カニの中でも、最大規模の大きさを誇るタスマニアオオガニをご存知ですか?
タスマニアオオガニは、タスマニア島付近の海海域に生息しているカニで、食用としても利用されています。
本記事では、そんなタスマニアオオガニの特徴やどのような味がするのかについて紹介します。
本記事を読むことで、世界にはさまざまなカニが存在していると知るきっかけになるでしょう。
タスマニアオオガニとは
タスマニアオオガニは、イソオオギガニ科に属するカニで、別名「タスマニアキングクラブ」や「タスマニアジャイアントクラブ」とも呼ばれています。
甲幅が最大で46センチにも達する大型の種であり、体重も最大で13キロにもなります。
これは、現生の節足動物の中で最大級であるタカアシガニよりも大きな甲幅です。
ちなみに、タスマニアオオガニのメスはオスの半分ほどのサイズです。
見た目は、甲羅が赤と黄色が混ざった色合いをしています。
また、タスマニアオオガニは、甲幅だけでなくハサミも大きく、節足動物の中で最大級のサイズを誇ります。
挟力も驚くほどで、約340キロもの力を持っているのが特徴です。
同じイソオオギガニ科には近縁種のイソオウギガニも存在しますが、そのカニは5センチ程度の小型であるため、見た目にギャップを感じられるでしょう。
タスマニアオオガニ分布
タスマニアオオガニは、オーストラリアの南西部とタスマニア島近辺の海域に生息しています。
和名である「タスマニアオオガニ」や「オーストラリアオオガニ」は、生息する地域に由来しています。
生息域は水深30から500メートルで、広範囲に渡っているのが特徴です。
タスマニアオオガニの生態
タスマニアオオガニは、寿命が20~30年程度の長寿種です。
長寿の理由は、成長がゆっくり進むためとされています。
普段は貝類やヒトデ、ほかの甲殻類などを捕食して生活しています。
タスマニアオオガニは食べられる?
タスマニアオオガニは、現地で食用として利用されており、贅沢な珍味で知られています。
実際に、タスマニアオオガニを対象とした漁も行われています。
しかし、資源保護の観点から2004年には漁獲量が規制されました。
また、タスマニアオオガニの漁では、脱皮して成長するまで待つために、捕獲後にハサミを切り落として、再び海に返す手法を取っているのが特徴です。
このような荒技ができるのも、タスマニアオオガニが高い再生力を持っているからに起因します。
食べる方法としては、茹でガニが一般的であり、鍋に入れるように大きな体をバラして調理されます。
タスマニアオオガニの味は?
タスマニアオオガニの身は、甘みと旨みが強く、食用として人気のカニと比較しても遜色ない味わいです。
大きな体ですが、中身は詰まっていて食べ応えがあります。
さらに、蟹味噌も濃厚で、身と合わせることで特有の風味と味わいを楽しめるでしょう。
タスマニアオオガニのほかに深海に棲むカニは?
深海の世界には、驚くべき生態を持った生物が多く存在しています。
そんな深海には、タスマニアオオガニだけでなく、さまざまな種類のカニが棲息しています。
続いては、深海に棲むさまざまなカニの特徴について紹介していきます。
タカアシガニ
タカアシガニは、クモガニ科に分類される大型のカニで、現生する節足動物の中では世界最大です。
種が古いことから「生きた化石」とも呼ばれています。
細長い脚が特徴で、大きなオスがハサミを広げると3.8メートルほどにまでなります。
甲幅は40センチ程度で、タスマニアオオガニには劣りますが、脚を伸ばした際の迫力は満点です。
また、19キロという重さも、独特の威圧感を生み出しています。
日本では太平洋岸の岩手県から九州にかけて生息し、食用としても利用されています。
味は大味ですが、瑞々しくジューシーです。
なかなかお目にかかれないカニなので、機会があればぜひ食べてみてはいかがでしょうか。
関連記事:タカアシガニの味は美味しい?値段や旬の時期についても解説!
スノークラブ
スノークラブは、オオエンコウガニ科に属するカニで、オーストラリアの深海に生息しています。
その名前の通り、全身が白いのが特徴で、茹でても色が変わりません。
スノークラブは、一般的なカニが持つ赤色の天然色素であるアスタキサンチンを持っていないことが白さの理由です。
また、スノークラブは食用としても利用されており、身には甘みを感じられます。
風味や身詰まりも良く、食べ応えがあるため、味の質はとても高いとされています。
しかし、日本での流通は少ないため、一般的に見かけることはなく、食べる機会はなかなか訪れないでしょう。
ヒラアシクモガニ
ヒラアシクモガニは、クモガニ科に属するカニです。
甲幅は約3センチ程度ですが、細長い手足が特徴です。
甲羅は赤色で、第一歩脚には多数の棘が生えています。
また、ハサミは脚に比べて太く、かつ短いです。
体は大きいですが、岩に登ったり砂に潜ったりできる器用な能力を持っています。
日本では東京湾から九州岸にかけて分布しており、深い場所では水深750メートルまで生息しています。
ヒラアシクモガニの生態を観察したい場合は、水族館を訪れると鑑賞できますが、展示されている水族館は限られている点に注意が必要です。
ユノハナガニ
ユノハナガニは、ユノハナガニ科に分類されるカニで、フィリピン海プレートの海山群である熱水噴出孔に生息しています。
熱水噴出孔とは、地球内部の熱によって加熱された水が噴出する亀裂です。
その生息域は、深海に達する420~1380メートルに及びます。
また、ユノハナガニは体色が白いのが特徴で、その姿が温泉に舞う湯の花に似ているというところから和名の由来となりました。
外見はサワガニに似ていますが、深海環境に適応した特殊な生態を持っています。
オオエンコウガニ
オオエンコウガニは、オオエンコウガニ科に属する大型のカニです。
体形はサワガニに似ていますが、大きな体が最大の特徴です。
甲長が20センチにも達し、細い脚がその大きさに対して歪な印象を与えます。
日本では東京湾や相模湾、駿河湾などの海域に生息しており、特に500~800メートルほどの深さの岩礁地帯でよく見られるのが特徴です。
また、オオエンコウガニは、希少なカニのため流通が限られています。
しかし、その大きな体から得られる身の部分は、茹でると甘みを感じられる美味しさがあり、特に産地周辺で人気があります。
サナダミズヒキガニ
サナダミズヒキガニは、節足動物門目科に属するカニで、水深30メートルから300メートルの深海に生息します。
甲羅が1センチほどと小さいながらも、細長い脚を持っており、脚を広げると10センチを超える長さになるのが特徴です。
また、サナダミズヒキガニの名前は、脚の模様が真田紐や、贈答品に使われる水引に似ていることから由来しています。
なお、サナダミズヒキガニは食用としての利用はされていません。
食用としておすすめのカニは?
タスマニアオオガニは、食用として利用されていますが、日本で食べられる機会はほとんどありません。
そのため、日本でカニを食べたいと思ったら、日本で定番のカニを購入する必要があります。
続いては、日本で食べられる食用としておすすめのカニを4種紹介します。
カニ選びの参考にしてみてください。
毛ガニ
毛ガニはクリガニ科に分類されるカニの一種で、食用として高い人気を誇ります。
北西太平洋の沿岸域に広く生息しており、日本では北海道が毛ガニの主な産地として知られています。
全身が毛で覆われており、その外見はずんぐりとした印象ですり
身は甘みがあり、繊細で食べごたえがあるのが特徴です。
特に、毛蟹の蟹味噌はその品質の高さから、カニの中でも高く評価され、多くの人に愛されています。
茹でたり蒸したりといった、さまざまな調理法で楽しめる魅力の多いカニといえるでしょう。
ズワイガニ
ズワイガニは、ケセンガニ科に分類される大型の食用カニです。
甲幅は最大で14センチありますが、甲幅よりも目を見張るのは細長い脚です。
脚を広げると70センチを超えるほどの長さを持ちます。
ズワイガニは、漁獲地によってブランド化されており、呼び名が異なることも特徴です。
山陰地方の松葉ガニや、福井県の越前ガニなどが有名です。
身に関しては、筋肉質で食べごたえがあります。
また、甘みも強いため、しゃぶしゃぶや刺身といった調理法で美味しく楽しめるでしょう。
タラバガニ
タラバガニはタラバガニ科に分類される甲殻類です。
一般的なカニとは異なり、実際はヤドカリの仲間に分けられます。
その根拠として、脚の数などにヤドカリ特有の特徴が見られます。
また、タラバガニは蟹味噌の品質が落ちるのも特徴のため、蟹味噌を求める方には向かないですが、一方、豊満で肉質の良い身が大きな魅力です。
焼きガニにするとホクホクの身と香ばしい香りが楽しめるため、カニを贅沢に味わいたい方におすすめできるでしょう。
花咲ガニ
花咲ガニは、タラバガニ科に分類される食用のカニで、タラバガニ同様ヤドカリの一種です。
茹でたときに鮮やかな赤色になるのが特徴で、見た目からも食欲をそそられるでしょう。
また、食べ応えのある太い身が特徴で、塩焼きや塩茹でなどで美味しく食べられます。
さらに、脚をぶつ切りにして味噌汁に入れる鉄砲汁は、郷土料理としても高い人気を誇ります。
タスマニアオオガニについてのまとめ
今回は、カニの中でも最大規模の大きさを誇るタスマニアオオガニについて紹介しました。
タスマニアオオガニは、深海に生息している大型のカニで、現地では食用としても利用されています。
気になる味は、大きな体からは想像しづらいかもしれませんが、旨みが詰まった濃厚な味わいです。
また、蟹味噌も美味しいのでさまざまな楽しみ方ができます。
日本の水族館でも展示されているので、ぜひその大きな体を実際に見てみてはいかがでしょうか。
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