カニを美味しく調理するにあたって、神経締めはとても大切な要素です。
しかし、神経締めの必要性について詳しく知らない方も多いでしょう。
本記事では、カニを神経締めする理由や、やり方について紹介していきます。
ほかにも神経締めをする際の注意点も紹介するので、カニを調理する方はぜひチェックしてみてください。
神経締めとは
神経締めとは、漁獲した魚介類の鮮度を保つために神経を破壊する締め方です。
普通の締め方よりも、臭いの発生を抑えられたり、腐敗を遅めたりできます。
そのため、魚などの魚介類をより美味しく食べるために神経締めが行われます。
カニに神経締めが必要な理由
カニに神経締めが必要な理由は、自切りを防ぐためです。
カニはショックを受けたり驚いたりしたら、自ら脚を切り離す行動を取ることがあります。
この行為を自切りといい、自切りが起こるとカニの手脚がバラバラに外れてしまいます。
美味しく調理するためには、この自切りを防ぐことが大切です。
そのため、あらかじめ神経締めをしておいて、調理中に自切りができないようにしておく必要があります。
自切りが起こるとカニの旨味が抜けてしまう
自切りが起こると、身に入る火の具合が変わってしまうため、しっかり火が通らないケースがあります。
それだけでなく、自切りした部分からカニの旨味が抜けてしまうため、出来上がりのクオリティが下がってしまいます。
そうならないためにも、神経締めはしっかり行うようにしましょう。
カニを神経締めするやり方
カニを神経締めする際は、主に2種類のやり方があります。
それぞれの方法を紹介するので、やりやすい方で試してみましょう。
神経締めのやり方1.みぞおちで締める
一つ目のやり方は、みぞおちで締めるやり方です。
カニのみぞおちには神経が詰まっているため、その部分を千枚通しで刺して締めます。
みぞおちは、腹部にあるふんどしの付近です。
みぞおちを刺したら、カニがビクビクと動き出すので、千枚通しを上下に動かして確実に締めましょう。
神経締めのやり方2.口で締める
二つ目のやり方は、カニの口で締めるやり方です。
カニの口に千枚通しを刺して締めます。
千枚通しが刺さったら、千枚通しを上下に動かしたりカニを回転させたりして、確実に締めましょう。
神経締めする際の注意点
神経締めする際は、以下の2点に注意が必要です。
- 確実に締めておかないと自切りが起こる
- ハサミに注意する
それぞれの注意点について確認していきましょう。
神経締めの注意点1.確実に締めておかないと自切りが起こる
口やみぞおちに千枚通しを刺して神経締めをしたとしても、なかなか締まってくれない場合があります。
確実に締まっていない状態のカニを茹でたり蒸したりしてしまうと、締めてないときと同様に自切りが起こります。
そのため、調理する際は、確実に締まって動かなくなっているのを確認してから行いましょう。
神経締めの注意点2.ハサミに注意する
神経締めをすると、カニは苦しさから暴れ出します。
その際に、ハサミに手を挟まれないように注意しなければいけません。
事前に、ハサミをゴムで縛っておくなどの対策を取っておくことが大切です。
また、カニが暴れて脱走しないように、神経締めをする際はシンクなど、カニが逃げられない場所で行いましょう。
カニの茹で方
カニを締められたら、茹でたり蒸したりして調理することでしょう。
正しい茹で方を守れば、カニの風味や旨みを最大限に引き出せます。
続いては、カニを美味しく茹でる方法について確認していきます。
1.カニを綺麗に洗う
蟹を茹でる前には水洗いが必要です。
カニのような海産物には、腸炎ビブリオ菌が付着している可能性があり、食中毒の原因になり得るためです。
食中毒になると、激しい腹痛や嘔吐を引き起こす可能性があります。
腸炎ビブリオ菌は塩分のある環境で増殖しやすく、特に5月から9月にかけて増加します。
そのため、洗う際は真水を使用しましょう。
たわしを使ってゴシゴシと洗いますが、この際に甲羅で怪我をしないように注意する必要があります。
2.カニを茹でる
大きめの鍋を用意し、カニが浸かるくらいの水を入れます。
水の中に海水濃度よりも少し高くなるぐらいの塩を入れて、沸騰させます。
塩の目安は1リットルあたり30〜40gです。
沸騰したらカニを投入しますが、このとき甲羅を下にして入れるようにしましょう。
カニを投入して再び沸騰したら、落とし蓋をして中火で約15分間茹でます。
3.氷水で締める
茹で上がったカニを約5分間氷水で締めることによって、身が引き締まって美味しく仕上がります。
身が締まると身離れがしやすくなるため、食べやすさも増すでしょう。
4.水洗いする
氷水で締めた後は、水道水で水洗いしてアクを取り除きます。
ここまで終われば、茹でカニの完成です。
カニの蒸し方
続いては、カニの蒸し方について確認していきましょう。
正しい蒸し方ができると、カニの旨みをより引き出せます。
1.カニを洗う
茹でるときと同様に、カニを蒸す前にはしっかり水洗いをして、菌や汚れを落とします。
ふんどしの部分も汚れが溜まっているので、開いて洗うようにしましょう。
2.塩をふる
カニを蒸す前に、塩をふって味付けを行いましょう。
ふんどしの中に塩を入れることで、カニ全体に味をつけられます。
蒸すと塩気が薄くなりやすいので、思い切って多めに入れても問題ありません。
3.蒸す
塩で下ごしらえができたら、蒸していきましょう。
まず、蒸し器に水を入れて強火で沸騰させます。
沸騰したら中火にし、腹部を上にしてカニを投入します。
腹部が下になっていると、中の蟹味噌が流れ出てしまうためです。
酒をふって蓋をし、10分ほど蒸せば完成です。
美味しいカニを選ぶコツ
カニは見た目や重さを比較することで、美味しい個体を見分けられます。
続いては、美味しいカニを選ぶコツについて確認していきましょう。
美味しいカニの特徴1.重い
身がたくさん詰まっているカニは、ずっしりとした重みがあります。
実際に持ってみれば、同じサイズのカニでも個体によって重みが違うのが感じられます。
重さがある個体は、身だけでなく蟹味噌も多く詰まっている可能性が高いため、なるべく重みのある個体を選ぶようにしましょう。
美味しいカニの特徴2.甲羅が硬い
甲羅が柔らかいカニは脱皮して間もないため、身詰まりがよくありません。
対して、脱皮から時間が経過しているカニは、甲羅が硬くなり身詰まりがよくなります。
そのため、甲羅を触って硬さを感じられる個体の方が、身がたくさん詰まっていて美味しいといえるでしょう。
美味しいカニの特徴3.カニビルの卵がついている
カニビルとは、魚に付着するヒルの一種です。
カニの甲羅に卵を産みつけることがあり、その数が多いと美味しい個体であるといわれています。
というのも、カニは脱皮するとカニビルの卵ごとなくなってしまうので、脱皮から時間の経っているカニは卵をたくさんつけている傾向にあるためです。
しかし、卵の多さは生息する場所によっても異なるため、参考程度に留めておくのがよいでしょう。
美味しいカニのアレンジ料理
カニは、焼いたり蒸したりして楽しまれるのが一般的です。
しかし、工夫次第ではさまざまな料理に活かせる万能な食材でもあります。
続いては、カニを使ったアレンジ料理について見ていきましょう。
カニ飯
カニの風味と旨みがご飯に染み込んだカニ飯は、一口食べるだけで贅沢な味わいを感じられます。
また、高級食材であるカニで彩られたカニ飯は、食卓を豪華にしてくれるでしょう。
手軽に調理できるため、カニを入手したらぜひ試してみてください。
カニ汁
カニから取れる出汁で楽しむカニ汁も絶品です。
カニの身から出る旨味がスープに溶け込み、豊かな味わいを生み出します。
また、味噌を加えることで味噌汁として楽しめます。
味噌汁なら、カニの風味と味噌のコクが相まって、深い味わいを堪能できるでしょう。
ぜひ、カニの旨味を堪能しながら、温かいカニ汁を味わってみてはいかがでしょうか。
カニクリームコロッケ
クリームコロッケとカニ身の組み合わせは抜群です。
サクサクとした衣の中に、濃厚なクリームと肉厚なカニ身が絶妙な相性を生み出します。
カニの豊かな旨味が、クリームコロッケに高級感を与えてくれるでしょう。
カニの風味と食感を味わいたい方は、ぜひ試してみてください。
カニ鍋
寒い季節にはカニ鍋がぴったりです。
鍋全体に広がったカニの風味を余すことなく堪能できます。
また、蟹味噌を加えるとコクが増して、さらに美味しく仕上がります。
ぜひ、友達や家族とカニ鍋を突きながら交流を楽しんでみてはいかがでしょうか。
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カニの神経締めについてのまとめ
今回は、カニの神経締めはなぜ必要なのかについて紹介しました。
活きたカニを茹でたり蒸したりする際に、神経締めをしておかなければ自切りが発生します。
自切りが起こると、せっかくの旨みが抜けてしまうため、調理前には神経締めを忘れないようにしましょう。
正しい神経締めを行って、カニをより美味しく調理してみてください。