カニとヤドカリと聞いて、大きさなどから両者の違いはすぐにイメージできるかと思います。
しかし、ヤドカリによってはカニとの見分けがつかない種類も存在しています。
その代表格がカニの王様と呼ばれるタラバガニです。
タラバガニは、冬の味覚として人気の高いカニという認識ですが、実はヤドカリの仲間であることを知っていますか?
本記事では、カニとよく似たヤドカリの違いや見分ける方法について紹介していきます。
カニとヤドカリの違い
カニとヤドカリは生物分類学上、カニは短尾類(短尾下目)、ヤドカリは異尾類(異尾下目)に分類されます。
一般的にイメージされるカニとヤドカリでは、見た目の違いが明白です。
しかし、カニに似たヤドカリとなると見た目はほとんど変わりません。
そこで、カニとカニとよく似たヤドカリの違いを、外見や味の観点から確認していきましょう。
カニとヤドカリの特徴の違い
カニは、カニ歩きという言葉があるとおり、横向きにしか移動ができません。
対して、ヤドカリは縦方向にも移動が可能です。
実際、ヤドカリの仲間であるタラバガニは、海の中を前にも後ろにも自在に歩き回れます。
また、カニもヤドカリも脱皮をして体を大きくしています。
そのため、脱皮直後は身がスカスカで品質が悪いので、脱皮から時間の経過している個体を選ぶと、美味しいカニを購入できるでしょう。
カニとヤドカリの外見の違い
毛ガニやズワイガニのようなカニは、脚が10本あるのが特徴です。
対して、タラバガニのようなヤドカリだと、見える脚は8本しかないため、脚の本数に違いが現れます。
ほかにも、ヤドカリはお腹が左右非対称であったり、触覚の形が違ったりとカニとの身体的な違いはありますが、一番わかりやすいのが脚の本数の違いです。
そのため、カニを購入する際は、脚が何本生えているかを観察してみると、カニとヤドカリを見分けられて面白いのではないでしょうか。
カニとヤドカリの味の違い
カニとヤドカリの仲間であるカニは、両者ともに甲殻類ですが、その味わいにも違いがあります。
カニは、繊細で甘みが強い身が特徴的で、蟹味噌も美味しく味わえます。
蟹味噌には独特の風味があり、カニ本来の味を楽しめるでしょう。
一方、ヤドカリは、肉厚で豪快な身が特徴的です。
身にはぷりぷりとした食感があり、味わいも濃厚です。
しかし、蟹味噌には油っぽさや臭みがあったりするなど、美味しさの面ではカニに劣ります。
そのため、蟹味噌やカニ本来の味を楽しみたい場合はカニを、身の食感や豪快な味わいを楽しみたい場合はヤドカリ類のカニを購入するのがおすすめです。
ヤドカリ類のカニには蟹味噌がない?
ヤドカリ類のカニであるタラバガニやアブラガニは、甲羅に蟹味噌が入っていないケースがあります。
これは、蟹味噌がそもそも入っていないのではなく、販売前に取り除かれているケースが多いからです。
ヤドカリ類のカニは、純粋なカニと比べて蟹味噌の味は劣ります。
それだけでなく、加熱すると蟹味噌が溶けて甲羅から流れ出てしまう特徴があります。
そのため、溶けた蟹味噌が身について味を落としてしまったり、見た目を損なってしまったりしないために、事前に取り除かれるケースがほとんどです。
しかし、花咲ガニのようにヤドカリ類のカニでも蟹味噌が美味しい種類もあります。
それでも、一般的には純粋なカニの方が蟹味噌の評価は高いので、蟹味噌が目当ての場合は、ズワイガニや毛ガニなどの純粋なカニを選ぶようにしましょう。
カニとヤドカリの見分け方
カニとヤドカリを見分ける一番簡単な方法は、脚の本数を確認することです。
前述したとおり、カニは10本の脚を持ち、ヤドカリは8本の脚を持っています。
実際、ヤドカリの仲間である、タラバガニや花咲ガニの見えている脚は8本なのに対して、毛ガニやズワイガニは脚が10本生えています。
そのため、脚の本数を数えることでカニとヤドカリを見分けられるでしょう。
カニ類のカニ
カニ類のカニはさまざまな種類がありますが、代表的なものは以下のとおりです。
- 毛ガニ
- ズワイガニ
- 紅ズワイガニ
- ワタリガニ
- モクズガニ
- タカアシガニ
- 上海ガニ
これらのカニは、甘い身と濃厚な蟹味噌をつけることが特徴です。
しかし、それぞれの種類によって味わいが異なるため、いろいろな種類のカニを味わってみるとよいでしょう。
ヤドカリ類のカニ
ヤドカリの仲間であるカニはさまざまな種類がありますが、代表的なものは以下のとおりです。
- タラバガニ
- 花咲ガニ
- アブラガニ
- イバラガニ
- イバラガニモドキ
こう見ると、意外にもヤドカリの仲間であるカニが多く存在しているのがわかります。
また、これらのヤドカリの仲間であるカニたちは、太い脚から取れる豪快な身と、たんぱくな味が特徴です。
しかし、タラバガニ以外は流通が少ないため、日本で食べられる機会はあまりありません。
それでも、味はどれも絶品なので、贅沢にカニ身を味わいたい方は、これらの種類を食べてみるとよいでしょう。
カニ類のカニを美味しく食べる方法
カニ類のカニの身は、とても繊細で甘みが強いのが特徴です。
そのため、カニ本来の味を味わえる以下の料理がおすすめです。
- しゃぶしゃぶ
- カニ鍋
- 刺身
- 甲羅焼き
それぞれの特徴について見ていきましょう。
しゃぶしゃぶ
カニのしゃぶしゃぶは、カニ本来の味わいを存分に楽しめる点が魅力です。
しゃぶしゃぶにすることで、カニのうま味が出るだけでなく、身のプリプリ感もより引き立ちます。
ポン酢やゴマだれなど、好みによって味を調整できるので、自由な食べ方ができるでしょう。
カニ鍋
カニ鍋は、冬の寒い季節にぴったりの温かい鍋料理です。
ぷりぷりで食べ応えのある身はもちろん、カニの旨味が溶け出しているスープも美味しくいただけます。
また、カニの身には筋肉の合成に大切なたんぱく質が豊富に含まれているので、栄養面でも非常に優れているといえるでしょう。
刺身
カニの刺身は、生で食べることによって贅沢感を感じられる料理の一つです。
鮮度の高いカニを刺身で食べることで、中の繊維までも口の中で味わえます。
花が咲いたような綺麗な身の見た目も豪華で、食卓に高級感をプラスしてくれるでしょう。
甲羅焼き
カニが持つ磯の香りや旨みが凝縮された蟹味噌を使用した甲羅焼きは、独特な風味とクセになる味わいでご飯のお供や酒の肴としても人気の逸品です。
また、蟹味噌には栄養が豊富に含まれており、健康面にも嬉しい食材です。
手軽に調理できることや、インパクトのある見た目など、甲羅焼きはたくさんの魅力が詰まった料理といえるでしょう。
ヤドカリ類のカニを美味しく食べる方法
ヤドカリ類のカニは、とても肉厚でジューシーな身が特徴です。
そのため、食感や豪快さを味わえる以下のような調理法でいただくのがおすすめです。
- 焼きガニ
- 蒸しガニ
- 茹でガニ
それぞれの特徴について確認していきましょう。
焼きガニ
焼きガニは、ほろほろとした身を豪快に味わえる鉄板の調理方法です。
食感だけでなく、焼いた際に出る香ばしい香りも楽しめます。
また、バター焼きにすることで風味がプラスされ、より一層美味しくいただけるでしょう。
さらに、カボスやレモンなどを添えることで、さっぱりとした味わいも楽しめます。
ぜひ、自分好みの調理法で焼きガニを存分に味わってみてください。
蒸しガニ
フライパンや蒸し器を使って蒸しガニにすると、旨味が凝縮された濃厚な味を味わえます。
茹でガニとの違いは、カニの旨味成分が溶け出てしまわないため、カニの香りをより感じられる点にあります。
しかし、蒸す時間が長くなると身がパサパサになってしまう危険性がある点に注意しましょう。
茹でガニ
茹でガニの魅力は、カニの味を存分に感じられる美味しさにあります。
茹でることで、カニの身全体に塩味が回り、下味がつくため、蟹味噌や身の味わいが一層引き立ちます。
また、茹でガニは身がふっくらとしていて、食感が良く、濃厚な旨味を楽しめるでしょう。
さらに、茹でガニは手軽で調理が簡単なため、家庭での料理として人気です。
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ザリガニはカニの仲間?
ヤドカリとはまた異なりますが、カニと似た生物にザリガニが存在します。
和名にもカニと入っていることから、カニと誤解してしまいがちですが、ザリガニはエビの仲間です。
しかし、ザリガニのハサミはカニと特徴が似ているため、エビとカニの中間的な存在といえるでしょう。
カニとヤドカリの違いについてのまとめ
今回は、カニとヤドカリの違いや見分け方について紹介してきました。
普段カニと思って食べているタラバガニのように、カニとよく似た外見を持つヤドカリも多く存在します。
そんな、純粋なカニとヤドカリの仲間であるカニの違いは、脚の本数を確認すれば見分けられます。
カニは、見えている脚が10本あるのに対して、ヤドカリは8本しかありません。
また、味に関しても、カニの方が繊細な口当たりで甘みが強いという特徴もあります。
そのため、それぞれの特徴を考慮しながら、食べたい料理に合わせてどの種類を選ぶかを考えるとよいでしょう。