カニといえば、鍋や焼きガニなどはもちろん、刺身も定番な冬の味覚です。
しかし、お家でカニの刺身を食べようと思ったときに、気になるのが食中毒ではないでしょうか。
カニによって引き起こされる食中毒は、最悪の場合死に至るケースもあるため、取り扱いには十分注意する必要があります。
そこで今回は、カニを生で食べたときに起こり得る食中毒と食中毒にならないために注意するポイントについて紹介していきます。
間違った食べ方や保存をして体調を壊さないためにも、しっかり確認していきましょう。
カニを生で食べたら食中毒になる?
カニには、加熱用と生食用の2種類が販売されています。
加熱用のカニは食べる前に火を通すことを前提としています。
しかし、加熱用のカニを間違えて生で食べてしまったら、食中毒になるのでしょうか。
もちろん、食中毒のリスクはありますが、加熱用であったとしても、冷凍であればマイナス30度で冷凍されているため、食中毒の原因である菌は死滅していると考えられます。
そのため、少量であれば食中毒になるリスクは低いでしょう。
しかし、量が多かったり解凍して時間が経って菌が繁殖していたりすると危険です。
カニを食べて、腹痛や吐き気など食中毒の症状が出たら、すぐに病院で診てもらう必要があります。
症状が出なくても、食中毒になる得る食べ方をした場合は、しっかり経過観察をしておきましょう。
カニを生で食べるなら生食用のカニを選ぼう
カニを生で食べたいのなら、生食用や刺身用と表記のあるカニを購入すれば安心です。
しかし、カニはすぐに鮮度が落ちてしまうため、スーパーなどで並んでいるカニは、一度業者が茹で上げたボイル済みのカニがほとんどです。
そのため、生で食べられるほどの新鮮なカニを購入するには、現地で購入するかカニ通販で産地から直接お取り寄せする必要があります。
特にカニ通販なら、わざわざ現地に赴く必要がないため、手間がかかりません。
そのため、生でカニを食べたい方は、ぜひカニ通販を利用してみてください。
生のカニを食べたときに起こる可能性のある食中毒
基本的に、生食用のカニであれば生で食べても食中毒の心配はありません。
しかし、加熱が必要であったり保存が適切でなく鮮度が落ちてしまったりしていると、食中毒になってしまう可能性があります。
そのような場合、生のカニを食べて起こる可能性のある食中毒は以下の2つです。
- ナグビブリオ菌
- 腸炎ビブリオ菌
食中毒は年齢や持病によって、最悪の場合死に至るケースもあるため、大変危険です。
どのような症状が出るのか確認していきましょう。
ナグビブリオ食中毒
ナグビブリオは、河川や海水に生息している水生菌で、下水汚染のひどいところでは1年以上も生き続けられます。
また、コレラ菌と菌の形も似てるのも特徴です。
症状に関しては、主に下痢や腹痛を引き起こします。
潜伏期間は5〜12時間で、便が水のように出ることが多く、嘔吐や発熱も起こります。
ナグビブリオ食中毒は、数日で回復することが多いですが、基礎疾患持ちの方や39℃以上の発熱が出ている場合は抗菌薬が必要です。
汚染された魚介類や使用した調理器具を介して食中毒を起こすため、徹底した衛生管理を心がけるようにしましょう。
腸炎ビブリオ食中毒
腸炎ビブリオとは、主に海に生息している細菌です。
本菌に感染した魚介類を加熱せずに食べることで、人へと感染し、腸炎ビブリオ食中毒を発生させます。
日本では人や動物の消化管に生息する腸内細菌であるサルモネラと並んで、発生件数の最も多い食中毒の一つです。
潜伏期間は6〜12時間で、症状が現れると、激しい腹痛や下痢に見舞われます。
ほかにも嘔吐や発熱の症状があり、その後2〜3日で回復へと向かいます。
また、高齢者など免疫が低下していると、毒素による心臓毒性によって死亡するケースもあるため注意が必要です。
近年、寿司や刺身の普及に伴って世界的に発生が増加しています。
生食する際は、食べる前はもちろん、食後も衛生管理をしっかりして菌を繁殖させないことが大切です。
蟹味噌を生で食べたら食中毒になる?
カニを食べるときに欠かせないのが、蟹味噌です。
濃厚でコクのある味わいで、一度食べたら病みつきになる方も多いでしょう。
そんな蟹味噌は、生でも食べられます。
生の蟹味噌は、蟹味噌本来の味をより楽しめる逸品です。
しかし、蟹味噌を生で食べるのはカニの身と同様に食中毒の危険性があります。
水揚げされたばかりのカニから取れる新鮮な蟹味噌なら問題ありませんが、水揚げから時間の経っている蟹味噌を生で食べるのは避けた方が無難です。
そのため、市販で購入したカニから取れる蟹味噌は、必ず一度加熱してから食べるようにしましょう。
蟹味噌は甲羅焼きがおすすめ
蟹味噌は生でも食べることができますが、甲羅焼きで食べるのがおすすめです。
ほぐした身と蟹味噌を甲羅に入れて焼き、醤油で味付けしたら完成です。
コクのある風味がお酒やご飯と相性抜群なため、蟹味噌を手に入れたらぜひ試してみてください。
生のカニかボイル済みかを見分ける方法
カニを購入する際に、生なのかボイル済みなのかは、表記を見ればわかりますが、表記されていない場合もあります。
そのような場合は、カニの甲羅を確認しましょう。
カニが赤色やオレンジ色のように暖色系なら、すでに茹でられていると考えてOKです。
また、姿で購入しない場合は、甲羅で確認できないため、身で確認しましょう。
身が白っぽいのはボイル済みで、透明なのは生です。
それでも、判断が難しければ販売員の方に直接聞くようにしましょう。
生のカニを安全に食べられる保存期間は?
基本的に生のカニはすぐに傷んでしまうため、保存には向いていません。
そのため、生カニは保存せずに届いたらすぐに食べてしまうようにしましょう。
それでも、食べきれずに保存をしたいという場合は、茹でてから保存するようにして、必ず生の状態で保存しないことが大切です。
茹でた場合は、ラップで2〜3重に包み、ビニール袋に入れて、冷蔵庫か冷凍庫で保存します。
冷蔵庫から2日間、冷凍庫なら3日ほど保存できます。
なお、カニは水分が抜けると身がパサパサしてしまうため、空気に触れないようにしっかり密封して、水分を出さないように注意しましょう。
生のカニを放置していたらどうなる?
生のカニを放置していると、カニが黒く変色してしまいます。
この現象を黒変と呼び、カニには珍しくない現象です。
黒変のメカニズムは、カニに含まれるアミノ酸がカニの体液に含まれる酸化酵素によって、メラニンという黒色色素に変わることによって起こります。
メラニンは、人体にとって無害なのでそのまま食べても問題ありません。
そのため、黒く変色しているからといって腐っているわけではないため、捨ててしまわないようにしましょう。
しかし、カニから異臭がしたり、ぬめぬめしていたりする場合は、ただの黒変ではなく腐ってしまっている危険があるため、注意が必要です。
そのような場合、食べてしまうと食中毒になる危険性があるため、必ず口にしないようにしましょう。
ただし、ただの黒変であれば色が変わるだけで味や風味に問題はなく、そのまま食べられることを覚えておきましょう。
生のカニで食中毒にならないための対策
カニで食中毒にならないためには、以下のポイントに気をつける必要があります。
- なるべく早く食べてしまう
- 使用した調理器具はしっかり洗う
- 間違った保存をしない
それぞれについて見ていきましょう。
なるべく早く食べてしまう
カニは鮮度が落ちやすい生き物なため、生のカニを食べるときは、鮮度の良い状態を保つことが大切です。
時間が経過して鮮度が落ちてしまうと、黒変が進み、見た目を損なうだけでなく、菌が繁殖して食中毒を起こす危険性があります。
そのため、生のカニが自宅に届いたら、なるべく早く食べてしまうようにしましょう。
使用した調理器具はしっかり洗う
使用した包丁やまな板に菌がついていると、そこから感染する可能性があります。
そのため、使用した調理器具はしっかり洗って菌を残さないようにしましょう。
また、普段使いのまな板と生食用のまな板を分けるなど工夫することも効果的です。
間違った保存をしない
基本的に生のカニを保存することはできないため、余った場合などに生のまま保存することはNGです。
生のカニを保存する際は、必ず一度茹でてから冷蔵庫や冷凍庫で保存するようにしましょう。
また、茹でている場合でも日持ちはしないため、なるべく2〜3日以内に消費してしまうことが大切です。
新鮮な生のカニを食べたいならカニ通販がおすすめ
生のカニを食べるには、鮮度が大変重要です。
しかし、普段スーパーで売られているカニは、店頭に並ぶまでに鮮度が落ちてしまうため、事前にボイルされているカニがほとんどです。
そのため、新鮮な生のカニを購入するには、現地まで赴く必要がありますが、なかなか通うのは難しいでしょう。
そこでおすすめなのが、カニ通販です。
カニ通販なら、産地直送で水揚げされたばかりで鮮度の良いカニを自宅にいながら購入できます。
また、種類も豊富で普段なかなかお目にかかれないようなカニも購入できるでしょう。
新鮮なカニやさまざまな種類のカニを購入したい場合は、ぜひカニ通販を利用してみてください。
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生のカニで食中毒になるのかについてのまとめ
今回は、生のカニで食中毒になるのかについて紹介してきました。
カニは鮮度の落ちやすい生き物なため、たとえ生食用であったとしても鮮度が落ちていると食中毒になる可能性があります。
そのため、生のカニは自宅に届いたらすぐに食べてしまうようにしましょう。
また、調理器具に菌が付着して増殖する危険性もあるため、使用した器具は必ず綺麗に洗浄したり、生食用と普段用で器具を使い分けたりすることがおすすめです。
食中毒になると、下痢や嘔吐など辛い症状を引き起こします。
食中毒にならないためにも、衛生管理には十分注意するようにしましょう。