海を泳いで渡ることからその名がつけられたワタリガニですが、食用としての人気も高く一年を通して食べられています。
しかし、そんなワタリガニを食べたことない方も少なくないでしょう。
ワタリガニはオスとメスで旬の時期を変え、それぞれに違った良さがあります。
そこで今回は、ワタリガニが一番美味しく食べられる旬の時期や気になる味について紹介していきます。
また、美味しいワタリガニを目利きする方法についても紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
ワタリガニの特徴について
ワタリガニは、ワタリガニ科に属する種類の名称です。
別名はガザミと呼びますが、強靭なはさみを持っており挟まれると痛いことから呼ばれたカニハサミが短縮された呼び方とされます。
また、甲羅の形が菱形のためヒシガニとも呼ばれるなど呼び名はさまざまです。
最も水揚げされているのは愛知県で、全体の2割を占めていますが、東北、関東、九州と全国各地で水揚げされています。
水深30メートルほどの砂泥底に生息しており、夜に餌を求めて動き出す夜行性です。
見た目は甲幅が15センチメートルを超える大型のカニで、甲羅は黄褐色だが甲羅の後半部分など青みがかっている部分もあります。
第5脚が平くオールのように変形していることから、海中を泳げるのもワタリガニの特徴です。
ワタリガニのオスとメスの見分け方
ワタリガニはオスとメスで身体的な特徴はもちろん、味にも違いがあります。
そんなワタリガニの見分け方ですが、オスは全体的にメスよりも体が大きいのはもちろん、爪の大きさもメスより発達しています。
また、メスの方が爪やふんどしが丸みを帯びていて、オスの方はふんどしが三角形をしているのが特徴です。
甲羅側では大きな違いは分かりづらいですが、お腹を向けてふんどしを見ればその違いは見分けやすいでしょう。
ワタリガニの旬はいつ?
ワタリガニはオスとメスによって、旬の時期が異なります。
このようにオスのワタリガニは夏から冬にかけて、メスは冬から夏前までと一年を通して旬を迎えていることがわかります。
夏にオスが旬を迎えるのは、海水温度が高くなりワタリガニが活発になることによって、餌をたくさん捕食できるからです。
餌をたくさん取り込むことで、旨味や甘味が強いと美味しいカニになるので、オスは夏場が美味しいとされています。
逆にメスは夏に産卵するため、冬場は夏に向けて内子をたくさん溜め込みます。
そのため、内子をたくさん身につけた冬場に旬を迎えるわけです。
このように、ワタリガニはオスとメスの旬が違うため、一年間美味しく食べられるのは消費者にとって嬉しいですね。
ワタリガニはどんな味?
ワタリガニは身の詰まりが良く、甘味があって絶品です。
メスに関しては、濃厚でまったりとした味わいの内子がたっぷり入っており、塩焼きや酒蒸しにすることで内子本来の味が楽しめます。
身に関してはオスの方が人気が高いですが、内子目当てでメスのワタリガニを購入する人も少なくありません。
ワタリガニが美味しい理由
ワタリガニが美味しい理由は、英名でスイミングクラブと呼ばれるほど海の中を泳ぎ回る活発性にあります。
ワタリガニという名前も海を泳ぎ渡ることから付けられており、海を渡るために脚の筋肉が発達しているのが特徴です。
このように、ワタリガニは活発に海の中を活動するため、身が引き締まって美味しく成長するというわけですね。
ワタリガニの蟹味噌は食べられる?
カニの中には蟹味噌が入っていなくて食べられないカニも存在します。
ヤドカリの仲間であるタラバガニや花咲ガニが、その特徴に当てはまります。
これらのカニは加熱すると蟹味噌が溶けて形が残らないため、販売前に取り除かれているのが原因です。
対してワタリガニは、ヤドカリの仲間ではなくワタリガニ科のカニなので、蟹味噌を食べることができます。
ワタリガニの蟹味噌は、旨味が凝縮されており濃厚です。
そのため、ワタリガニを食べる際は一緒に蟹味噌もいただくようにしましょう。
ワタリガニの価格相場は?
ワタリガニの価格相場は、1kg約1,000円〜2,000円となっています。
しかし、その年の水揚げ量などで価格は変動するのであくまで目安と考えておきましょう。
ほかの有名なカニであるタラバガニやズワイガニなどと比べても、比較的安価で取引されていることがわかります。
ワタリガニの特徴としては、オスよりもメスの方が高値をつけられやすい傾向にあります。
これは、メスのワタリガニだけが持つ内子に価値があるからです。
ほかのカニはオスの方が身入りが良く、値段が高いのが一般的ですが、ワタリガニは数少ない例外というわけですね。
このように、ワタリガニは比較的安く購入できるので、店頭で見かけたらぜひ一度購入してみてはいかがでしょうか。
さまざまなカニとの価格相場を比較
ワタリガニは比較的安い価格で入手できますが、ほかのカニと比べてどれぐらいの違いがあるのでしょうか。
以下の表はさまざまなカニとの価格相場の比較です。
種類 | 1kgあたりの価格相場 |
---|---|
花咲ガニ | 約6,000円〜8,000円 |
ズワイガニ | 約2,500円〜4,000円 |
毛ガニ | 約1万円 |
タラバガニ | 約5,000円〜8,000円 |
ワタリガニ | 約1,000円〜2,000円 |
これらほかのカニと比べるとワタリガニはかなり安価なのがわかります。
しかし、安いからといって味が悪いわけではないので、お得にカニを味わいたい方にはおすすめといえるでしょう。
ワタリガニの保存方法は?
生のワタリガニは、鮮度の劣化を防ぐため茹でてから保存するようにしましょう。
茹でたワタリガニは、水分が抜けてしまわないやうにラップで2〜3重で包み冷蔵庫が冷凍庫で保存します。
保存期間の目安は冷蔵庫が約2日間、冷凍庫が約3日間と日持ちはあまりしません。
そのため、長い時間置いておくのではなく、なるべく早く食べてしまうようにしましょう。
ワタリガニが腐るとどうなる?
カニは腐ると以下のような特徴が現れます。
- 不快な臭いがする
- 殻がヌメヌメする
- 身が溶ける
これらの特徴が見られるカニを食べてしまうと、食中毒の原因となります。
以下の見出しで詳しくみていくので、少しでも異変を感じたら食べる前に必ず確認するようにしましょう。
不快な臭いがする
カニから不快な臭いがする場合は、腐敗が始まっている証拠です。
しかし、カニは少なからず臭いがする生き物でもあるので、多少の臭いは問題ありません。
お腹の部分を嗅いでみて、鼻をつんざくような異臭がする場合は食べるのを控えるようにしましょう。
殻がヌメヌメする
殻にヌメリ気がある場合は、注意が必要です。
カニは時間の経過とともにヌメリ気が増していきます。
臭いも同時に発生するので、臭いがあるかも併せて判断するようにしましょう。
身が溶ける
身が溶けてしまっているカニは腐敗が進んでいる証拠です。
味も変わり食中毒の原因にもなるので、食べるのはやめましょう。
美味しいワタリガニを目利きする方法
スーパーなどの販売店で実際にワタリガニを購入する際、少しでも美味しいワタリガニを選びたいものです。
そこで、美味しいワタリガニを目利きする際のポイントを紹介します。
- 甲羅の硬さ
- 全体的な重さ
- 鮮度
- 旬の時期
それぞれのポイントについて詳しくみていきましょう。
甲羅の硬さ
一般的にカニは甲羅が硬い方が、脱皮から月日が経っており身が詰まっているとされています。
逆に甲羅の柔らかいカニは、脱皮直後の若ガニの可能性があり身入りが良くないかもしれません。
そのため、甲羅の柔らかいワタリガニはなるべく避ける方がよいでしょう。
店頭で実際に触れるのなら、一度甲羅を押してみて確認してるのがおすすめです。
全体的な重さ
同じ大きさでも、重みがあるワタリガニの方が身が詰まっている可能性があります。
そのため、大きいカニを買ったのに中身がスカスカだったということのないように、実際に一度手にして重さを確認してみるのがおすすめです。
鮮度
ワタリガニは死ぬとタンパク質の分解が始まり、鮮度が徐々に落ちていきます。
そのため、ワタリガニは活きガニが一番鮮度が良く美味しいとされています。
また、口の周りが黒ずんでいるワタリガニは古くなって鮮度が落ちている可能性があるため、口周りにも注目してみましょう。
旬の時期
前述したとおり、ワタリガニはオスとメスによって旬の時期が異なります。
オスは夏、メスは冬が美味しいとされるので、その時期に合わせて美味しいワタリガニを選ぶようにしましょう。
美味しいワタリガニをお家で食べるならカニ通販!
ワタリガニを自宅で食べるのにおすすめなのがカニ通販です。
店頭に並ぶワタリガニは、水揚げされてから時間が経過しており鮮度が落ちてしまっている場合があります。
しかしカニ通販なら、産地直送で新鮮なワタリガニをすぐに食べられます。
通販サイトによっては、送料が全国どこにいても無料になるケースもあるので、安く購入もできるでしょう。
また、自分の目で見るよりもプロが選んだカニを食べられるのも失敗するリスクが少なくて安心です。
ワタリガニが気になる方は、ぜひ一度カニ通販サイトをチェックしてみてください。
ワタリガニの旬の時期や味についてのまとめ
今回は、ワタリガニが美味しく食べられる旬の時期や味について紹介してきました。
ワタリガニは、オスとメスで旬が異なりオスは夏、メスは冬に旬を迎えます。
そのため、1年を通して美味しいワタリガニを食べることができるでしょう。
また、ワタリガニは身詰まりが良く甘味があって絶品です。
メスに関しては、濃厚な内子が人気で塩焼きや酒蒸しにすると美味しくいただけるでしょう。
値段も高くなく手が出しやすいので、カニが食べたくなったら気軽に食べられるのも嬉しいポイントです。
まだ食べたことがない方は、ぜひワタリガニの甘い身と濃厚な内子を味わってみてくださいね。
オス:6月〜11月
メス:12月〜5月