蟹味噌と聞くと、贅沢な味わいが楽しめる料理として知られていますが、実はその栄養価も高く、健康への効果も期待できます。
本記事では、蟹味噌の栄養素と健康への効果を詳しく解説します。
また、美味しく食べるためのポイントも紹介するので、蟹好きの方はもちろん、健康に興味のある方にも必見の内容です。
そもそも蟹味噌って?
蟹味噌は、カニの脳みそと解釈されている方も多いでしょう。
しかし、実際は脳みそではなく、中腸腺や肝膵臓と呼ばれる内臓にあたります。
人間でいうと、肝臓やすい臓と同じような働きをする部位です。
中腸線は、栄養を分解・吸収する効果を持っているため、脱皮や産卵直後のカニは味が悪くなってしまう特徴があります。
また、蟹味噌は鮮やかなオレンジ色をイメージされる方も多いかと思いますが、種類や鮮度によって色は異なります。
中には、緑色の蟹味噌を持った種類もありますが、色の違いは普段から食べる餌によるものなので、味に違いはありません。
蟹味噌にはどんな栄養素が含まれている?
蟹味噌には少なくても、以下の栄養素が含まれています。
- ビタミンB1、B2、B12
- ビタミンE
- タウリン
- アスタキサンチン
- イノシン酸
- カルシウム
- マグネシウム
- 亜鉛
- コレステロール
それぞれの効果や特徴を確認していきましょう。
ビタミンB1、B2、B12
蟹味噌に含まれるビタミンB1、B2、B12の特徴は以下のとおりです。
- ビタミンB1:ブドウ糖をエネルギーに変換するのに不可欠な栄養素
- ビタミンB2:代謝をサポートする働きを持つ栄養素
- ビタミンB12:体内で血液を作成するのに大切な栄養素
このように、カニに含まれるビタミンB1、B2、B12は、私たちの体を形成するのに重大な役割を担っていることがわかります。
ビタミンE
ビタミンEは脂溶性の抗酸化作用を持つ栄養素で、活性酸素を取り除き、がんや動脈硬化などの健康被害を防ぎます。
食品から摂取することで、細胞の健康維持を助けるために必要な栄養素です。
そのため、健康だけでなく、美容のためにも積極的に摂取しておきたい栄養素といえるでしょう。
タウリン
タウリンは、含硫アミノ酸様化合物の一つで、カニを含む甲殻類や魚類に多く含まれています。
水溶性のため、スープのような汁物で有効に摂取可能です。
そんなタウリンは、中性脂肪を減らしたり、血圧を下げたりするなど、さまざまな効果が期待できます。
ほかにも、疲れ目を軽減するなどの疲労回復効果もあるので、栄養ドリンクとしても販売されています。
アスタキサンチン
アスタキサンチンは、サケやイクラ、カニなどに含まれる赤色の天然色素で、強力な抗酸化力を持っています。
眼精疲労や動脈硬化の予防、疲労回復などに効果があります。
また、アスタキサンチンは活性酸素を除去する力が強いため、紫外線によるシミやシワの予防にも効果的です。
カルシウム
カルシウムは、骨や歯を強くするために大切な栄養素の一つです。
体内にあるカルシウムのほとんどは、骨や歯の中にあります。
そして、残りの1%は血液や筋肉、神経などの軟らかい組織の中にあり、体の中でさまざまな働きをしています。
このように、骨の形成に大きな役割を持っているカルシウムは、不足してしまうと骨軟化症や骨粗しょう症のリスクが高まります。
そのため、普段から積極的に摂取するようにしましょう。
マグネシウム
マグネシウムは必須ミネラルの一種で、体内に約20~30g存在しています。
その内の約6割が骨や歯に含まれており、筋肉収縮や神経伝達などに影響を与えます。
不足すると疲れやすくなり、不眠症の症状が現れることがあるため、魚介類や穀類などのマグネシウムがたくさん含まれている食材を食べることが、健康にとって大事です。
亜鉛
亜鉛はたんぱく質の合成に関わる必須ミネラルであり、皮膚や毛髪の健康にも影響を与えるため、髪のコシやハリがなくなってきたと感じたら、亜鉛を多く摂るとよいでしょう。
また、傷の治りを早める効果や、消化管粘膜の健康にも関わるとされ、不足すると食欲低下や下痢のリスクが生じます。
コレステロール
コレステロールは、脳や肝臓などに多く含まれている、細胞膜の主要な構成成分です。
ホルモンや胆汁酸、ビタミンDの原料となるため、生きていくうえで欠かせない物質となります。
しかし、規則正しい食生活を送っていたら、コレステロールが不足することはあまりないので、心配する必要はありません。
蟹味噌の栄養による健康効果
蟹味噌には多くの栄養が含まれていることがわかりましたが、それらによる健康への効果はどのようなものがあるのでしょうか?
詳しく見ていきましょう。
老化を防ぐ
蟹味噌に含まれるビタミンEは、細胞の酸化を防ぐ効果があります。
そのため、酸化が影響しているといわれる老化やがん、糖尿病、などが予防できるといわれています。
蟹味噌をたくさん食べてビタミンEを摂取することで、老化や老化によって発症しやすくなる病気を防げるかもしれません。
疲労回復効果
蟹味噌を食べると、体の疲労を改善する効果を期待できます。
その理由は、蟹味噌に含まれるタウリンが、筋肉の疲労の原因となる老廃物を除去し、筋肉へのダメージを軽減する働きがあるためです。
例えば、運動後にタウリンを摂取することで、タウリンが筋肉に働きかけ、疲労回復効果が現れます。
そのため、蟹味噌を食べると、疲れた体の回復に役立たせられるでしょう。
美容効果
蟹味噌に含まれるアスタキサンチンは、美容に効果的な成分であることが知られています。
アスタキサンチンは活性酸素を除去する力が強く、紫外線によるシミやシワの予防に効果的です。
そのため、アスタキサンチンを含むサプリメントや化粧品も多く販売されています。
このように、アスタキサンチンは美容に効果的な成分であり、積極的に摂取するとよいでしょう。
蟹味噌に含まれるプリン体について
蟹味噌には、プリン体が多く含まれているため、痛風の方にとっては、好ましくない食材とされています。
そのため、痛風の方は、過剰な摂取を控えることが望ましいでしょう。
しかし、一度に摂取する量は少ないため、適度に摂取しているのであれば、そこまで神経質になる必要はありません。
蟹味噌はカロリーが高い?
蟹味噌の美味しさは格別ですが、気になるのはそのカロリー量です。
蟹味噌のカロリーは、100グラムあたり約200キロカロリー前後と比較的高めの数値となっています。
しかし、蟹味噌を一度に食べられる量は限られています。
蟹味噌を料理に使う場合や、一食分の蟹味噌を食べる場合も、摂取する量は10分の1程度の20グラム程度です。
そのため、蟹味噌のカロリーは高いですが、特別気にする必要はないでしょう。
蟹味噌を美味しく食べる方法
蟹味噌は、珍味として大きな人気を誇りますが、クセのある味わいのため、好き嫌いの分かれる食材でもあります。
そこで、続いては蟹味噌を美味しく食べる方法について紹介していきます。
蟹味噌クリームパスタ
蟹味噌クリームパスタは、濃厚なクリームソースに蟹味噌の風味が加わった、贅沢で美味しいパスタ料理です。
蟹味噌の豊かな風味とコクが、クリームソースとよく合い、口の中に広がる味わいはとても人気があります。
ぜひ、普段のパスタに蟹味噌をプラスして、濃厚なクリームパスタを味わってみてください。
蟹味噌グラタン
グラタンにアクセントとして蟹味噌を加えた蟹味噌グラタンは、濃厚でコクのある味わいが特徴のアレンジレシピです。
チーズをトッピングすると、さらにコクが増して美味しくいただけます。
ぜひ、寒い日には熱々で濃厚な蟹味噌グラタンを味わってみてはいかがでしょうか。
甲羅焼き
甲羅焼きは、豪華な見た目とともにお酒の肴やご飯のお供としても人気の高い逸品で、カニの甲羅にカニ身と蟹味噌を詰めて加熱するだけで簡単に調理できる手軽さが魅力です。
蟹味噌の独特な風味が、カニ身と絶妙にマッチして、美味しくいただけるでしょう。
蟹味噌でよくある疑問
続いては、蟹味噌を食べるときに知っておきたい、蟹味噌に関する疑問について紹介していきます。
蟹味噌の色はどうやって決まる?
蟹味噌はカニの種類によって様々な色があり、ウニのようにオレンジ色をしていたり、緑や黒っぽい色をしていたりします。
これは、カニが普段食べる餌によって色が決まっているためです。
しかし、鮮度が落ちて黒っぽく変色している場合もあるので、その点には注意が必要です。
蟹味噌がないカニがいる?
カニには蟹味噌があると認識されている方が多いかと思いますが、中には蟹味噌の量が少なかったり、販売前に取り除かれてしまっていたりするケースがあります。
特に、カニではなくヤドカリの仲間であるタラバガニは、蟹味噌が少なく味もズワイガニなどに比べると味も劣るとされています。
そのため、蟹味噌を購入する際は、事前に調べてから選択することが大切です。
蟹味噌は生で食べられる?
蟹味噌は生で食べると食中毒のリスクがあるため、基本的に加熱が必要です。
しかし、水揚げされたばかりのカニから取れる新鮮な蟹味噌は例外であり、その場合は生食してもリスクは少ないでしょう。
対して、水揚げから時間が経過した蟹味噌を生で食べることは危険ですので、控えるようにしましょう。
蟹味噌の栄養についてのまとめ
今回は、蟹味噌に含まれる蟹味噌について紹介してきました。
蟹味噌には、老化を防ぐビタミンEや疲労回復効果のあるタウリンなどが含まれているので、健康にも良い食品だということがわかりました。
しかし、蟹味噌には痛風の原因となるプリン体も含まれているので、現在痛風を患っている方は避けた方が無難です。
また、蟹味噌はカロリーも高い食材ですが、食べ過ぎなければ問題ないので、適切な量で味わうようにしましょう。
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