冬の味覚であるカニは、10本の足を持っています。
しかし、足の数が8本しかないカニも存在しているのをご存知ですか?
では、足の数が10本のカニと8本のカニはなにが違うのでしょうか。
本記事では、カニの足の数による違いについて紹介します。
ほかにも、カニが持つ足の本数ごとの代表的なカニについても見ていきましょう。
一般的なカニの足は10本
カニの足の数は、通常10本です。
この本数には、ハサミ2本も含まれています。
ハサミ2本は、獲物を捕獲したり天敵を威嚇したりすることに使われており、残りの8本は歩行に使われます。
また、足の先が爪のように鋭利なものになっているのは、歩行の際に岩や海底にひっかけやすくするためです。
なお、カニが前ではなく横に歩くことには、この足に理由があります。
カニの足はそれぞれが密着しているため、上下に動かすとそれぞれが干渉しあって上手に歩けません。
そのため、カニは前ではなく横の方が歩きやすいのが特徴です。
足が10本ある代表的なカニは?
一般的なカニは足が10本ありますが、具体的にはどのような種類のカニが当てはまるのでしょうか。
続いては、足が10本ある代表的なカニの種類について見ていきましょう。
毛ガニ
毛ガニは北海道が名産地の食用カニで、日本のカニの代表格ともいえる存在です。
甲長は12センチほどの大型で、体全体に毛が生えているのが最大の特徴です。
北海道では、一年を通してさまざまな地域で水揚げされるため、オールシーズン楽しめるカニとして高い人気を誇ります。
身はとても繊細で、強い甘みを感じられます。
また、蟹味噌はカニの中でも評価が高く、濃厚な風味が絶品です。
甲羅焼きにしていただくと、ご飯やお酒が進むことでしょう。
ズワイガニ
ズワイガニは、深海に生息する大型の食用カニです。
細長い脚が最大の特徴で、オスの大きい個体だと最大で70センチにもなります。
身は毛ガニ同様繊細で甘みが強いため、しゃぶしゃぶや鍋料理と相性抜群です。
また、各地でブランド化されているのも特徴で、代表的なブランドだと越前ガニや松葉ガニが挙げられます。
オスとメスでも特徴が大きく異なり、身の味わいや価格が変わるため、自分に合ったズワイガニを選ぶ楽しみ方もできるでしょう。
ワタリガニ
別名ガザミとも呼ばれるワタリガニは、青っぽい体色と菱形の甲羅が特徴です。
第5脚はオールの形になっており、その名のとおり広い海を泳ぎながら渡れます。
甘みの強い身はもちろんですが、メスにだけつける内子は特に高い評価を誇ります。
また、毛ガニやズワイガニと比較すると価格が安いため、手軽にカニを楽しみたい方におすすめです。
茹でや焼き、蒸しなど、どのような食べ方をしても美味しく食べられるでしょう。
サワガニ
サワガニは、日本各地の川や沢に生息している淡水のカニです。
そのため、日本人にとっては馴染み深いカニといえるでしょう。
食用としては、唐揚げなどで利用されることがありますが、食中毒のリスクなどから定番の利用方法とはいえません。
対して、飼育用としては、人気があります。
サイズも小さく飼育コストが高くないことから、初心者用のカニとして利用されることも多いでしょう。
足が8本のカニがいる?
一般的なカニは、足が10本ありますが、中には足が8本しかないカニも存在しています。
足が8本しかないカニは、厳密にはカニではなくヤドカリの仲間に分類されます。
しかし、足が8本しかないとされるヤドカリの仲間である甲殻類でも、目に見える足が8本というだけで、実際は10本の足があるのが特徴です。
見えない足2本は甲羅に隠されており、普段は見ることができません。
この2本の足は、甲羅の中に溜まったゴミを体外に放出する役割を担っています。
そのため、ヤドカリの仲間に分類されるカニは見える足が8本しかないため、純粋なカニとの見分けも簡単です。
足が8本の代表的なカニは?
足が8本のカニにはどのような種類がいるのでしょうか。
確認していきましょう。
タラバガニ
目立つ足が8本しかない甲殻類の代表格がタラバガニです。
タラバガニは、タラバガニ科に分類される甲殻類で、カニではなくヤドカリの仲間に分類されます。
そのため、足の本数だけでなくそのほかの特徴もヤドカリと類似するところがあります。
毛ガニやズワイガニと比較すると、身がとても豊満で食べ応えあるのが特徴です。
その変わり味が淡泊なので、タラバガニを食べる際は焼きガニなどの加熱料理がおすすめです。
食べ応えだけでなく、豊かな香りも楽しめるでしょう。
花咲ガニ
花咲ガニは、タラバガニ科に分類される甲殻類で、目立つ足が8本しかないヤドカリの仲間です。
タラバガニの近縁種で、食用として利用されます。
北海道の根室で水揚げされる花咲ガニは、漁獲地が限定的であることから、希少価値の高いカニとして人気があります。
茹でると真っ赤に染まる甲羅や、無数の棘が生えている体が特徴です。
タラバガニ同様、身が太く食べ応えがあります。
焼きガニなどで豪快に食べると、花咲ガニの魅力を一番感じられるでしょう。
アブラガニ
アブラガニはタラバガニ科に分類される甲殻類で、タラバガニや花咲ガニと同様に目立つ足が8本しかないヤドカリの仲間です。
見た目がタラバガニと似ているのが特徴で、アブラガニをタラバガニと偽って販売する偽装販売が問題となるほどです。
タラバガニとは、甲羅にある突起の数で見分けられます。
タラバガニは甲羅の突起の数が6つなのに対して、アブラガニは4つです。
味に大きな違いはありませんが、タラバガニの方が若干評価が高いため、価格ではアブラガニの方が安価です。
そのため、タラバガニを安く購入したい方の代替品として人気があります。
ヤシガニ
ヤシガニは、オカヤドカリ科に分類される甲殻類で、陸上生活をする節足動物の中では最大種です。
日本では沖縄や宮古、八重山の各諸島に生息しています。
沖縄県の一部地域では、ヤシガニを茹でて食べる習慣がありますが、体内に毒性のウイルスを持っていることがあり、食べたことによって死に至ったケースもあるなど、危険な食材としても知られています。
また、年々個体の数を減らしており、絶滅危惧種にも指定されているため、食べられる機会は少ないでしょう。
カニ下目とヤドカリ下目はどっちが美味しい?
毛ガニやズワイガニに代表されるカニ下目と、タラバガニや花咲ガニなどのヤドカリ下目にはそれぞれ違った特徴があります。
続いては、カニ下目とヤドカリ下目それぞれの特徴について確認していきましょう。
カニ下目は甘みのある身が特徴
毛ガニやズワイガニのようなカニは、なんといっても繊細で甘みの強い身が特徴です。
カニ本来の味を存分に味わえるため、しゃぶしゃぶや鍋にするとカニの甘みがより引き立つでしょう。
ほかにも、茹でたり蒸したり、刺身にしたりしても美味しいため、どんな調理法にも合う万能さが特徴です。
ヤドカリ下目は豊満な身が特徴
タラバガニや花咲ガニのヤドカリ下目の甲殻類は、カニ下目と比較して身が豊満なことが特徴です。
そのため、食べ応えを味わえる焼きガニが特に相性抜群です。
食感もぷりぷりしていて、口に入れた際に強い満足感を得られます。
そのため、カニを豪快に楽しみたい方は、タラバガニや花咲ガニを選んでみるのがよいでしょう。
蟹味噌はカニ下目の方が美味しい
カニの魅力は、身だけでなく蟹味噌にもあります。
そんな蟹味噌を楽しむなら、カニ下目がおすすめです。
カニ下目の蟹味噌は、濃厚で風味豊かなため、一度口にしたら病みつきになる味わいです。
対して、ヤドカリ下目の蟹味噌は油っぽさや臭みが強いため、品質的にはカニ下目よりも劣ります。
さらに、ヤドカリ下目の蟹味噌は加熱しても固まらないため、ボイルした際に蟹味噌が流れ出て身に影響を及ぼします。
身の品質だけでなく色も変色してしまうため、タラバガニなどの蟹味噌は、販売前に取り除かれていることが珍しくありません。
そのため、蟹味噌目当てでカニを購入する際は、カニ下目である毛ガニやズワイガニを選択するようにしましょう。
カニの足が少ないときがある?
カニの中には、足の数が本来の数よりも欠けている場合があります。
これは、カニの習性である自切によるものです。
カニは天敵に襲われた際など、自らの足を切り落として逃げる習性を持っています。
自切した足は、脱皮後に再生されますが、脱皮前に捕獲されたカニなら足が足りないケースも珍しくありません。
また、生きたままカニを茹でると鍋の中で自切を行うケースもあります。
調理中に自切が起こってしまうと、カニの旨みが外に逃げ出してしまうため、事前に締めて動かなかくしておくことが大切です。
カニを購入するならカニ通販がおすすめ!
カニを購入する際は、カニ通販がおすすめです。
カニ通販なら、水揚げ直後のカニを自宅まで届けてくれるため、お家にいながら新鮮なカニを楽しめます。
また、店舗に並ぶコストがかからないことから、スーパーなどで購入するよりも安く手に入れられます。
ほかにも、特定地域の珍しいカニを購入できるなどさまざまな魅力があるため、カニの購入を考えている方は、ぜひカニ通販を利用してみてください。
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カニの足の数は何本なのかについてのまとめ
今回は、カニは何本の足を持っているのかについて紹介しました。
一般的なカニは10本の足を持っていますが、タラバガニのようにヤドカリの仲間に分類される甲殻類は、目立つ足が8本しかありません。
そのため、足の数を確認すればカニの仲間なのかヤドカリの仲間なのかが一目でわかるでしょう。
見た目は足以外に大きな違いはありませんが、身や蟹味噌に関してはそれぞれに異なった特徴があります。
満足いくカニを購入するなら、足の数を数えて、そのカニの特徴を把握してから購入するようにしましょう。