カニは、日本を代表する高級食材の一つであり、その美味しさや栄養の高さから多くの人々に愛されています。
しかし、カニには「生食用」と「加熱用」の2つの種類があり、それぞれ特徴が異なります。
そこで疑問となるのが、もしも加熱用のカニを生で食べてしまっても大丈夫なの?ということです。
本記事では、両者の違いについて紹介したうえで、加熱用のカニを生で食べても大丈夫なのかについて解説します。
どのようなシーンでどちらのカニを選ぶべきか、参考にしてみてください。
生食用のカニの特徴は?
生食用のカニは、すでに加熱処理がされていることから、改めて加熱しなくてもそのまま食べられます。
とはいっても、本当に加熱しなくても食中毒などの心配はないのかと不安に思われる方もいるかと思います。
生食用のカニは鮮度が良く、雑菌や寄生虫の検査がされているため、加熱しなくても問題ありません。
むしろ、ボイルされた生食用のカニを再加熱してしまうと、旨味が抜けてしまうので、生食用のカニは加熱せずに食べるのが一番美味しいとされています。
加熱用のカニの特徴は?
加熱用のカニは、水揚げされた後に加熱処理が行われていないカニのことを指します。
そのため、食べる際は加熱する必要があり、生で食べることはできません。
カニを生で食べたいときは生食用のカニを、しゃぶしゃぶや焼きガニのように加熱して食べたい場合は加熱用のカニといった具合に、用途に合わせて買い分けるようにしましょう。
加熱用のカニを生で食べてしまっても大丈夫?
加熱用のカニを、間違って生で食べてしまうこともありえるでしょう。
そんなとき、生物は怖いといったイメージから、食中毒の可能性を考えてしまうかもしれません。
しかし、加熱用のカニであっても-30°で冷凍されているため、中の寄生虫は死滅しています。
そのため、解凍直後であれば加熱用のカニを生で食べてしまっても、基本的に問題はないといえるでしょう。
しかし、量が多かったり解凍から時間が経ってカニの鮮度が落ちていたりすると、食中毒の症状が現れる危険性があります。
特に免疫力の低い方は体調に異変を感じやすいので、食後数時間は気をつけて経過を観察するようにしましょう。
カニによって引き起こされる可能性のある食中毒
万が一、鮮度の低いカニを食べて体調を崩ししまったときに考えられる食中毒は、以下の二つです。
- 腸炎ビブリオ食中毒
- ナグビブリオ食中毒
食中毒にかかってしまうと、人の健康に大きな影響を与えてしまいます。
高齢者の方や持病を持っている方は、最悪の場合死に至るケースもあるので、しっかり注意しておくことが大切です。
これらの食中毒にはどのような症状が起きるのか、しっかり確認していきましょう。
腸炎ビブリオ食中毒
腸炎ビブリオ食中毒は、海水の中に生息している腸炎ビブリオ菌に感染した生の魚介類を食べることによって発症する食中毒です。
サルモネラと並んで、発症率の高い食中毒の一つといわれています。
近年、寿司や刺身の普及に伴って世界的に発生が増加しており、発症すると、6~12時間後に腹痛や下痢、血便などの症状が現れます。
治療には菌を便と一緒に体外に出すことが重要ですが、脱水症状にならないように水分補給を忘れないことも大切です。
生魚を食べる文化がないところでも発生するため、適切な食品衛生に留意するようにしましょう。
ナグビブリオ食中毒
ナグビブリオ食中毒の元となるナグビブリオ菌は、下水や河川水が入ってくる沿岸汽水域に生息し、夏場に増殖する特徴をもっています。
生の魚介類を食べることで人に感染し、腹痛、嘔吐、下痢、発熱などの症状を引き起こします。
症状は体内に侵入してから数時間〜72時間で現れ、通常1週間程度で回復しますが、基礎疾患を持つ方や39℃以上の発熱が見られる場合は抗菌薬が必要です。
また、衛生状態の悪い場所で食品を介して感染することもあります。
注意深い衛生管理がナグビブリオ食中毒の予防につながるでしょう。
カニの寄生虫「カニビル」
店舗でカニを見たときに、甲羅の外側に黒いぶつぶつがついているのを見たことはないでしょうか。
そのぶつぶつは、寄生虫の一種であるカニビルの卵です。
その名の由来は、カニに寄生するヒルという意味からつけられました。
しかし、甲羅に付着している黒いぶつぶつはカニビルの卵であって、成体ではありません。
あくまで、カニビルが卵を産卵する場所にカニの甲羅を利用しているだけで、カニビルの生体が寄生しているわけではないので、カニ本体に寄生虫が寄生している心配はありません。
そのため、カニの甲羅にカニビルの卵がびっしりとくっついていたとしても、人体には影響ないので、心配する必要はないでしょう。
カニビルの卵を間違って食べてしまったらどうなる?
カニビルの卵は、見た目が体に悪そうに見えますが、人体に寄生することはないため、間違って食べてしまっても問題ありません。
万が一、カニビルが付いていたとしても、カニビルは茹でたり冷凍したりすることで死滅します。
そのため、カニビルの卵が甲羅についたまま鍋に入れて茹でても影響はないので、健康被害を気にする必要はありません。
ただし、カニビルの卵は味や風味がなく、あまり美味しいものではありません。
また、カニビルの生態は未だ解明されていないため、意図的に食べることは控えるようにしましょう。
蟹味噌は生で食べられる?
獲りたてで新鮮な蟹味噌であれば、生で食べることも可能です。
生の蟹味噌は、蟹味噌本来の味を余すこと味わえるでしょう。
しかし、蟹味噌を生で食べるのは食中毒などのリスクを考えて、基本的には避けた方が無難です。
そのため、市販されているカニの蟹味噌は必ず加熱してから食べるようにしましょう。
【生】美味しいカニの見分け方
生食用のカニで美味しい個体を見分けるポイントは以下のとおりです。
- 活きが良くて鮮度抜群
- 甲羅が硬くてカニビルの卵がたくさんついている
- ずっしりとした重みがある
それぞれの特徴について、詳しくみていきましょう。
活きが良くて鮮度抜群
活気の良さは、そのカニの鮮度の良さにつながります。
そのため、生簀からカニを選ぶ際には、たくさん動き回って元気なカニを選ぶのがおすすめです。
鮮度が良いカニほど味の旨味が際立つため、美味しくいただけるでしょう。
甲羅が硬くてカニビルの卵がたくさんついている
脱皮直後のカニは身入りが良くなく、蟹味噌も少ないため、なるべく脱皮から時間が経過しているカニを選ぶとよいとされています。
そんな、美味しさの判断基準である脱皮からどれだけ時間が経過しているかの判断は、カニの甲羅を見ればある程度推察できます。
甲羅は脱皮から時間が経つとだんだんと硬くなるため、甲羅が硬い個体は、脱皮してから時間が経過している可能性が高いと判断できるでしょう。
また、カニビルの卵も脱皮によって剥がれてしまうため、たくさん卵をつけているカニも脱皮から時間が立っている可能性が高いといえます。
そのため、これらの特徴に当てはまるカニを選ぶと美味しいカニを選べるでしょう。
ずっしりとした重みがある
カニは大きいほど身がたくさん入っているわけではなく、サイズが大きくても身がスカスカの場合も珍しくありません。
そのため、サイズの大きさではなく重さで身がどれだけ入っているのかを判断しましょう。
また、重みがあるということは身だけでなく、蟹味噌もたくさん詰まっている可能性があります。
カニを購入する際は、同じぐらいのサイズ感のカニを実際に持ってみて、より重たい方を選ぶとよいでしょう。
【茹で】美味しいカニの見分け方
続いては、すでに茹でられた茹でカニで美味しい個体を見分けるポイントは以下のとおりです。
- 甲羅が鮮やかな色をしている
- 甲羅が乾燥していない
それぞれの特徴について、詳しくみていきましょう。
甲羅が鮮やかな色をしている
茹でガニを選ぶときは、甲羅の色が鮮やかで、なるべく赤みが強い個体を選ぶようにしましょう。
艶があり、発色がよい個体は、茹でてから経過している時間が短いため、新鮮だといえます。
茹でてから経過している時間が長いと、茶色がかった色に変色してくるので、甲羅の色や艶をしっかり確認するようにしましょう。
甲羅が乾燥していない
カニを茹ですぎると、身がパサパサしたり硬くなったりしてしまいます。
そのため、茹ですぎたカニは選ばないように気をつけたいところです。
茹ですぎているカニは、甲羅の乾燥具合を見れば確認できるでしょう。
カニを触ってみて、少し湿っている程度が適度な茹で具合といえます。
逆に、茹で足りないカニは押すと脚から汁がでてくるといった特徴があります。
茹でガニを選ぶ際は、甲羅の乾燥具合もしっかり確認しておきましょう。
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さらに、自宅で手軽にカニを調理できるレシピや、購入者からの口コミなども掲載されているため、初めて購入する方でも安心して利用できます。
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生食用と加熱用の違いについてのまとめ
今回は、カニの生食用と加熱用の違いについて紹介してきました。
生食用のカニはすでに加熱処理がされていることから、改めて加熱する必要がありません。
それに対して加熱用は、水揚げ後に加熱処理をされていないため、必ず加熱してから食べる必要があります。
加熱用のカニを間違って生で食べてしまっても、少量なら問題はないとされていますが、食中毒を引き起こす可能性があるため、意図的に加熱用のカニを生で食べるのは控えましょう。