川で捕獲したサワガニなどを飼育していると、どうしても部屋に充満する不快な臭いが気になります。
しかし、カニの嫌な臭いは、原因を知りしっかり対策を取ることで軽減可能です。
本記事では、そんなカニの臭いの原因や悪臭を防ぐ方法について紹介します。
自宅でカニを飼育している方は、ぜひ参考にしてみてください。
飼育しているカニが臭い原因と対策
飼育しているカニから臭いがするのには、さまざまな原因が挙げられます。
続いては、飼育しているカニが臭う原因とその対策について見ていきましょう。
原因1.生のエサを与えている
基本的にカニは雑食性であるため、魚の切り身など生のエサを与えている方も少なくないでしょう。
しかし、生物は腐りやすいため、臭いの原因となります。
そのため、生のエサを与えている方は、エサの変更を検討する必要があるでしょう。
対策:人工飼料のエサにする
生のエサは腐りやすく、臭いの原因になるため、人工飼料のエサに変えると臭いの対策ができます。
おすすめは、ザリガニのエサや金魚のエサです。
それでも、生のエサを与え続ける場合は、量を少なめにして食べ残しが出ないように注意しましょう。
また、食べ残しが出た場合は速やかに回収することも大切です。
原因2.水質が悪化している
定期的な水換えを行なっていないと、水槽の中の水質がどんどん悪化します。
水質の悪さは、臭いが発生する大きな原因の一つです。
また、餌の食べ残しを放置することによっても水質の悪化を招きます。
特に、生のエサを与えている方は要注意です。
さらに、小型のカニを飼育しているとカニのサイズに合わせて飼育水の量は少なくなります。
しかし、水位が低ければ低いほど水質の悪化は早くなるため、小型のカニを飼育している方は水質の変化に気をつけるようにしましょう。
対策2.定期的な水換えを行う
エサの食べ残しやフンの放置によって汚れてしまった水を綺麗にするには、定期的な水換えが不可欠です。
理想は毎日1回の水換えですが、難しい場合でも2日に1回は行うようにしましょう。
また、水換えだけでなく水槽の全体的な掃除もこまめに行うと、臭いの発生を抑えられます。
たまには、水槽のガラスをスポンジで擦って汚れを落とすようにしましょう。
原因3.水槽に入れているカニの数が多い
飼っているカニの数が多いと、その分エサの食べ残しやフンの数が多くなります。
その結果、臭いの原因となる要素が増加します。
また、数が多いと水槽の掃除がしにくくなるのもデメリットの一つです。
対策3.飼育するカニの数を減らす
水槽に多くのカニを飼っていると臭いが強くなるだけでなく、日々の掃除も大変になります。
そのため、カニを飼育する際はなるべく数を減らすことが大切です。
また、同じ水槽に複数匹飼育していると共食いのリスクもあります。
そのため、カニを飼育する際は水槽1つに対して1匹が理想といえるでしょう。
原因4.気温が高い場所で飼育している
夏場など気温が高くなる場所で飼育していると、臭いの発生が起こりやすくなります。
気温が高いと食べ残しの腐敗が早くなったり、水温が上がって水質が悪くなったりしやすいためです。
また、水温が上がりすぎると、カニが死んでしまう可能性があるため、臭いの面以外でも気温の高い場所での飼育はリスクが高いといえるでしょう。
対策4.涼しい場所で飼育する
カニを飼育する際は直射日光が当たる場所を避け、日陰などの涼しい場所で飼育するようにしましょう。
それによって、水質の悪化や食べ残しの悪化を防ぎ、臭いの原因を抑えられます。
また、水温も上がりすぎないため、カニの飼育環境にも好影響です。
カニの健康や臭い対策として、快適な環境での飼育を心がけましょう。
原因5.水槽が狭い
水槽が狭いと、その分水槽に付着した汚れの密度が高くなるため、臭いが充満します。
また、複数匹飼育する場合は共食いの発生リスクも高まるでしょう。
対策5.広い水槽で飼育する
水槽が広い方が汚れは分散されるため、臭いの発生を抑えられます。
しかし、その分掃除が大変になるため、大きすぎる水槽は不適切です。
飼育しているカニのサイズに合わせて、適切なサイズの水槽を用意するようにしましょう。
カニの水槽を綺麗に掃除する方法
不快な臭いを発生させないためには、こまめな掃除が必要です。
カニの水槽を掃除する際は、まずカニ自体をほかの水槽やボウルに移動させる必要があります。
その後に水を換えたり、砂利や水槽の汚れを洗ったりして綺麗にします。
新たに入れる水は、カルキ抜きをすることを忘れないようにしましょう。
最後にカニを元の位置に戻して掃除は完了です。
毎回水槽を綺麗に洗うのは大変ですが、2日に1度くらいの頻度で水替えが行うようにしましょう。
カニの飼育にフィルターは必要?
サワガニのように小型のカニであれば、飼育水の水位は2センチ程度のため、フィルターは必要ないように思うかもしれません。
しかし、フィルターがなければ臭いの原因となる物質を分解してくれないため、臭いを抑えることは難しいでしょう。
そのため、必須ではありませんが、カニの飼育にもフィルターをつけている方が、清潔な飼育環境を整えられるといえます。
カニの飼育に砂利は必要?
水辺と陸地の両方で生活するカニにとって、砂利の存在は大切です。
砂利がなければ脱皮の際に踏ん張れないので、脱皮不全を起こしてしまう危険性があります。
必ずしも必要なわけではありませんが、脱皮不全を起こすと死んでしまう可能性もあるため、なるべく砂利は用意してあげるようにしましょう。
海のカニと川のカニで育て方は違う?
海に生息するカニと川に生息するカニでは、暮らす環境が異なります。
そのため、飼育下でもそのカニが育った環境に合わせることが大切です。
海のカニなら深い砂浜を作ってあげたり、川のカニなら砂利を敷いてあげたりするなど、海と川のカニによって水槽のレイアウトは異なるでしょう。
また、海のカニは飼育水を海水にしてあげる必要があります。
このように、カニを飼育する際はそのカニに適した環境を整えてあげるようにしましょう。
カニの飼育で知っておきたい生態
カニは変わった生態を持つ生物です。
そのため、カニが持つ生態を知っていないとその生態が現れたときにどのように対処していいかわからなくなるでしょう。
そこで、続いてはカニが持つ生態をいくつか紹介していきます。
脱皮
カニは大きく成長するために、脱皮を行います。
頻度は大人になるにつれて少なくなりますが、1年で複数回行われることもあります。
そんな脱皮にはリスクがあるため、飼育下では注意が必要です。
脱皮時に脚やはさみが引っかかってしまって欠損する場合や、そもそも脱皮がうまくできずに死んでしまう場合があります。
また、脱皮直後は甲羅が柔らかくなってしまうため、ほかのカニと一緒に飼育していたら共食いで食べられてしまう危険性もあります。
そのため、カニが脱皮を始めたら安全な水槽に移すなどして、落ち着いて脱皮できる環境を整えてあげるようにしましょう。
自切
カニは自分の身に危険を感じたら、自らの脚やハサミを切り落とす自切という行為を取ります。
この行為は天敵に遭遇したときだけでなく、強いストレスを抱えた時にも発生するため、飼育下でも起きる可能性があります。
特に、水槽内の環境が悪くカニに強いストレスがかかっているときは注意が必要です。
自切を起こさないためにも、飼育環境は常に整えておくようにしましょう。
また、自切が起こっても脱皮によって失われた手足は再生するので、過度な心配は必要ありません。
冬眠
一部のカニは冬になると冬眠を行う習性があるため、飼育下でも一定の温度を下回ると冬眠に入って動かなくなります。
冬眠にはリスクがあり、冬眠前のエネルギー補給が十分でなければエネルギー不足で死んでしまうかもしれません。
しかし、冬眠はエサが少なくなる冬場の自然環境で生き抜くための習性であり、飼育下では必要ない習性です。
そのため、飼育下では冬眠させない選択肢もあります。
冬場でも温度を一定に保てばカニは冬眠しないため、飼育者の判断によって冬眠させるか冬眠させないかは決めましょう。
脱走
カニの飼育で特に注意しなければいけないのが脱走です。
カニは、器用に水槽を伝って脱走を試みます。
そのため、水槽に頑丈な蓋をしていないとすぐに逃げ出してしまいます。
カニが脱走すると、酸欠になって死んでしまう可能性があるため、脱走対策はしっかり行うようにしましょう。
また、カニは飼育環境が悪いとより良い環境を求めて脱走するため、飼育環境を整えることも大切です。
飼育初心者におすすめのカニはサワガニ!
これからカニの飼育を始めてみたいと考えている方におすすめなのがサワガニです。
サワガニは、日本各地の水質が綺麗な川や沢に生息しており、日本人にとっては身近なカニといえます。
生涯を淡水で暮らす珍しいカニでもありますが、なによりも小型で可愛らしい見た目が魅力です。
そんなサワガニは飼育コストがあまりかからないため、カニの飼育初心者の方におすすめです。
大きな水槽も必要ありませんし、エサも市販のもので問題ありません。
寿命も10年近く生きる長寿なので、カニの飼育を考えている方は、ぜひサワガニから飼育に挑戦してみてはいかがでしょうか。
関連記事:サワガニはどのような飼育環境が必要?エサや水換えの頻度について解説
飼育しているカニが臭いのはなぜなのかについてのまとめ
今回は、飼育しているカニが臭いのはなぜなのかについて紹介しました。
カニは、食べ残しや汚れによる水質汚染などによって臭いを放ちます。
そのため、常に水槽を綺麗に保って飼育環境を整えてあげることが大切です。
水換えを行う目安としては、2日に1回です。
現在、カニの臭いに悩んでいる方は、ぜひ一度水槽の清掃をして臭いの元を抑えるようにしましょう。