カニには多くの種類が存在しており、中でもカニの王様であるタラバガニや、蟹味噌が絶品な毛ガニなどは日本でもよく知られています。
もちろん、それら定番のカニも絶品ですが、エビに似たカニといわれるアサヒガニも食べ応え抜群で絶品です。
しかし、アサヒガニは全国的にも知名度が低く、どのようなカニであるかわからない方も多いでしょう。
そこで今回は、そんなアサヒガニの特徴や味について紹介していきます。
また、アサヒガニに合う絶品料理も紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
アサヒガニの特徴
アサヒガニは、アサヒガニ科に分類される大型の食用カニです。
甲羅が縦長で小さなトゲに覆われており、前半部から中盤部にかけて膨らみ、後半部にはキュッと絞られたような形をしています。
その原始的な見た目から、カニよりもエビに似ており、カニとエビの中間のようなカニと評されることもあります。
また、カニ特有の横歩きをせずに、前後に移動する習性があるのも、エビと似ているといえるでしょう。
アサヒガニの産地
アサヒガニは、主にインド太平洋に生息していますが、日本でも本州の中部以南に生息しています。
日本で水揚げされるのは主に鹿児島県で、ほかにも高知県や三重県でも漁獲されています。
漁獲地では、乱獲を禁止するために漁獲制限や禁漁期を設けて資源の保護に努めていますが、年々アサヒガニの数は減少しているのが現状です。
そのため、国産ではなくオーストラリアや東南アジアからも輸入された、外国産のアサヒガニが一般的に流通しています。
アサヒガニの旬
アサヒガニの旬は、11月〜12月の1ヶ月間です。
アサヒガニの産地である鹿児島県では、アサヒガニが5月〜10月にかけて産卵するため、資源保護の観点からこの時期を禁漁期としています。
そのため、産卵を終えた後の11月〜12月に漁が解禁されて、晴れて旬を迎えます。
アサヒガニの味
アサヒガニは、タラバガニのようにぎっちり詰まって食べ応えのある身が特徴です。
さらに、食感はぷりぷりのエビのようで、あっさりとした上品な味わいです。
甘みが強く旨味も感じられるため、ほかのカニと比べても遜色ない品質といえるでしょう。
アサヒガニの蟹味噌
アサヒガニといえば、なんといっても濃厚な蟹味噌が特徴です。
生臭さを感じさせない味わいで、深いコクも十分に味わえます。
また、甲羅のサイズが大きいため、蟹味噌がたくさん詰まっているのも嬉しいポイントです。
アサヒガニの価格相場
アサヒガニの価格相場は、輸入品と国産で違いがあります。
輸入品であれば、1kgで1,500円程度ですが、国産であれば1kgで3,000円〜4,000円程度です。
また、水揚げが盛んでない東日本で揚がった場合は、さらに金額が上がります。
しかし、輸入品であったとしても品質に大きな違いはなく、その味は絶品です。
そのため、1杯1,500円程度で入手できるとなると、ほかのカニよりもかなり手頃だといえるでしょう。
アサヒガニを使ったおすすめ料理
アサヒガニは、その豪快で繊細な身と濃厚な蟹味噌によって、さまざまな料理で美味しくいただけます。
続いては、アサヒガニを使った、以下のおすすめ料理を紹介していきます。
- 蒸して食べる
- 茹でて食べる
- 焼いて食べる
- 味噌汁で食べる
それぞれの特徴について見ていきましょう。
蒸して食べる
豊満に詰まった身や、アサヒガニが持つ風味を存分に味わいたいなら、蒸しガニにして食べるのがおすすめです。
作り方は、蒸し器で20分程度蒸すだけなので、手軽に作れるのも嬉しいポイントです。
ただし、蒸しすぎると身が硬くなってしまう点に注意しましょう。
茹でて食べる
アサヒガニの強い甘みをより堪能したいなら、茹でて食べるのがおすすめです。
また、茹でガニだと身の弾力も引き立つため、アサヒガニに持ってこいの食べ方といえるでしょう。
さらに、冷凍品であれば、すでに茹でられていることが多いので、解凍したらすぐに食べられます。
そのため、手間をかけずに調理したい方にもおすすめです。
焼いて食べる
アサヒガニから出る香ばしい香りと、肉厚な身を堪能できるのが焼きガニです。
アサヒガニは甘みが強いため、エビのような食感とカニの風味を同時に味わえます。
素材の味を贅沢にいただきたいなら、ぜひ一度焼いて食べてみてはいかがでしょうか。
味噌汁で食べる
ぶつ切りにしたアサヒガニを、そのまま鍋に入れて味噌で味付けするシンプルな料理です。
アサヒガニの濃厚な出汁と、旨味たっぷりの身を存分に味わえます。
アクセントとして、アサヒガニの蟹味噌を入れるとさらにコクが出て高級感が増すでしょう。
寒い冬に食べたくなる一品です。
アサヒガニにはたくさんの別名がある?
アサヒガニの名前の由来は、茹でると朝日のように真っ赤になることからその名がつけられました。
しかし、地方によってその名は異なります。
以下は、アサヒガニに付けられている地方名の一部です。
- カブトガニ(鹿児島県)
- ヘイケガニ(高知県)
- ヨロイガニ(長崎県)
ほかにも、ショウジョウガニやベニガニと呼ばれることもあります。
アサヒガニの捌き方
続いては、アサヒガニを捌く方法を手順に沿って確認していきましょう。
1.ハサミ脚を外す
まずは、アサヒガニで1番大きな爪を持っているハサミ脚を外します。
ハサミ脚は、手でグッと力を入れると簡単に外せます。
2.ふんどしを外す
続いて、腹部にあるふんどしと呼ばれる部分を外します。
ほかのカニは、甲羅の裏側についていますが、アサヒガニは甲羅側から見える位置についています。
こちらも、手で外すことが可能です。
3.甲羅を外す
外したふんどしの部分から手をかけて、甲羅を外します。
このとき、蟹味噌やカニの旨み成分が流れ出てしまう可能性があるため、甲羅を下にして外すようにしましょう。
4.エラを外す
甲羅を外した胴体についているエラを外します。
ガニとも呼ばれるカニのエラは、呼吸のために海水と接する部位のため、雑菌などが繁殖している可能性があります。
食べてしまうと食中毒の危険性があるため、アサヒガニに限らず、カニを捌く際は必ず取り外すようにしましょう。
5.薄皮や口を外す
エラを外した胴体には、薄皮やカニの口も一緒についています。
これらも外しておきましょう。
6.胴体を半分に切る
胴体の真ん中に包丁をいれて、半分に切り落とします。
7.爪の殻を切る
爪にも多くの身が詰まっているため、爪の殻も包丁を入れて切り開きましょう。
8.皿に盛って完成
ここまで解体ができたら、最後にお皿に盛り付けて完成です。
そのままポン酢などを付けて食べるのも絶品ですが、サラダやパスタなどの料理に活用しても美味しくいただけるでしょう。
アサヒガニを手に入れる方法
アサヒガニは、タラバガニや毛ガニのように知名度の高いカニでないため、一般のスーパーなどではなかなか購入できません。
そこで、アサヒガニを購入するためにおすすめな方法が以下の2つです。
- 鹿児島県のふるさと納税を利用する
- カニ通販を利用する
それぞれについて見ていきましょう。
鹿児島県のふるさと納税を利用する
アサヒガニの名産地である鹿児島県は、アサヒガニをふるさと納税の返礼品として出しています。
ふるさと納税とは、自分の故郷や支援したい自治体に寄付ができる制度です。
寄付のお礼として、地域の名産品などの返礼を受けられます。
そのため、鹿児島県のふるさと納税を使用すれば、鹿児島県産のアサヒガニを入手できます。
しかし、季節によっては受付をしていない点には、注意が必要です。
カニ通販を利用する
アサヒガニは温暖な海域にしか生息していないため、国産のアサヒガニは希少な存在です。
そのため、アサヒガニが水揚げされる地域は限定的で、住んでいる地域ではアサヒガニが食べられないということも珍しくないでしょう。
そんな方におすすめなのが、カニ通販です。
カニ通販なら、現地に行かなくても水揚げされたばかりのアサヒガニをお届けしてくれます。
アサヒガニを取り扱っている通販サイトも限られてはいますが、ぜひ希少なアサヒガニをカニ通販で探して食べてみてください。
また、アサヒガニに限らず、全国の美味しいカニを購入できるおすすめの通販サイトを以下の記事で紹介しています。
ぜひこちらも併せてご覧ください。
関連記事:カニ通販で人気のおすすめ10サイトをランキング形式で徹底比較
カニを食べるときは食中毒に注意しよう
アサヒガニのような魚介類は、鮮度がすぐに落ちてしまうため、食中毒にならないように注意する必要があります。
鮮度が低いカニを食べてしまうと、激しい腹痛や下痢に見舞われるだけでなく、38度を超える高熱を出すことも珍しくありません。
そのため、カニを食べる際には鮮度管理を徹底する必要があります。
具体的には、以下のような特徴のあるカニは食べない方が無難です。
- 甲羅や身がヌメヌメしている
- 身が黒く変色する黒変がかなり進んでいる
- アンモニア臭のような異臭がする
また、鮮度を保つためには正しい方法で保存することが大切です。
せっかくのカニを破棄する事態にならないためにも、適切に保存するようにしましょう。
アサヒガニの特徴や味についてのまとめ
アサヒガニは、見た目がエビに似ているカニとして有名で、国内では主に鹿児島県で水揚げされます。
その身は、タラバガニのように豪快でぷりぷりとしているのが特徴で、繊細かつ上品な味わいがその魅力です。
蒸したり茹でたりすることによって、アサヒガニの持つ魅力をたっぷり味わえるでしょう。
また、大きな甲羅の中にたくさんの蟹味噌が詰まっており、その味も濃厚で絶品です。
ぜひ、自分の好みの料理と合わせて味わってみてはいかがでしょうか。