日本人にとって、カニは人気の高い食材の一つです。
特にお祝いの席や特別な機会には、カニ料理を楽しむ方も多いのではないでしょうか。
しかし、カニはしっかりと洗ってから調理していますか?
実は、カニを調理する前に洗って汚れを落とすことは非常に重要です。
本記事では、カニを調理前に洗う理由と洗わなかった場合のリスクについて解説します。
カニを洗わずに食べて問題を起こさないように、ぜひ最後までご覧ください。
カニを洗う理由
カニを茹でたり蒸したりして調理する前には、カニの体を綺麗に洗う必要があります。
これは、甲羅や腹部に付着している腸炎ビブリオ菌と呼ばれる菌や汚れを洗い流すためです。
腸炎ビブリオ菌は、体内に入ると食中毒を引き起こす可能性があるため、必ず洗い忘れがないようにしましょう。
また、腸炎ビブリオ菌は塩分のある環境で増殖するため、洗う際は真水を使うことも大切です。
たわしを使って、綺麗に汚れと菌を洗い流しましょう。
しかし、洗いすぎはカニの旨み成分まで流してしまうことにつながるため、洗いすぎには注意してください。
さらに、カニによっては甲羅に鋭利なトゲがついている場合があるため、怪我をしないように注意して洗いましょう。
カニを洗わなかったことで起こりえる食中毒について
カニにはさまざまな菌がついているため、調理前にしっかり洗えてないと食中毒にかかる可能性があります。
続いては、カニを洗わなかったことで起こりえる二つの食中毒について見ていきましょう。
腸炎ビブリオ食中毒
腸炎ビブリオ菌は海水中に広く分布し、カニなどの魚介類に付着して増殖します。
栄養や温度などの条件が揃えば、かなり早いスピードで増殖するため、注意しなければいけません。
また、真水や低温、高温に弱いのが特徴です。
そのため、真水で洗ったり、高温で加熱したりすると食中毒の発生確率を下げられるでしょう。
腸炎ビブリオ食中毒は、潜伏期間である8時間~24時間の後に激しい腹痛や嘔吐、発熱といった症状が現れます。
主な症状は1日程度に回復に向かいますが、高齢者や基礎疾患のある方は、最悪の場合死に至るため、注意が必要です。
ナグビブリオ食中毒
ナグビブリオは、都市近辺の河川や沿岸部の海水に分布しています。
カニを含む魚介類からの感染が主な経路です。
ナグビブリオ食中毒は、5〜12時間の潜伏期間後に激しい下痢や腹痛を引き起こします。
また、38度前後の発熱や嘔吐を起こす場合もあります。
症状が出てから、数日間で回復へと向かうのが特徴です。
食中毒になってしまったら
食中毒の症状が重い場合は、すぐに病院で診てもらいましょう。
特にお年寄りや小さな子どもの場合は、早めの診察が肝心です。
自宅で応急処置を行う場合は、嘔吐や下痢による脱水症状を防ぐために、こまめな水分補給が必要です。
食事の際は、できる限り消化のよいものや栄養の高いものを摂りましょう。
また、冷たいものは避け、なるべく温かいものを選択するのも大切です。
そのほかカニで食中毒になる行為
カニは、調理前に洗わなければ食中毒になる可能性がありますが、以下の行為も食中毒につながります。
- 鮮度の落ちたカニを食べる
- 生で食べる
- カニを調理した器具の洗浄を怠る
それぞれの行為について、詳しく見ていきましょう。
鮮度の落ちたカニを食べる
解凍したカニを常温で長時間放置していると、鮮度が落ちて食中毒の可能性が高まります。
特に、以下のような特徴のあるカニは、鮮度が落ちている可能性が高いので注意が必要です。
- アンモニアのような臭いがする
- 味に酸味がある
- 甲羅や身がヌメヌメしている
- 身が溶けている
- 身が黒く変色している
少しでも違和感を覚えたら、口にせず破棄するようにしましょう。
生で食べる
生食用のカニであれば、生で食べても問題ありません。
しかし、加熱用のカニや、鮮度が落ちた生食用のカニを食べてしまうと食中毒になる可能性があります。
そのため、カニを生で食べる場合は、鮮度の良い生食用のカニに限ることが大切です。
また、カニについている菌は加熱すると死滅するため、安全に食べるなら必ず加熱してから食べるようにしましょう。
カニを調理した器具の洗浄を怠る
二次感染を防ぐために、カニを調理した後の器具は必ず洗剤を使って念入りに洗浄してください。
洗浄後は、熱湯で消毒すると尚良いでしょう。
また、魚介類を扱う器具と普段使いの器具を分けておくことも対策の一つです。
カニは子どもが食べても大丈夫?
カニのような甲殻類は、アレルギー症状が出やすい食材として知られています。
また、子どもが食中毒になると重症化しやすいことから、子どもにカニを食べさせても大丈夫なのか悩む方も多いでしょう。
実際、子どもに食べさせてもよい明確な年齢はありませんが、離乳食を終える1歳ごろからなら与えても問題ないとされています。
生を食べさせるなら3歳から
加熱されたカニなら、1歳ごろから食べても大丈夫です。
しかし、加熱されていない生のカニを食べさせるなら、3歳以降にしましょう。
免疫や体力のついてくる3歳を迎えるまでは、万が一のことを考えて生で食べさせないことが大切です。
カニのアレルギーについて
甲殻類アレルギーは学童期以降に増加し、年齢によって食べられるようになる可能性が低いアレルギーです。
そのため、子どもの頃に発症し、大人になっても克服できていない方も少なくありません。
症状としては、呼吸困難や蕁麻疹、嘔吐などさまざまなです。
重症になると、最悪の場合死に至る可能性があるアナフィラキシーショックを発症する可能性があります。
また、子どもにカニを与える際は、アレルギー反応が出てもすぐに病院に駆け込めるように、時間帯なども考慮するようにしましょう。
子どもにカニを食べさせるときの注意点
カニ自体は、1歳ごろから食べさせても問題ありませんが、以下の注意点を守る必要があります。
- 少量から食べさせる
- 加熱して食べさせる
それぞれの注意点について確認していきましょう。
少量から食べさせる
一度に大量のカニを食べさせるのは危険なため、少量から食べさせることが大切です。
万が一アレルギー反応や食中毒が起こった際に、少量であれば症状を最小限に抑えられます。
カニデビューする際は、少量から食べさせてアレルギーの耐性を見るようにしましょう。
加熱して食べさせる
カニを食べさせる際は、必ず加熱して食べさせましょう。
生で食べさせてしまうと、食中毒のリスクが高くなります。
また、子どもは耐性がないため、症状が重症化しやすいのが特徴です。
さらに、生物は噛みにくいため、喉に詰まらせてしまうリスクもあります。
そのため、カニを食べさせる際は、加熱して生で食べさせないようにしましょう。
子どもに食べさせるときの方法
子どもにカニを食べさせるときは、以下の方法で食べさせると良いでしょう。
- 加工品を食べさせる
- スープにして食べさせる
それぞれの方法について見ていきましょう。
加工品を食べさせる
カニを初めて食べさせる場合は、身をそのまま与えるのではなく、カニの成分が入った加工品を食べさせるとよいでしょう。
加工品なら含まれる成分が少ないため、アレルギー反応が起こっても重症化しません。
そのため、安全にカニのアレルギー耐性を知りたいなら、まずは加工品からチャレンジさせてみるのがおすすめです。
スープにして食べさせる
カニの身を直接与える場合は、しっかりとほぐした身を入れたスープから与えると安心です。
スープなら食べやすいだけでなく、アレルギー反応が出ても重症化しにくいでしょう。
カニの適切な保存方法は?
カニは間違った方法で保存していると、すぐに鮮度の劣化が始まります。
鮮度が落ちると、食中毒になるリスクが高まります。
続いては、カニを劣化させないための適切な保存方法について確認していきましょう。
生カニの保存方法
生カニは、鮮度の劣化が早いのが特徴です。
そのため、生カニは保存には向いていません。
鮮度が落ちると、身や殻が黒く変色するため、保存せずになるべく早めに消費してしまうことが大切です。
しかし、どうしても食べきれなくて保存したい場合は、一度茹でてから保存しましょう。
茹でカニの保存方法
カニをすでに茹でている場合は、冷蔵庫や冷凍庫で保存できます。
この際、水分が抜けないように、ラップや新聞紙で包んで保存することが大切です。
水分が抜けると身がパサパサして、せっかくの旨みが抜けてしまいます。
保存期間は、冷蔵庫なら2日、冷凍庫なら3日を目安にしましょう。
しかし、生のカニ同様なるべく保存しなくてもいいように、早めの消費が大切です。
冷凍カニの保存方法
冷凍カニの場合は、ラップで包み冷凍庫で保存します。
保存期間は2〜3週間で、ほかの状態のカニと比較しても長期間の保存が可能です。
しかし、解凍してしまうと長期の保存ができなくなってしまうため、解凍は必ず食べる分だけ行うようにしましょう。
カニを購入するならカニ通販で!
カニは、シーズンになるとスーパーなどで購入できる食材ですが、カニ通販なら一年を通して美味しいカニを購入できます。
また、通販サイトによってはプロが目利きした品質の高いカニしか販売していないため、より高品質なカニを食べたい方にもおすすめです。
さらに、現地でしか食べられないような希少なカニを扱っている通販サイトもあるため、カニを購入する際はぜひ一度覗いてみてはいかがでしょうか。
関連記事:カニ通販で人気のおすすめ10サイトをランキング形式で徹底比較
カニを洗う理由や洗わないことで生じるリスクについてのまとめ
今回は、カニを洗う理由や洗わないことで生じるリスクについて紹介しました。
カニを調理する前には、必ず甲羅やお腹を洗わなければいけません。
綺麗に洗わなければ、カニに付着した菌や汚れが体内に入り、食中毒を引き起こす可能性があります。
食中毒を引き起こすと、激しい腹痛や嘔吐、発熱といった症状が現れるため、注意が必要です。
食中毒にならないためにも、調理前の洗浄はしっかり行いましょう。