クセになる珍味として愛される蟹味噌は、中腸腺や肝膵臓と呼ばれるカニの内蔵を指し、濃厚な味わいと芳醇な香りが特徴です。
そんな、蟹味噌はご飯やお酒のお供に最適で、さまざまな料理のアクセントとしても利用されます。
しかし、蟹味噌は傷みやすく、鮮度の落ちた状態で食べると食中毒になる危険性もあるため、保存する際には注意が必要です。
正しい保存方法を知っていれば、美味しさを長期間保ち、食中毒などのリスクも回避できます。
そこで、今回は蟹味噌の正しい保存方法について、詳しくご紹介していきます。
間違った保存方法で、蟹味噌の旨味を損なわないようにしっかり確認しましょう。
蟹味噌って何?どんな味?
カニの内臓である蟹味噌は、一部のカニを除いて大半のカニから取ることができます。
その味わいは上品かつ濃厚で、芳醇な香りが食欲をそそります。
食感はウニに例えられことが多いでしょう。
しかし、独特な苦味もあるため、人によって好き嫌いの分かれる珍味としても有名です。
しかし、質の良いカニから取れる蟹味噌は甘味が強いため、苦味が苦手な方や子どもでも食べやすいかもしれません。
そのまま食べるだけでなく、鍋や味噌汁に入れたり、甲羅焼きにしていただいたりと、さまざま料理に活用されています。
一度食べたらクセになる蟹味噌は、冬に旬を迎えるカニを食べる際に欠かせない食材の一つといえるでしょう。
タラバガニには蟹味噌がない?
蟹味噌は一部のカニにはないと紹介しましたが、その代表格がタラバガニです。
タラバガニは、カニの見た目をしていますが、分類ではヤドカリの仲間であるため、ほかのカニ科の毛ガニやズワイガニと比べて蟹味噌の質も異なります。
しかし、正確には蟹味噌がないわけではなく、販売される前に蟹味噌が取り除かれているといった方が正しいでしょう。
タラバガニの蟹味噌は、加熱すると固体をキープできないため、流れ出た蟹味噌によって身の色が変色したり味の品質を下げたりします。
これらの理由からタラバガニには、蟹味噌が入っていないことが多いため、蟹味噌を食べたい方はタラバガニ以外のカニを選ぶようにしましょう。
蟹味噌はどうやって保存する?
蟹味噌はカニの身よりも傷みやすいため、長期保存には適していません。
そのため、適切な方法で保存する必要があります。
蟹味噌を保存する場合は、まずカニから蟹味噌を取り出し、密閉できる別の容器に移してから冷蔵庫で保存します。
これは、市販されている缶詰の蟹味噌でも同じです。
一度でも開封したら、密閉できる別の容器に移して保存してください。
空気に触れたまま保存すると、酸化が進み、蟹味噌が傷みやすくなります。
蟹味噌は冷凍保存してもいい?
蟹味噌をカニと一緒に冷凍保存しても、蟹味噌はすぐに痛んでしまいます。
そのため、保存時はカニと別で保存するようにしましょう。
前提として、蟹味噌は保存に向いていないため、なるべく早めに食べてしまう必要があります。
また、劣化が早くなるため、蟹味噌を常温で保存しないようにしましょう。
カニはどうやって保存したら長持ちする?
カニは美味しい食材の一つですが、蟹味噌と同様、鮮度が落ちると味や風味が劣化してしまいます。
カニを長持ちさせるためには、正しい方法での保存が重要です。
また、生きたカニや加熱したカニなど、種類によっても保存方法や保存期間は異なります。
続いて、カニはどのように保存したら長持ちするのかみていきましょう。
生カニの保存方法
生のカニをそのまま保存すると、酸化によってすぐに身が黒く変色してしまいます。
多少の黒変であれば、味や風味に影響はありませんが、見た目が損なわれてしまうため、なるべく避けたいところです。
黒変させないためには、生の状態ではなく、一度茹でた状態で保存しなければいけません。
加熱によって酵素の活性化を抑えられるため、ボイルすると黒変が起こる可能性を抑えられます。
ただし、必ず黒変しないわけではないため、注意が必要です。
保存期間については、冷蔵庫での保存は2〜3日程度、冷凍庫での保存は1ヶ月程度が推奨されています。
ただし、生のカニを安全に食べるためには、なるべく早く食べてしまうことが大切です。
長時間冷蔵庫で放置しないように注意しましょう。
ボイルガニの保存方法
ボイルガニは、ラップを2〜3重に巻き、密封した状態で冷蔵庫か冷凍庫で保存しましょう。
この際、水分が抜け出ないように密封することが大切です。
なお、ボイルガニはすでに茹でられているため、ボイルし直す必要はありません。
再度ボイルしてしまうと、旨味成分が失われてしまい、身が固くなってパサパサしてしまうため、注意が必要です。
また、保存期間は冷蔵庫で2日、冷凍庫で3日程度と短いため、長期間の保存には向いていないでしょう。
冷凍カニの保存方法
冷凍カニは、食べる分だけ解凍して、残りはラップで包んでから冷凍庫で保管しましょう。
冷凍庫での保存期間は2〜3週間程度とされています。
冷凍されているカニは、冷蔵庫での保存には適さないため、必ず冷凍庫で保管するようにしましょう。
また、解凍する際は、流水や氷水を使って短時間で解凍する方法がおすすめです。
ただし、水が直接カニに触れると旨味成分が抜けてしまうため、ビニール袋に入れるなどして、水を直接当てないようにしましょう。
鮮度が落ちた蟹味噌やカニを食べたらどうなる?
鮮度が落ちた蟹味噌やカニを食べると、食中毒を引き起こす可能性があります。
そのような蟹味噌やカニには、有害なウイルスが繁殖している場合があるため、知らずに食べてしまうと大変危険です。
カニによって引き起こされる可能性のあるウイルスは以下の2つです。
- 腸炎ビブリオ食中毒
- ナグビブリオ食中毒
それぞれの症状や潜伏期間についてみていきましょう。
腸炎ビブリオ食中毒
腸炎ビブリオは、カニなど海に生息する魚介類に生息する細菌です。
腸炎ビブリオに感染したカニや魚を食べることで、人に感染します。
潜伏期間は、8〜24時間で下痢や吐き気、発熱などの症状が現れます。
まな板や包丁からの二次感染もよくあるため、使用した調理器具はしっかり消毒する必要があります。
特に夏場は菌が繁殖しやすいため、注意しましょう。
ナグビブリオ食中毒
ナグビブリオは海水に生息する細菌で、魚介類や甲殻類などに広く分布しています。
海水の温度が17℃以上になると水中で増殖し、そこに生息する魚介類はナグビブリオに汚染されます。
ナグビブリオに汚染された魚介類を介して人に感染する可能性があり、引き起こす症状は腹痛や嘔吐、下痢などさまざまです。
ナグビブリオは5〜10℃の温度を好み、調理済みの食品は2〜5日、生の食品は4〜9日間生存します。
そのため、カニを長時間常温で放置するのは危険です。
ナグビブリオ食中毒は、感染してから1週間程度で回復に向かいますが、39℃以上の初熱を起こす可能性もあるため、持病がある方や高齢者の方は特に注意しましょう。
蟹味噌を取り出すための捌き方
カニを姿で購入したら、自分で捌いて蟹味噌を取り出す必要があります。
続いては、蟹味噌が絶品といわれる毛ガニの捌き方を例に、どのようにして蟹味噌を取り出すのか確認していきましょう。
手順1.ふんどしを外す
カニを裏返しにして、腹部についているふんどしを外します。
ふんどしは、前かけやはかまとも呼ばれ、三角の形をしています。
ハサミや手をふんどしと胴体の間に入れて、少し力を加えると外れるでしょう。
手順2.脚をすべて外す
脚の関節部分にはさみを入れて、胴体から切り離していきます。
手順3.甲羅を外す
甲羅と胴体の間に指を入れて、甲羅を外します。
このとき、蟹味噌が流れ出さないように甲羅を下に向けて外すようにしましょう。
手順4.不要や部分を取る
甲羅の内側にある膜と、ガニと呼ばれるカニのエラを取ります。
手順5.お腹についた蟹味噌を甲羅に移す
お腹にも蟹味噌がついているため、残っている蟹味噌をスプーンを使って甲羅に移し替えましょう。
手順6.胴体を真っ二つに切る
胴体の真ん中にはさみを入れ、真っ二つに切ります。
さらに、背中側とお腹側にもハサミを入れて4等分にしましょう。
手順7.脚を開く
脚の第一関節にハサミを入れて、二つに切ります。
太い方の脚は、毛に沿って両サイドからハサミを入れて開きます。
手順8.はさみを開く
残ったはさみの部分も真っ二つに切り開くと、毛蟹の解体は完了です。
蟹味噌はどこで売っている?
蟹味噌の缶詰や瓶詰めは、スーパーで購入できますし、ネット通販でも販売されているため、比較的どこでも購入できるでしょう。
しかし、新鮮な蟹味噌を食べたいなら、カニ通販でカニの姿を購入するのがおすすめです。
カニ通販なら、店舗に並ぶコストがかからないため、スーパーで購入するよりも安くカニが手に入ります。
産地直送のカニ通販なら、鮮度も抜群で美味しいカニを味わえるでしょう。
また、口コミや評価を参考にすれば、購入後のギャップを少なくできます。
以下の記事では、おすすめのカニ通販サイトについて紹介しています。
カニ選びの際に、参考にしてみてください。
関連記事:カニ通販で人気のおすすめ10サイトをランキング形式で徹底比較
蟹味噌の保存方法についてのまとめ
今回は蟹味噌の保存方法について紹介してきました。
蟹味噌は、カニの身よりも傷みやすいため長期保存に向きません。
そのため、長期間保存せずに、なるべく早く消費してしまうようにしましょう。
それでも残った蟹味噌を保存する際は、密閉できるほかの容器にうつして保存します。
この際、必ず常温ではなく冷蔵庫で保存することが大切です。
間違った保存方法で傷んでしまった蟹味噌を食べてしまうと、食中毒になる可能性もあります。
蟹味噌は傷みやすい食材だからこそ、気をつけて保存するようにしましょう。