モクズガニを捕獲して、そのまま食べる前には、必ず泥抜きをすることが大切です。
泥抜きを怠ると、食べる際に砂や泥が口の中に入ってしまったり、臭いの原因になってしまったりして、美味しく味わえない可能性があります。
そこで本記事では、モクズガニの正しい泥抜きの方法について解説します。
ぜひ、モクズガニの調理をするときの参考にしてみてください。
モクズガニの特徴
モクズガニは、淡水域で暮らす食用のカニで、ハサミや脚に細かい毛が生えています。
オスのモクズガニは甲幅が8cm程度あり、メスよりも大きいのが特徴です。
食用にされるだけあり、味は美味で、特に濃厚な蟹味噌は、カニ好きからも高い評価を得ています。
上海ガニ(チュウゴクモクズガニ)とは近縁で、見た目も味も似ていることから、日本の上海ガニと呼ばれることもあります。
茹でる、蒸す、汁物、炊き込みご飯など、さまざまな料理で利用でき、どれも絶品です。
モクズガニの旬は?
モクズガニは、9月下旬から11月が旬と言われています。
この時期には、メスが卵をたくさんつけるため、内子が豊富に獲れるのと、オスも白子をたくさんつけます。
また、サイズも大きくなり、食べ応えも抜群です。
そのため、高品質なモクズガニを狙う場合は、9月下旬から11月に漁獲されたモクズガニを購入するとよいでしょう。
モクズガニの価格相場は?
モクズガニは、比較的手頃な価格で購入できる食用の淡水甲殻類です。
1kgあたり4,000円程度で取引されています。
一般的なカニは、サイズが大きく身入りの良いオスの方が高価ですが、モクズガニは内子がついているメスの方が高値になる傾向があります。
特に蟹味噌や内子はとても深い味わいなため、さまざまな料理に利用できるでしょう。
手ごろな価格で購入できることもあり、多くの人々に愛されているカニといえます。
泥抜きはなぜ必要?
泥抜きとは、主に淡水産の魚介類に行う下処理で体内の泥や汚物を排出させる行為を指します。
泥抜きをしないと、食した際に砂や泥が口の中に入ってしまったり、生臭い臭いを放ったりします。
そのため、美味しく食べるために泥抜きは不可欠といえるでしょう。
モクズガニの泥抜きをする方法
基本的に、スーパーなどで購入したモクズガニであれば、すでに泥抜きがされているケースがほとんどです。
しかし、泥が残っている場合も考えられるため、念の為泥抜きは行っておくとよいでしょう。
なお、自分で捕獲した場合は確実に泥抜きを行わなければいけません。
水道水で泥抜きをする
魚などを泥抜きをする場合は、水道水の塩分を抜くためのカルキ抜きを行う必要がありますが、モクズガニにカルキ抜きは必要ありません。
そのため、水道水をそのまま使って泥抜きを行いましょう。
水が澄むまで行う
泥抜きをする際は、水道水をモクズガニの半分程度まで入れて行います。
時間が経てば、モクズガニが体内の泥や汚物を吐き出すので、水が汚れたらその都度入れ替えましょう。
入れ替えの目安は、朝晩1回ずつの計2回です。
モクズガニの状態にもよりますが、大体3日程度で水が綺麗になるでしょう。
泥抜きをするときの注意点
泥抜きをするときは、基本的にエサは与えませんが、場合によっては身が痩せる可能性があります。
また、同じバケツや水槽に複数のモクズガニを入れていると、共食いをしてしまう危険性も考慮しなければいけません。
さらに、モクズガニの脱走にも注意が必要です。
底の浅いバケツだと、脚を伸ばして脱走する場合があります。
脱走防止に、蓋と重石をしておくことが大切です。
泥抜き後はすぐに調理しよう
モクズガニは鮮度が落ちると、味も落ちてしまうため、泥抜きが完了したらすぐに調理するようにしましょう。
しかし、すぐに食べずに保存しておきたい場合は、冷凍保存が可能です。
暴れないようにハサミを輪ゴムで止めて、ジップロックに入れて冷凍します。
しかし、長時間の保存には向いてないので、遅くても1ヶ月以内には消費するようにしましょう。
モクズガニの塩茹でのやり方
泥抜きが完了したら、暴れないように氷締めか、口から鉄串を差し込んで締めてから調理していきます。
モクズガニの塩茹では、素材の味を存分に味わえるとして定番の料理といえます。
そんな、モクズガニの塩ゆでのやり方は以下のとおりです。
- よく洗ったモクズガニを鍋に入れて火にかける
- カニが動かなくなったら塩を適量加える
- 沸騰したら10~15分程度茹でる
- 茹で上がったら完成
モクズガニには寄生虫がいる可能性があるため、しっかりと加熱しましょう。
モクズガニのおすすめ料理
モクズガニには、さまざまな料理方法がありますが、その中でも以下の料理がおすすめです。
- つがに汁
- 炊き込みご飯
- 蒸しガニ
それぞれの特徴について見ていきましょう。
つがに汁
つがに汁は、モクズガニを丸ごと使用した汁物の料理で、高知県の郷土料理です。
モクズガニを殻ごと潰して水に入れ、漉した液体を温めると、身が凝固してふわふわとしたものが汁に浮かび上がります。
このふわふわしたものには、モクズガニの濃厚な旨味が凝縮されており、汁自体にも豊かな旨味が広がります。
モクズガニの美味しさを存分に味わえる、絶品の料理といえるでしょう。
炊き込みご飯
モクズガニを使った炊き込みご飯は、カニの濃厚な旨味が口いっぱいに広がる美味しい料理です。
活きたモクズガニを下茹でし、身と蟹味噌を取り出した後、米と共に炊飯器で炊き上げます。
モクズガニの風味が溶け込んだ炊き込みご飯は、とても贅沢な味わいが楽しめるでしょう。
蒸しガニ
モクズガニの美味しさを存分に味わうためには、蒸しガニがおすすめです。
生きたまま蒸すため、素材本来の味わいが楽しめます。
また、蒸し器には、蟹味噌がこぼれないように甲羅を下に置くのがポイントです。
茹で上がったモズクガニには、シンプルに塩を振りかけるだけでOKです。
身だけでなく、蟹味噌や内子も一緒に味わうと、とても高級感のある味わいを堪能できるでしょう。
美味しいモクズガニの選び方
モクズガニに限らず、美味しいカニは脱皮から時間が経過している個体の方が、身入りがよくて美味しいとされています。
そのため、脱皮直後の甲羅が柔らかい個体よりも、甲羅が硬い個体を選んだ方が身が詰まった美味しいモクズガニを購入できるでしょう。
モクズガニの寄生虫について
モクズガニは川に生息するカニであるため、寄生虫が寄生している可能性があります。
そのため、食べる際にはよく加熱して寄生虫を死滅させなければいけません。
寄生虫が生きている状態でモクズガニを食べてしまうと、以下のような感染症に感染する恐れがあります。
- ウェステルマン肺吸虫症
- 宮崎肺吸虫症
それぞれの特徴や症状について確認していきましょう。
ウェステルマン肺吸虫症
ウェステルマン肺吸虫症とは、ウェステルマン肺吸虫という寄生虫が原因で引き起こされる感染症です。
加熱不足の淡水甲殻類を食べることで感染することがあります。
主な症状は、胸痛や腹痛、呼吸困難です。
この感染症は、慢性化すると肺以外の臓器も影響を受けることがあります。
治療には薬剤が必要ですが、予防のためにモクズガニを食べる際は、十分に加熱してから食べるようにしましょう。
宮崎肺吸虫症
宮崎肺吸虫症は、宮崎肺吸虫によって発症する感染症です。
この感染症もウェステルマン肺吸虫症と同じく、加熱不足の淡水甲殻類を食べることで感染します。
胸膜炎や自然気胸、皮下腫瘤などの症状が報告されています。
これらの症状は非常に苦痛なものであり、宮崎肺吸虫症を引き起こす淡水甲殻類を食べる場合は、絶対に生で食べないように注意しましょう。
モクズガニは誰でも捕獲できる?
モクズガニの捕獲には、地域によってルールがあります。
そのため、地域のルールを守って捕獲するようにしましょう。
もしもルールを破った場合は、重い罰則があります。
そのため、漁獲ルールが把握できない場合は、必ず管轄の漁協などに連絡を入れて、無断で漁を行わないようにしましょう。
モクズガニは飼育できる?
同じ淡水甲殻類のサワガニは体も小さく、自宅で飼育するのに適していますが、モクズガニはどうでしょうか。
実は、モクズガニも環境さえ整えれば自宅で飼育可能です。
モクズガニを飼育するのに適した環境は?
モクズガニを飼育する際は、水辺だけでなく、陸地も必要です。
水は15cmほど入れて、脱皮しやすい環境を使ってあげましょう。
また、モクズガニは、自然環境で水草などに隠れ住む習性があるため、身を隠せるアイテムを設置してあげることが大切です。
身を隠せる場所があれば、モクズガニはストレスを溜めずに生活できるでしょう。
モクズガニのエサは?
モクズガニは雑食のため、なんでも食べますが、基本的には生エサを与えるとよいでしょう。
刺身や貝、ミミズなどを好んで食べます。
しかし、生エサの準備が難しい場合は、ザリガニのエサなどの人工エサでも代用できます。
また、エサの食べ残しが多くなると水が汚れるため、食べ残しはその都度取り除くようにしましょう。
モクズガニの泥抜きについてのまとめ
モクズガニは泥臭さが強いため、十分な泥抜きが必要です。
バケツや水槽にモクズガニが半分浸かるほどの水を入れて、数日放置することで体内の泥や汚物を吐き出します。
綺麗に泥抜きができれば、モクズガニ特有の泥臭さもかなり緩和されるでしょう。
また、食べる直前にも再度水で洗い流してから調理することが重要です。
ぜひ、正しい泥抜きを行って、美味しいモクズガニを味わってみてください。
なお、モクズガニに限らず美味しいカニを購入するなら、カニ通販がおすすめです。
以下の記事では、おすすめのカニ通販サイトを10個厳選して紹介しているので、ぜひ参考にして見てください。