福井で越前がにを食らいつくす|名店から人気店まで

福井県といえば、「越前がに」で有名ですよね。この地方は日本で最も古くからカニ漁が行われており、毎年11月6日から翌年の3月20日までズワイガニが水揚げされています。
この間は、本場越前でカニを食べたいと、多くのカニ好きがこぞって福井県に足を運ぶそうですよ。
今回は、福井県で美味しいカニが食べられるお店を、名店から食べ放題が楽しめるお店までどどんと紹介します。ぜひお店選びの参考になさってください。

 

越前がにとは

越前がにとは福井県のブランドガニである雄のズワイガニのことで、福井県の越前漁港、三国港、敦賀港、小浜港などで水揚げされたものを指します。
「松葉ガニ」や「加能ガニ」など、水揚げされる地域によってブランディングされ、名前が異なるズワイガニですが、その中でも越前ガニはトップブランド、最高級品種のズワイガニなんです。
繊細な身は甘く引き締まっており、甲羅には濃厚な旨味をもつカニ味噌がぎっしり詰まっています。

 

越前がに「極」とは

水揚げされた越前がにの中でも、甲羅の幅14.5cm以上、水揚げされた時の重さが1.5kg以上、爪の幅が3cm以上あり、競り人、仲買人などの同意の上で、越前がに「極」に認定されます。
この越前がに「極」は、全体の水揚げ量の約0.05%しか該当するものが無く、1シーズンの内でも500匹に満たないといわれる、貴重なカニです。2022年11月、過去最高の310万円で落札されました。それまでの最高額が80万円ですから、最近の物価高と比べてもすごい値上がりですね。

参考:福井新聞「越前がに「極」に過去最高の310万円…これまでの最高値の4倍近く 最高級ブランド、重さ2.2キロ」

 

通に人気のせいこがに(雌のズワイガニ)

雄のズワイガニは越前がにと呼ばれますが、雌のズワイガニは「せいこがに」と呼ばれ、通の間で人気があります。せいこがには越前がにと比べて小ぶりではありますが、甲羅の中には旨味たっぷりのカニ味噌がぎっしり詰まっているんです。
腹をめくると「赤いダイヤ」とも呼ばれる朱色をした内子(うちこ、卵巣のこと)があり、腹に抱える外子(そとこ、受精卵のこと)は粒々とした食感が好まれています。
値段がリーズナブルで人気がありますが、資源保護の観点から、漁ができるのは11月6日~12月31日までの2ヶ月となっています。

 

せいこがにの美味しい食べ方

せいこがには、雄のズワイガニと比べて小ぶりで身も少ないですが、その分身の味が濃厚だといわれています。ボイルしてそのまま食べるのも美味しいですし、お鍋に入れても美味しいです。
お出汁が良く出るので、締めの雑炊が最高ですよ。地元ではセイコガニを入れたお出汁の「せいこ蟹ラーメン」も人気です。スープを飲み干したくなる美味しさなんでしょうね。
せいこがにはカニ味噌も多いので、内子と混ぜて食べると又格別の美味しさです。

 

越前でこそ食べたい、水がに(ズボガニ)

福井県では、越前がに、セイコガニの他に、ズボガニと呼ばれる水がにも水揚げされます。
このズボガニとは、脱皮して間もない、甲羅が柔らかいズワイガニのことです。
元々かにの身は80%ほどが水分だといわれますが、このズボガニの身はそれ以上に瑞々しいといわれています。脱皮して間もないため、身入りが8割程度でぎっしり詰まっておらず、殻から身がズボッと抜けることから「ズボガニ」といわれているんだそうです。
このズボガニは傷みが早く保存がきかないことから、一般的にはほとんど流通していません。越前でこそ食べられるカニなんです。通常のズワイガニと比べて値段が安いこともうれしいポイントです。

 

水ガニの美味しい食べ方

水ガニは、成熟したズワイガニと比べるとさっぱりした味わいであるため、鍋料理や焼きガニで食べるよりも、茹でガニで楽しむ方が瑞々しさを失わず、美味しく食べられます。
普通のズワイガニと比べて殻がやわらかいため、カニを剥くのが苦手な人や、お子さんでも簡単にパキッと殻を割って食べられます。カニを剥くのは大変なので、これはうれしいですね。
ぎっしり身が入っていないので、「ズボガニ」の名前のとおりズボッと身を抜いて楽しみましょう。

 

福井県で美味しいズワイガニが食べられるお店

福井県で美味しいズワイガニが食べられるお店はたくさんありますが、その中でも選りすぐりのお店を紹介します。食べてみたら期待外れだった、なんて申し訳ないですからね。
ただ、越前がには最高級の品質を誇るだけあって、お値段も最高級。一杯3万円はします。本当に美味しいお店を紹介しますので、「これ位するものなんだな」とご理解くださいませ。
まずは、某口コミグルメサイトでカニ料理部門1位を獲得したお店から紹介します。

 

最高級の越前がにをカニ料理日本一のお店で|滝の川

滝の川は、正規品の越前がにの中でも品質の良い「活けのカニだけ」を扱うお店。香りが甘く、しっとりとしたカニの身は強い甘さの中にしっかりとカニ本来の繊維を感じることができます。
活けのカニだけにカニ味噌も絶品。活けのカニ味噌はバターの様にしっとりとしていて、コクと甘みの塊のような旨味が口いっぱいに広がります。
滝の川で味わえる越前がには、カニ料理日本一のお店にふさわしいプレミアムな味わいです。

メニュー例

滝の川のメニューをいくつか紹介します。

越前がにフルコース(楽)   一人前20,000円(税別)~
(越前がに一杯)
期間限定の特別メニュー。通常の越前がにフルコースに使われるカニよりランクが下がるものの、900g程度の越前がにがおひとり様一杯食べられます。

【内容】
かに刺身、焼きガニ、浜茹で、酢の物、天ぷら、炙りカニ味噌汁、カニ寿司他全10品
これらすべてがカニ尽くしです。
※楽コースは期間限定で、通常は綾部コース(28,000円税別)~となっています。

 

越前がに満足ペアコース    二人前30,000円(税別)~
(越前がに一杯半)
越前がにを二人で一杯半食べられる人気のコース。越前がにフルコースと同じメニューです。
もちろん、こちらは越前がにを二人で一杯半ですから全く同じではありませんが、満足できる内容になっています。

この他にも、越前がに丸茹でセット(30,000円(税別)~)や、越前がにしゃぶしゃぶ(30,000円(税別)~)、その他にも生がに寿司(6,000円(税別))など単品メニューもあります。

 

店舗詳細

滝の川
〒916-0425 福井県丹生郡越前町高佐16‐19‐2
TEL 0778-39-1120
FAX 0778‐39‐1923
営業時間
11:00~21:00

 

昭和のアイドルが人気の丼に|魚屋の喰い処まつ田

JR福井駅から車で45分ほどのところにある魚屋の喰い処まつ田は、鮮度バツグンの海鮮料理のお店です。このお店の看板メニューは、昭和のアイドルを思わせる「まつ田せいこ丼」。
この「まつ田せいこ丼」は、セイコガニの身を贅沢に丸々2杯分使ったどんぶりで、事前予約制にもかかわらず、連日完売しているほどの人気ぶり。せいこがにの漁は年末で終わるため、まつ田せいこ丼も年明け早々に完売終了します。せいこがにを満喫したいなら、魚屋の喰い処まつ田は外せません!

メニュー例

魚屋の喰い処まつ田のメニューをいくつか紹介します。

まつ田せいこ丼    6,000円(税込)(変更の可能性あり)
せいこがに2杯分の身をのせ、ご飯はカニで取った出汁で炊いているため、満足度が違います。カニの風味を香りからも味からも堪能できる一品です。とくにこのまつ田せいこ丼は、リピーターも多く、毎年これを食べに福井に来る、という人がいるほどの人気ですから一度は食べてみたいですね。

ずわいがに御膳    11,000円(時価)(要予約)
【内容】ズワイガニ1杯(約400g)、刺身、ご飯、汁物、小鉢、香物
※550円追加すると、ズワイガニを「甲羅盛り」での提供が可能です。(前日までに要予約)

この他、刺身の盛り合わせ(2,200円税込~)も人気のメニューです。

 

店舗詳細

魚屋の喰い処まつ田
〒910-3553 福井県 福井市蒲生町16-7-1
TEL 0776-89-2740
営業時間  
11:00 ~ 16:00(ラストオーダー15:00)

 

創業80年宮内庁御用達の新鮮魚問屋|やまに水産

東尋坊からほど近い場所に店を構えるやまに水産は、三国港の仲介業者で、福井県の高級旅館や魚屋さんまで幅広くカニを卸しています。その上宮内庁御用達のお店ですから品質もたしか。
店先でウニやあわびを網焼きで販売しており、活気あふれる店内にもカニの良い香りが漂っています。名物の「カニみそたまご」は、カニ味噌に卵を入れて焼いた人気メニューもぜひ食べてみて。
やまに水産は、軽食から越前がにを使った高級御膳まで、予算に合わせて楽しめるお店です。

メニュー例

活越前かに料理(水槽からカニを選び、茹で、焼き、刺身のうち2種類の調理法を選びます)

シングルタグ中小
大サイズ   一杯28,000円
中サイズ   一杯25,000円
小サイズ   一杯22,000円
※別途調理代金が2,000円がかかります。

シングルタグ中
大サイズ   一杯44,000円
大中サイズ  一杯37,000円
中サイズ   一杯33,000円
小サイズ   一杯30,000円
※別途調理代金2,000円がかかります。

ダブルタグ大 皇室献上級
大サイズ   一杯65,000円
小サイズ   一杯55,000円
※別途調理代金2,000円がかかります。

越前かにラーメン 1,250円
越前かにうどん  1,250円
越前かにそば   1,250円

 

店舗詳細

やまに水産
〒913-0063 福井県坂井市三国町安島64-1
TEL 0776-81-3420
FAX 0776-82-6207
営業時間
8:30~16:30(L.O 16:00)

お正月を海鮮おせちで迎えたい方は、「2023年はカニおせちで迎えよう。おすすめのカニおせち(海鮮おせち)」も併せてお読みください。

まとめ

越前がには福井県が誇る最高品質のかに。お取り寄せして自宅でゆっくり楽しむのも良いですが、本場で楽しむ越前がにはまた別格の美味しさです。
2019年以降は、コロナ禍でなかなか旅行に行くムードではありませんでしたが、ぜひ福井県に足を運んで、越前がにを堪能してみてはいかがでしょうか。きっと「思い切って来て良かった」と思って頂けると思います。ぜひこの記事を参考になさって越前がにを食らいつくしてくださいね。