カラッパとはどんなカニ?飼育に大切なポイントや特徴について解説!

カラッパとは、海に生息するカニの一種で、日本でも11種類ものカラッパが確認されています。

その形状はほかのカニとは異なり、大きく丸々とした甲羅が特徴的です。

飼育用のカニとして人気ですが、知名度の高くないカニであるため、飼育を始めようにもなにから始めたらいいのかわからないかと思います。

そこで今回は、カラッパの飼育における重要なポイントや特徴について解説します。

初めてカニを飼育する方にもわかりやすく解説するので、ぜひ最後までご覧ください。

カラッパの特徴

カラッパは、カラッパ科カラッパ属に分類されるカニの総称です。

昔はマンジュウガニという名で知られていましたが、現在は属名をそのまま和名として使用しています。

甲幅は5~15cmと幅広く、背中がドームのように膨れ、表面が滑らかな場合と、円錐形もしくはやや鱗状の突起で覆われているケースがあります。

日本産のカラッパ類は11種類おり、その中でもトラフカラッパやメガネカラッパは個体数も多く一般的です。

カラッパの分布

カラッパは温帯や熱帯海域に広く分布しており、一般的に浅い海の砂泥底に棲んでいます。

日本で多く確認されているトラフカラッパは、東京湾から九州にかけて生息しています。

カラッパの寿命

カラッパの寿命は5年前後です。

しかし、飼育環境や管理の質、個体の健康状態などによって寿命は異なります。

適切な飼育条件や十分な栄養を与えることで、長生きさせることは可能です。

カラッパのエサ

カラッパは人工のエサも食べますが、生きた状態のエサを与えてあげれば、より長く飼育できます。

主なカラッパの種類

カラッパは日本だけでも11種類生息していますが、その中でも比較的ポピュラーな以下4種類のカラッパを紹介します。

  • トラフカラッパ
  • メガネカラッパ
  • ヤマトカラッパ
  • ソデカラッパ

それぞれのカラッパの特徴について見ていきましょう。

トラフカラッパ

トラフカラッパは、日本でも生息が多く確認されているカニで、水深30~200mの砂底に生息しています。

夜行性で、夜になると貝などのエサを求めて活動しますが、日中は砂に体を埋めて身を隠しています。

甲幅は15cmほどあり、カラッパの中では大型の部類です。

甲羅やハサミに縞や斑点が付いており、これがトラの縞模様である虎班(とらふ)に似ていることが名前の由来となっています。

メガネカラッパ

メガネカラッパは、水深30〜100mの砂底に生息しています。

甲幅は8cmほどで、目の周りにメガネに見える斑紋があることからその名がつけられました。

トラフカラッパ同様、昼間は砂の中で大人しく生活しています。

ヤマトカラッパ

ヤマトカラッパは、日本に生息するカラッパの中では最大種で、甲幅は12〜15cmほどにまで成長します。

日本では東京湾以南の近海に生息していますが、ほかのカラッパよりも比較的深い場所にいます。

ソデカラッパ

ソデカラッパは、甲幅が8cmほどでころっとした見た目が特徴的なカニです。

甲羅を袖のように伸ばし、足の防御をしやすいようにできることから、その名がつけられています。

見た目も可愛らしいため、飼育用としても高い人気があります。

カラッパは食べられる?

カラッパは主に食用としては利用されることはありませんが、食べることは可能です。

蒸して食べる方法が一般的ですが、食べる場合にはほかの食用カニの方がより適しています。

そのため、わざわざカラッパを食べるようなケースはあまりないでしょう。

カラッパの飼育で気を付けるポイント

カラッパを飼育する際は、以下のポイントに気を付けるようにしましょう。

  • 水温は20~30度にする
  • カラッパが潜れる砂を用意する
  • 混泳はおすすめできない
  • 脱皮後は隔離する

それぞれのポイントについて確認していきましょう。

水温は20~23度にする

カラッパは暑さに弱い生き物であるため、水温の調整は欠かせません。

カラッパを飼育するうえでの適温は、20~23度です。

そのため、直射日光を避けて飼育するなど水温が上がってしまわないように気を付けましょう。

カラッパが潜れる砂を用意する

カラッパは砂に潜む習性があるため、飼育の際はカラッパが潜れる砂を用意する必要があります。

また、カラッパが潜れるように砂は粒の細かい厚手のものを選ぶことが大切です。

混泳はおすすめできない

カラッパ同士の混泳は難しいことが一般的ですが、不可能ではありません。

複数のカラッパを一緒に飼う場合は、2匹ではなく複数の個体を一度に導入する方がうまく同居させられます。

しかし、混泳させずに一匹ずつ飼育する方が安全に育てられるでしょう。

また、ほかの種類のカニとの混泳は相性が悪いことが多いため、おすすめはされません。

脱皮後は隔離する

カラッパは成長するために脱皮を繰り返します。

脱皮後は殻がしばらく固くならないため、ほかのカニと混泳している場合は、襲われないように隔離しておくことがおすすめです。

飼育に向いているカニの一覧

これまでカラッパの飼育方法について見てきましたが、カラッパ以外にも飼育におすすめなカニがいくつか存在しています。

続いては、それらのカニの特徴や飼育方法について簡潔に紹介していきます。

サワガニ

サワガニは、日本でとても有名な淡水カニで、飼育用としてよく利用されます。

水質のきれいな川で生息しているため、飼育時も水を清潔に保つことが必要です。

そのため、2~3日ごとに水替えを行って、水が常に綺麗な状態を維持しなければいけません。

また、サワガニは小型のカニの一種であり、飼育の難易度はそれほど高くないため、初心者の方がカニの飼育を始める際におすすめです。

なお、サワガニの飼育方法については、以下の記事でより詳しく解説しています。

参考記事:サワガニはどのような飼育環境が必要?エサや水換えの頻度について解説

モクズガニ

モクズガニは淡水で見られる大型のカニで、主に食用として人気があります。

濃厚な蟹味噌や内子は特に好まれ、さまざまな料理と相性抜群です。

また、飼育用としての需要も高く、安価なものならば生きたモクズガニを500円程度で購入できます。

しかし、大きな体に合わせた適切な水槽が必要となり、飼育には一定のコストがかかります。

それでも、その大きな体を動かしているところを見るのは、とても面白く、観察しがいがあるでしょう。

なお、モクズガニの飼育方法については、以下の記事でより詳しく解説しています。

参考記事:モクズガニの飼育は難しい?長生きさせるポイントや注意点を徹底解説

ドワーフクラブ

ドワーフクラブは小型で飼いやすく、見た目も鮮やかなため、鑑賞に適した淡水カニです。

インドネシアが生息地であり、飼育用として高い人気があります。

多様な種類が存在し、体色や模様が異なることも魅力の一つです。

自由なレイアウトで独自の飼育環境を作ることも楽しめます。

また、価格も手ごろで一匹あたり約1,000円程度です。

ぜひ一匹飼育して、その魅力を堪能してみてはいかがでしょうか。

なお、ドワーフクラブの飼育方法については、以下の記事でより詳しく解説しています。

参考記事:初心者でも安心!簡単に飼育できるドワーフクラブの魅力と育て方

スナガニ

スナガニは海の砂浜に生息し、深さ数十センチから1メートルの穴で生活します。

非常に警戒心が強いのが特徴で、逃げるスピードも速く、捕獲は容易ではないため、捕獲の際には穴を掘って捕まえるのがおすすめです。

飼育する場合は、スナガニが普段生活している砂浜と似た環境を提供することが重要です。

そのため、深い砂を用意して砂の中に隠れられる環境に整えてあげましょう。

また、用意した砂には海水を含ませてあげることも大切です。

なお、スナガニの飼育方法については、以下の記事でより詳しく解説しています。

参考記事:スナガニは飼育できる?長生きさせる飼育方法や捕まえ方について解説

アカテガニ

アカテガニは、赤いハサミが特徴的なカニで、食用ではなく鑑賞用としてよく利用されています。

アカテガニの飼育環境を整えるためには、水換えや温度調整が必要です。

しかし、飼育の際に大きな水槽は必要ないため、飼育コストは低く抑えられます。

そのため、初心者でも飼育は比較的簡単です。

また、アカテガニの生態を観察すると、人間に対して威嚇するなどの面白い行動も見ることができるため、日ごろの観察も楽しめるでしょう。

なお、アカテガニの飼育方法については、以下の記事でより詳しく解説しています。

参考記事:アカテガニは飼育に向いている?飼育方法や手に入れ方について解説

イソガニ

イソガニは日本各地の海岸に生息しているカニで、誰でも比較的容易に見つけられるでしょう。

海岸の岩場に住んでいるため、捕獲の際には簡易的な釣竿を作って、釣り上げて捕まえるのがおすすめです、

また、イソガニを飼育する際には、共食いを防ぐために水槽を分けたり、個別の飼育スペースを用意したりすることが重要です。

このように、イソガニの飼育には注意が必要なポイントがいくつかありますが、飼育自体はそこまで難しものではありません。

そのため、カニの飼育に興味がある方の初めてのカニとしてもおすすめです。

なお、イソガニの飼育方法については、以下の記事でより詳しく解説しています。

参考記事:イソガニはどうやって飼育する?捕まえ方から特徴までを徹底解説

カラッパの飼育方法についてのまとめ

今回は、温帯や熱帯海域に広く分布しているカラッパの飼育方法について紹介してきました。

カラッパは暑さに弱いため、水温を20~23度の適温に維持する必要があるのに加えて、カラッパが潜れる砂を用意することも大切です。

カラッパはあまり馴染みのないカニではありますが、丸々とした独特な見た目が鑑賞の楽しみをもたらしてくれます。

普通のカニではなく、特徴的で珍しいカニを飼育してみたいという方は、ぜひカラッパを飼育してみてはいかがでしょうか。