらカニにとって冬眠がしやすい快適な環境を作ってあげることが大切です。
カニは土や砂の中で冬眠するため、カニが埋もれるくらいの量を用意しましょう。
また、土や砂が用意できない場合は、石での代替も可能です。
さらに、冬眠前はエネルギーを多く蓄えるため、エサを多めに与えておくのもよいでしょう。
これらの対策を取ることで、カニが健康的に冬眠を行うのをサポートできます。
飼育下では冬眠させないのも選択肢の一つ
自然環境では厳しい冬を乗り越えるためにも冬眠が必要ですが、飼育環境下では、必ずしも冬眠させないといけないわけではありません。
というのも、飼育下なら冬でも変わりなくエサを食べられるため、冬眠によってエネルギーの消費を抑える必要がないためです。
また、冬眠には適切な状態で入らなければ死んでしまう危険性もあるため、冬眠させないという選択は現実的です。
カニを冬眠させない方法は?
カニは基本的に気温が7度以下になったら冬眠するといわれています。
そのため、気温が7度以下にならないように調整すると冬眠を防げます。
水槽内にヒーターを設置したり室内に暖房をつけたりして、気温を一定に保つようにしましょう。
このように、冬眠をさせないためには、気温管理に気を使う必要があります。
動かない以外でよくあるカニのトラブル
カニを飼育していると、さまざまなトラブルに見舞われることが少なくありません。
続いては、カニの飼育でよくあるトラブルについて確認していきましょう。
よくあるトラブル1.泡を吹く
カニは酸欠に陥った際に泡を吹きます。
泡を吹いた状態で放置していると死んでしまう可能性があるため、注意が必要です。
カニはエラ呼吸ですが、エラに溜めた水を利用して陸上でも呼吸ができます。
しかし、長時間陸にいるとエラの中の水が乾燥して泡を吹くようになるため、水槽から脱走するなどして水を補給できない場合は危険です。
また、飼育水に含まれる酸素濃度によっては、十分水があっても酸欠を引き起こす可能性があります。
基本的に、水位が高いと水底の酸素濃度が薄くなってしまうため、水位は高くしすぎないことが大切です。
関連記事:カニが泡を吹くのはなぜ?泡を吹いたときの対策を紹介!
よくあるトラブル2.脱走する
カニは器用に水槽を上って脱走する場合があります。
そのため、カニを飼育する際は脱走防止の対策が必要です。
具体的には、水槽の上部に蓋をしたり、底の深い水槽を用意したりする方法が考えられます。
また、飼育環境の悪さもカニが脱走する一つの原因です。
特に適切でない温度設定や、水質の汚染は脱走を助長します。
大切なカニを脱走させないためにも、快適な飼育環境づくりを徹底したり、蓋の設置を行ったりしましょう。
関連記事:カニはなぜ脱走する?脱走する理由や対策方法について解説!
よくあるトラブル3.共食いが起こる
一つの水槽でカニを複数匹飼育していると、共食いが発生する可能性があります。
そのため、カニは一つの水槽に一匹が基本ですが、大きな水槽でそれぞれに隠れ家を与えるなどして、お互いを干渉させなかったら混泳も不可能ではありません。
しかし、脱皮直後など無防備になった状態では共食いのリスクが高まるため、脱皮の兆候が見られたらほかの水槽に一時的に避難させるなどの対処が必要になってくるでしょう。
よくあるトラブル4.エサを食べない
カニを飼育していると、エサを食べなくなるときがあります。
原因の一つとして、飼育環境の悪さによって食欲が失われている可能性が考えられます。
特に、温度変化が激しいとカニには大きなストレスとなり、エサを食べなくなることにもつながるでしょう。
また、カニは夜行性のため、昼間よりも夜にエサを与える方がよく食べる場合もあります。
そのため、カニがエサを食べない場合は飼育環境を見直したり、エサを与える時間を変更してみたりするのがおすすめです。
よくあるトラブル5.脱皮不全を起こして死んでしまう
カニは成長するために、必ず脱皮を行います。
しかし、しっかり脱皮できずに脱皮不全を起こすと死んでしまう可能性があります。
そのため、飼育下ではカニが脱皮しやすい環境を整えてあげることが大切です。
特に、温度変化が激しかったり、騒音が多かったりする環境は脱皮の妨げとなります。
ほかにも、脱皮をするのに十分なスペースがないと、綺麗に皮を脱げないので注意が必要です。
適切な環境を整えて、カニが安全に脱皮できる環境をサポートしてあげましょう。
また、脱皮直後は共食いが起こりやすいため、複数のカニを同時に飼っている方は、一時的にカニをほかの水槽に移動させると安心です。
関連記事:カニの脱皮が失敗する原因は?成功させるための対策について紹介
カニが水槽で動かないときのまとめ
今回は、カニが水槽で動かないときに死んでいるのかを判断する方法について紹介しました。
カニが動かないときは、死んでしまったか冬眠しているのか、もしくは脱皮しているかの三通りが主に考えられます。
これらの判断は、カニを持ち上げると判断がしやすいです。
持ち上げた際に脚がだらんと落ちてしまったら死んでいる可能性が高いといえます。
ほかにも、臭いや変色の有無でも判断可能です。
そのため、カニが動かなくなってもすぐに死んでしまっていると判断せずにしっかり確認するようにしましょう。