季節の移り変わりとともに、カニの味わいも変わっていきます。
冬に旬を迎えるズワイガニは、甘くてジューシーな味わいで、春に食べられるタラバガニは、とても肉厚で濃厚です。
このように、カニは種類ごとに個性を感じられます。
この記事では、春夏秋冬それぞれに美味しいカニを紹介するだけでなく、その美味しさを最大限引き出すおすすめの料理についても解説します。
カニ好きな方は、ぜひ最後までご覧ください。
春の季節に美味しいカニ
春の季節に美味しいカニは、タラバガニです。
タラバガニの特徴や、おすすめ料理について見ていきましょう。
タラバガニの旬は4月〜6月
春に旬を迎えるカニの代表といえば、タラバガニです。
タラバガニは、春だけでなく冬にも旬を迎えますが、寒い冬を乗り越えた個体が獲れる春のタラバガニも絶品です。
タラバガニは、国内ではオホーツク海などに生息しており、流氷が去っていった春(4月~6月)は身に甘みが増すため、冬と並んで旬といわれています。
タラバガニの特徴
タラバガニは、生物分類学上はヤドカリに分類されます。
そのため、通常のカニが10本の脚を持つのに対し、タラバガニは8本しかなく、カニではなくヤドカリの特性を持っているのが特徴です。
身体的な特徴としては、甲幅が約25cmで脚を伸ばすと1mを超える大型種であることが挙げられます。
その大きさから、英語では「king crab(キングクラブ)」の愛称で知られています。
また、全身がトゲに覆われていて、茹でると赤橙色になるのも特徴です。
身は肉厚で食べ応えがあるため、カニを食べるならタラバガニが一番という方も多いでしょう。
タラバガニが美味しく食べられる料理
タラバガニの特徴は、肉厚でジューシーな身にあります。
そのため、タラバガニの魅力を引き出すなら、身の食感を存分に味わえる焼きガニにして食べるのがおすすめです。
焼きガニにすると、食感だけでなく、カニの香ばしい香りが口いっぱいに広がり、とても贅沢な味わいを楽しめます。
調理方法もいたってシンプルで、手間がかからないのもおすすめできる一つの理由です。
夏の季節に美味しいカニ
夏のカニはといわれても、あまりイメージがつかないかと思います。
そんな、夏の季節に美味しいカニは花咲ガニです。
花咲ガニの特徴や、おすすめ料理について見ていきましょう。
花咲ガニの旬は7月〜9月
夏に旬を迎える花咲ガニは、タラバガニの近縁種で、主に北海道根室市の花咲港で水揚げされます。
産地によって漁期は異なるものの、主に4月〜9月に漁が行われるのが特徴です。
その中でも、7月〜9月が最も盛んに水揚げされることから、花咲ガニは夏のカニとして定着しています。
花咲ガニの特徴
花咲ガニは、ヤドカリ下目に属する「カニによく似たヤドカリ」です。
そのため、ほかのカニ類とは異なる身体的特徴を持っています。
その名前の由来は、産地である花咲港から取ったとされる説や、茹でると甲羅が真っ赤に紅潮する様が、花が咲いたように見える説などさまざまです。
甲長は15cmほどしかなく、太く短い脚が特徴ですが、その脚には身がぎゅっと詰まっています。
生息する地域が狭く、漁期も決まっていることから、なかなか市場に出回らず、幻のカニと呼ばれているのも特徴です。
そのため、市場で見かけたらぜひ一度購入してみるとよいでしょう。
花咲ガニが美味しく食べられる料理
花咲ガニで作る料理でおすすめなのが「鉄砲汁」です。
鉄砲汁とは、花咲ガニを味噌汁に入れて食べる現地の漁師飯です。
花咲ガニを箸でつつく姿が、鉄砲に弾薬を入れている姿に似ていることから、その名がつけられました。
花咲ガニから出る出汁が、味噌汁の旨みをさらにプラスしてくれます。
調理が手軽で簡単に作れるため、家庭でもよく作られる人気の逸品です。
秋の季節に美味しいカニ
一般的にカニのシーズンではない、秋に美味しいとされるカニはワタリガニです。
ワタリガニの特徴や、おすすめ料理について見ていきましょう。
ワタリガニの旬は6月〜11月
別名「ガザミ」とも呼ばれる、ワタリガニのオスの旬は、6月〜11月です。
この期間のワタリガニは、身詰まりがよく、身も甘くなります。
メスのワタリガニに関しては、12月〜6月の間が内子をたくさんつけるとして人気です。
しかし、オスの方が甘みが数倍も強いため、身を楽しみたい方は、この時期のオスガニを味わってみるのがよいでしょう。
ワタリガニの特徴
ワタリガニは、ワタリガニ科のカニ類で、ガザミ属を指す名称です。
甲羅が菱形をしていることから、ヒシガニと呼ばれることもあります。
そんなワタリガニの大きな特徴は、一番後ろの脚がオールのような形をしているため、海の中を自在に泳げる点です。
また、大きさはメスの方が大きく、最大で甲幅25cmに達する個体も存在します。
ワタリガニが美味しく食べられる料理
ワタリガニを美味しく食べるためにおすすめな料理が、蒸しガニです。
蒸して食べることによって、ワタリガニの凝縮された旨味を余すことなく堪能できます。
また、作り方も簡単で手間がかからないのも、おすすめの要因です。
冬の季節に美味しいカニ
一年を通してカニが一番流通される、カニのシーズンの冬に美味しいカニは、ズワイガニとモクズガニです。
ズワイガニとモクズガニの特徴や、おすすめ料理について見ていきましょう。
ズワイガニの旬は11月〜3月
ズワイガニのオスは、11月〜3月の冬の時期に旬を迎えます。
メスに関しては、オスよりも漁期が短いため、11月〜1月までとなっています。
ズワイガニは、全国に名産地があり産地によって味わいが異なるのが特徴です。
それぞれの産地で、ブランド化されているため、気になるブランドがあれば、ぜひお取り寄せしてみてください。
ズワイガニの特徴
ズワイガニは、ケセンガニ科に分類される大型の食用ガニです。
名前の由来は、細い木の枝を指す「楚(すわえ)」が訛ったものとされています。
大きいオスの個体が脚を広げると、70cmにもなりますが、メスはその半分程度しかなく、オスメスで大きさが異なるのが特徴です。
また、全国でブランド化されているのも特徴で、福井県の漁港で水揚げされる「越前ガニ」や、山陰地方で水揚げされる「松葉ガニ」が特に有名です。
ズワイガニが美味しく食べられる料理
ズワイガニは、繊細で甘みの強い身が特徴のため、ズワイガニ本来の味を活かせる料理がおすすめです。
そこでおすすめなのが、しゃぶしゃぶです。
しゃぶしゃぶなら、カニ本来の味や食感を楽しめます。
ポン酢や刺身醤油につけて、アクセントを加えると病みつきになること間違いないでしょう。
モクズガニの旬は10月〜12月
モクズガニは、10月〜12月頃になると産卵のために海に出てくるのが特徴です。
そのため、この時期になるとモクズガニが市場に出回るようになります。
モクズガニの特徴
モクズガニは、イワガニ科に分類されるカニです。
上海ガニの同族異種で、見た目も大差ないことから日本の上海ガニとも呼ばれます。
甲幅は8cmほどになり、川のカニとしては大型なのが特徴です。
モクズガニが美味しく食べられる料理
モクズガニは、つがに汁で食べるのがおすすめです。
つがに汁とは、モクズガニを使用したスープで、高知の郷土料理として愛されています。
モクズガニを殻ごと潰して、出てきた出汁から作ります。
モクズガニが持つ旨みを、存分に味わえる逸品です。
一年を通して美味しいカニ
カニは基本的に、それぞれシーズンがあり、水揚げされる時期や美味しい時期が決まっています。
しかし、一年を通して美味しく食べられるカニとして有名なのが毛ガニです。
毛ガニの特徴や、おすすめ料理について見ていきましょう。
毛ガニの旬は一年中
毛ガニは、シーズンごとに北海道全域で水揚げされるのが特徴です。
そのため、カニが盛んな冬だけでなく、一年を通して、新鮮な毛ガニを楽しめます。
特に、夏から秋にかけて獲れる毛ガニは、脱皮してからかなりの時間が経過しているため、身がたくさん詰まった高品質な毛ガニを味わえるでしょう。
毛ガニの特徴
毛ガニは、クリガニ科に分類される食用のカニです。
甲長は最大12cmで、円形の甲羅をしていることから、全体的にずんぐりとした印象があります。
甲羅には無数の毛が生えており、和名の「毛ガニ」はここから由来します。
また、ズワイガニやタラバガニと比べると体が小さく、可食部分が少ないのが特徴です。
しかし、その分、味の甘みが強く食味に大変優れています。
蟹味噌も絶品で、蟹味噌目当てに毛ガニを購入する方も少なくありません。
毛ガニが美味しく食べられる料理
毛ガニは身ももちろん美味しいですが、ほかのカニよりも優れているのが、なんといっても蟹味噌です。
そんな蟹味噌を使った甲羅焼きは、お酒の肴として絶品で、一度食べたらクセになる味わいです。
甲羅の上に蟹味噌を入れて、焼くだけのシンプルな料理ですので、ぜひカニ身と合わせて賞味してみてください。
季節ごとの美味しいカニについてのまとめ
今回は、季節ごとに美味しいカニの特徴について紹介してきました。
それぞれのカニが美味しい時期は、以下のとおりです。
- 春:タラバガニ
- 夏:花咲ガニ
- 秋:ワタリガニ
- 冬:ズワイガニ、モクズガニ
- 一年中:毛ガニ
このように、カニでも種類によってシーズンが異なります。
そのため、美味しいカニを味わうためには、事前に旬の時期を調べて、今の時期に美味しいカニを選ぶことが大切です。
また、シーズンのカニを手軽に購入するなら、カニ通販がおすすめです。
カニ通販なら、全国どこにいてもネットからすぐに注文できるだけでなく、現地でしか食べることのできない希少なカニも購入できます。
以下の記事では、おすすめのカニ通販サイトを10個厳選して紹介しています。
カニ選びの際は、ぜひ参考にしてみてください。
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