冬になると美味しそうなカニをスーパーで目にする機会が多くなりますが、店頭に並んだカニの甲羅に黒いぶつぶつが付着しているのを見たことはないでしょうか。
見た目は少し不気味で、気持ち悪く感じるのはおかしな感覚ではないでしょう。
そんなカニの甲羅についているのは、カニビルという寄生虫の卵です。
購入したカニに、そんなカニビルの卵がついていて食べても良いのか不安になっている方もいるでしょう。
今回は、そのカニビルやカニビルの卵について以下の内容で紹介していきます。
- カニビルの卵と成虫について
- カニビルに害はある?
- カニビルの味は?
- カニビルの取り方について
この記事で黒いぶつぶつの正体であるカニビルについて勉強していきましょう。
カニの甲羅についている黒いぶつぶつの正体
カニの甲羅についている黒いぶつぶつの正体は、カニビルと呼ばれる寄生虫の卵です。
カニビルは産卵時期になると、硬い岩などに卵を産むのといった特徴を持っています。
しかし、カニビルが棲んでいる海底は泥で覆われており、産卵場所がなければカニの甲羅に卵を産み落とします。
そんなカニビルは、名前から察せるとおりヒルの一種であり、卵の中に入っているのはヒルです。
成虫の見た目は細長く、卵から生まれた直後は小さな体をしています。
しかし、カニの甲羅に付着しているのは孵化した卵がほとんどなので、中に成虫が入っていることは少ないでしょう。
カニビルの卵はすべてのカニについているわけではありませんが、見た目がグロテスクなので、敬遠してしまいがちです。
続いては、そんなカニビルの卵を食べても人体に影響はないのかについて見ていきましょう。
カニビルの卵は食べても大丈夫?
カニビルの卵は、いかにも体に悪そうな見た目をしていますが、人に寄生することはないため、間違って食べてしまっても人体への影響はありません。
カニビルは、茹でたり冷凍したりすると死んでしまうので、カニビルの卵が甲羅についたまま鍋に入れて茹でてしまって大丈夫です。
しかし、カニビルの卵に味や風味はなく決して美味しいものではありません。
それに、カニビルの生態は未だ解明されていないため、意図的に食べるのは避けたほうがよいでしょう。
カニビルの卵がついている方が美味しい?
よく美味しいカニの条件にカニビルの卵がたくさんついていることが挙げられますが、実際はどうなのでしょうか。
確かに、カニビルの卵が多くついている方が身が締まっていて美味しいとされていますが、これには諸説あります。
では、なぜカニビルの卵がたくさんついていると美味しいカニの条件になるのでしょうか。
続いての項目で見ていきましょう。
カニビルの卵がついていると美味しいといわれる理由
カニは脱皮を繰り返すことで大きく成長していきます。
しかし、脱皮直後は体に対して身がスカスカで身入りの状態が悪いとされています。
カニビルの卵は脱皮と共になくなってしまうので、カニビルの卵の多さと脱皮の関係は以下の表のようになります。
カニビルの卵が少ない | 脱皮直後 |
---|---|
カニビルの卵が多い | 脱皮から時間が経過している |
カニは脱皮から時間が経過している方が、身が詰まっていて美味です。
そのため、カニビルの卵がたくさんついているカニの方が美味しいといわれるようになったわけですね。
ただし、脱皮直後にまとまって卵をつけられていたり、脱皮から時間が経っても卵を産み付けられていないカニもいます。
そのため、カニビルの卵が多ければ美味しいと一概にいえるものではない点には注意が必要です。
カニビルの成虫の生態は?
カニビルの成虫の体長は約10cmほどで、細長いミミズのような見た目をしています。
カニビルは一般的なヒルと同じように、吸盤のような形をした口で魚に吸着して、体液を吸いながら生活しています。
そんなカニビルは、卵をカニに産みつけるだけでカニに寄生したり、ほかの寄生虫のように体液を吸ったりはしません。
そのため、カニビルの卵がついたカニを食べたり、カニビル自体を食べてしまったりしても害はないとされています。
しかし、カニビルに関しての研究は未だ進んでおらず、詳しい生態についてはあまり解明されていないのが現状です。
カニビルの成虫は食べない方がよい
カニビルの成虫は、カニに付着している可能性が稀にあります。
しかし、カニビルの卵と同じく、カニビルの成虫を人が食べてしまっても影響はありません。
しかし、前述したとおりカニビルは詳しい生態が解明されていないため、意図的に食べるようなことはやめましょう。
カニビルの取り方
カニビルは、人体に害がなく放っておいても問題ないことがわかりました。
しかし、カニビルがついていると見た目は良くなく、できれば取り除きたいと考えるかと思います。
そんなときは、たわしなどでゴシゴシ擦って洗えば取ることができます。
そのため、どうしても気になるという方は調理前に一度綺麗に洗ってみるのがおすすめです。
しかし、綺麗に取るのは大変なので、見た目を気にしない方はそのまま放置して調理してしまいましょう。
美味しいカニの見分け方
カニビルの卵がたくさん付着していると、美味しいカニの目安になるという話がありましたが、ほかにも美味しいカニを見分ける方法はあるのでしょうか。
安いと思って購入してみたら、思ったより中身がスカスカで満足できなかったり、旨味が感じられなかったりした経験がある方もいるでしょう。
続いては、そんな失敗を少しでも無くすために、カニビル以外で美味しいカニを見分ける方法について見ていきます。
カニを購入する際の参考にしてみてください。
美味しい生ガニの見分け方
美味しい生ガニの見分け方は以下のとおりです。
- カニの活発さで見分ける
- 甲羅の硬さで見分ける
- 重さで見分ける
- お腹の色で見分ける
それぞれの見分け方について、詳しく見ていきましょう。
カニの活発さで見分ける
美味しい生ガニの特徴は鮮度の良さです。
その鮮度の良さは、動きの活発さで見分けることができます。
そのため、生簀からカニを選ぶ際は、ほかのカニよりも元気でよく動いているカニを選ぶようにしましょう。
甲羅の硬さで見分ける
脱皮から時間が経っているカニは、身が詰まっていて美味しいといわれています。
そんな脱皮から時間が経ったカニは、堅ガニと呼ばれ、甲羅が硬いのが特徴です。
甲羅が硬いとそれだけ身が詰まっている証拠になるので、一度指で甲羅を触ってみて、ほかのカニよりも甲羅が堅いカニを選ぶのがおすすめです。
また、甲羅が綺麗なカニは脱皮後間もない可能性があります。
そのため、甲羅の綺麗なカニは脱皮直後のカニ、甲羅が汚いカニは堅ガニであると推測することもできるでしょう。
重さで見分ける
見た目よりも重さを感じるカニの方が、身入りが良く美味しい可能性が高いでしょう。
実際に持ち上げてみるのもよいですが、触れない場合は表示されている重量で確認しましょう。
お腹の色で見分ける
お腹の色を確認することでも、脱皮からどれくらいの時間が経過しているかを確認することができます。
基本的に、脱皮から間もないカニはお腹の色が白くなっているのが特徴です。
逆に脱皮から時間が経過しているカニは、お腹が黄色く変色しています。
そのことを踏まえると、綺麗な白いお腹をしているカニよりも黄色みが強いお腹をしているカニの方が美味しいといえるでしょう。
美味しい茹でガニの見分け方
美味しい茹でガニの見分け方は以下のとおりです。
- 甲羅の色で見分ける
- 甲羅の硬さで見分ける
- 匂いで見分ける
それぞれの見分け方について、詳しく見ていきましょう。
甲羅の色で見分ける
茹でガニは、甲羅の色が鮮やかに赤みがかっている方が、鮮度が良く美味しいとされています。
鮮やかな赤色をしているカニは、茹でてからあまり時間が経過していません。
逆に、甲羅が茶色味がかかっているカニは茹でてから時間が経過している証拠です。
そのため、なるべく茹でてから時間が経っていない鮮やかな赤色をしたカニを選ぶようにしましょう。
甲羅の硬さで見分ける
こちらは生ガニと同じですね。
甲羅を触って柔らかさを感じる場合は、脱皮直後の可能性があるので避けた方が無難です。
なるべく甲羅が硬く成長しているカニを選ぶようにしましょう。
匂いで見分ける
匂いが強いカニは美味しいと思われるかもしれませんが、あまりにも匂いが強いカニはあまり新鮮ではありません。
そのため、匂いはほんのりと香る程度のカニの方が新鮮で美味しいとされています。
また、腐ったようなきつい匂いがするようなカニは絶対に避けるようにしましょう。
美味しいカニはカニ通販で購入しよう!
美味しいカニの見分け方を紹介してきましたが、素人ではなかなか判断がしづらいのが正直なところです。
そこで、カニの知識がなくても美味しいカニを手に入れたいのなら、カニ通販を利用するのがおすすめです。
カニ通販なら、プロが厳選した身入りや鮮度の良いカニを堪能できます。
また、産地直送なため余計なコストがかからず、スーパーよりも安価で購入できるといった特徴もあります。
店頭でどのカニを選んだらいいよいのかわからない場合は、ぜひカニ通販での購入を検討してみてくださいね。
カニの甲羅につく黒いぶつぶつについてのまとめ
今回は、カニの甲羅についている黒いぶつぶつの正体について紹介してきました。
カニの甲羅についているのは、ヒルの仲間であるカニビルという寄生虫の卵でした。
カニビルの卵は人体に害はなく、食べてしまっても特に問題はありません。
しかし、未だその生態は解明されていないため、意図的に食べることは控えましょう。
また、カニビルの卵がたくさんついていることは、美味しいカニの特徴にもなるといわれています。
そのため、見た目は気になりますが、品質的には気にしなくてよいでしょう。
そのほかにも、美味しい生ガニと茹でガニの見分け方についても今回の記事で紹介していますので、そちらもぜひ参考にしてみてくださいね。