イソガニはどうやって飼育する?捕まえ方から特徴までを徹底解説

イソガニは海岸に生息するカニで、その捕まえやすさから飼育対象として人気があります。

本記事では、イソガニの飼育方法や捕まえ方、その特徴までを徹底解説します。

イソガニの飼育を考えている方やすでに飼育している方は、ぜひ参考にしてみてください。

イソガニの特徴

イソガニはモクズガニ科に分類されるカニで、平均的な甲幅は2.5cmほどの大きさですが、中には甲幅が3.8cmに到達する大型個体も存在しています。

平たい体つきをしており、甲羅の表面はほぼ平滑です。

イソガニはハサミの大きさでオスとメスを見分けることができ、オスのハサミの方が大きく成長しています。

また、体色は甲羅の表面が緑灰色や紫の斑模様で、歩脚も同様に緑灰色と紫の横縞模様があります。

その一方で、腹部は白くなっているのが特徴です。

イソガニの分布

イソガニは西太平洋沿岸部に広く分布しています。

日本でも各地でその存在を確認でき、岩石のある海岸に多く生息しているのが特徴です。

なお、現在は北アメリカ大西洋岸や北海沿岸でも分布を広げています。

イソガニの寿命

イソガニの寿命は、野生なら2~3年、飼育なら5年程度といわれています。

このように、野生と飼育でイソガニの寿命は異なりますが、飼育でも5年生きられることはまれです。

ほかのカニでは、10年ほど生きられる種類もいるため、長くても5年程度の寿命はカニの中では短命な方だといえるでしょう。

イソガニは食べられる?

イソガニは、サイズが小さく身が少ないため、食用として利用されることは少ないですが、まったく食べられないわけではありません。

特にイソガニをそのまま丸ごと揚げて食べる素揚げは、シンプルに作れる料理として高い人気があります。

ほかにも、イソガニを味噌汁に入れて食べる方法も定番です。

イソガニの出汁が出た味噌汁は、より濃厚でコクのある仕上がりとなるでしょう。

イソガニを食べるときの注意点

イソガニを食べるときは、寄生虫に注意しましょう。

寄生虫に感染しているイソガニを食べてしまうと、食中毒に感染してしまう危険性があります。

食中毒になると激しい腹痛や下痢、発熱を起こします。

そうならないためにも、イソガニを食べるときはしっかり加熱して、寄生虫を死滅させることが大切です。

また、二次感染を防ぐためにも調理に使ったまな板や包丁はしっかり洗浄するようにしましょう。

イソガニの飼育方法

サイズの大きくないイソガニを飼育することは、そこまで難しくありません。

イソガニを飼育するにあたって大事なポイントを確認していきましょう。

水槽の準備

まずは、イソガニを飼育するための水槽を用意します。

水槽の大きさは、イソガニのサイズに応じて適切なものを選びましょう。

水槽には海水を入れる必要がありますが、海水を手に入れられない場合は、ペットショップで販売されている人工海水を使用することもできます。

隠れ家の用意

イソガニは自然界では石や岩などの物陰に潜んで生活しています。

水槽内でも同様の環境を再現するため、大きな石やブロックを水槽に配置し、イソガニが隠れられる場所を提供しましょう。

適切にエサを与える

イソガニは雑食性であり海藻や小魚、貝類などさまざまなものを食べます。

しかし、これらの生エサを毎回用意できないという方は、ペットショップで販売されているザリガニのエサを与えてあげるとよいでしょう。

エサの量は適量を与え、食べ残しを出さないようにすることが大切です。

食べ残しが増えると水質が汚くなってしまう原因となるので、残ったエサは必ず取り除いてあげるようにしましょう。

イソガニの飼育で気を付けること

イソガニの飼育で気を付けるべきポイントは以下の2つです。

  • 個別の飼育空間を用意する
  • 脱皮時は安全な場所に移動させる

それぞれのポイントについて確認していきましょう。

個別の飼育空間を用意する

複数のイソガニを同時に飼育すると、共食いが発生してしまう危険性があります。

一番の予防法としては水槽自体を分けてしまうことですが、飼育スペースやコストの問題で難しい場合は、個別の飼育空間を用意することで対応しましょう。

また、共食いは空腹時に発生しやすいという傾向にあるため、エサをしっかり与え続けることも大切です。

脱皮時は安全な場所に移動させる

イソガニは成長に伴って脱皮を行いますが、脱皮時はほかのカニに襲われる可能性があります。

脱皮が始まったらほかのカニとの接触を避け、安全な場所で脱皮が完了するのを待ちましょう。

イソガニの捕獲方法

イソガニは日本各地の海岸に生息しているため、見つけること自体は難しくありません。

しかし、逃げ足が速く簡単に捕獲できないため、水中にいるイソガニを釣る方法が一番簡単です。

イソガニを釣る方法は以下のとおりです。

  1. 釣り竿とエサの準備
  2. イソガニのいるポイントにエサを落とす
  3. イソガニがハサミでエサを掴んだらゆっくりと持ち上げる
  4. 水中に網を入れてイソガニをすくう

まず、イソガニを釣るための釣竿とエサの準備が必要ですが、釣竿は木の棒に糸を巻き付けた簡易的なもので問題ありません。

エサに関しては、生魚やゴカイでOKです。

準備ができたら、イソガニが生息している岩場やテトラポットの隙間などに釣り糸を垂らしましょう。

イソガニがエサを掴んだら、慎重に引き上げ、水中から網ですくうことによって捕獲できます。

ズワ子
子どもとチャレンジしたら楽しそうですね!

イソガニ以外で飼育に向いているカニは?

イソガニは日本各地の海岸に生息しており、捕獲が容易なことから飼育用のカニとして高い人気を誇りますが、イソガニ以外にも飼育向きなカニは多数存在しています。

続いては、イソガニ以外で飼育に向いているとされる、以下5種類のカニについて紹介していきます。

  • サワガニ
  • モクズガニ
  • ドワーフクラブ
  • スナガニ
  • アカテガニ

それぞれのカニの特性や飼育方法について確認していきましょう。

サワガニ

サワガニは、日本でよく知られる淡水カニで飼育用としてよく利用されています。

水質の綺麗な川に生息しているため、飼育時にも綺麗な水を維持する必要があります。

そのため、水替えを2~3日に一度は行うことが大切です。

カニの中でも小柄な種類であるため、飼育難易度はそこまで高くありません。

これからカニの飼育を始めてみたいという初心者の方におすすめなカニといえるでしょう。

なお、サワガニの飼育方法については以下の記事でも詳しく解説しています。

参考記事:サワガニはどのような飼育環境が必要?エサや水換えの頻度について解説

モクズガニ

モクズガニは淡水の中では大型のカニで、主に食用として利用されています。

濃厚な蟹味噌や内子が特に人気で、さまざまな料理との相性が抜群です。

食用だけでなく飼育用としての需要も高く、安いものだと500円程度から生きたモクズガニを購入できます。

サイズが大きいため、それに見合う水槽が必要で飼育コストはかかりますが、大きな体を動かすところを観察するのも面白いでしょう。

なお、モクズガニの飼育方法については以下の記事でも詳しく解説しています。

参考記事:モクズガニの飼育は難しい?長生きさせるポイントや注意点を徹底解説

ドワーフクラブ

ドワーフクラブは、インドネシアに生息する淡水のカニで、小型で飼いやすいことや見た目が鮮やかで鑑賞に向いていることから飼育用として人気の高いカニです。

種類も豊富で、種類によって体色や模様が異なるのも魅力です。

自由にレイアウトして、個性的な飼育環境を作る楽しみ方もできます。

一匹1,000円程度と価格もお手頃のため、ぜひ一匹飼育してみてはいかがでしょうか。

なお、ドワーフクラブの飼育方法については以下の記事でも詳しく解説しています。

参考記事:初心者でも安心!簡単に飼育できるドワーフクラブの魅力と育て方

スナガニ

海の砂浜に生息しているスナガニは、数十センチから1メートルほどの深い穴の中に巣を作って生活しています。

警戒心がとても強いカニで、逃げるスピードがかなり速いため、捕獲は簡単ではありません。

飼育する際は、普段生活している砂浜と同じような環境を作ってあげることが大切です。

そのため、砂の中に隠れて生活できるように深い砂を用意し、用意した砂には海水を含ませてあげましょう。

なお、スナガニの飼育方法については以下の記事でも詳しく解説しています。

参考記事:スナガニは飼育できる?長生きさせる飼育方法や捕まえ方について解説

アカテガニ

ベンケイガニ科アカテガニ属に分類されるアカテガニは、赤いハサミが特徴的なカニで、食用ではなく鑑賞用として人気です。

飼育環境を整えるためには水換えや温度調整が必要ですが、大きな水槽は不要で飼育コストも低いため、初心者でも飼育することは難しくないでしょう。

また、人間に対して威嚇するなどの行動が観察できるため、生態観察も楽しめます。

なお、アカアカテガニの飼育方法については以下の記事で詳しく解説しています。

こちらも併せてご覧ください。

参考記事:アカテガニは飼育に向いている?飼育方法や手に入れ方について解説

イソガニの飼育方法についてのまとめ

今回は、イソガニの飼育方法や捕まえ方について紹介してきました。

イソガニは日本各地の海岸に生息しているため、見つけることは難しくありません。

捕獲自体も、イソガニが棲みかとしている岩場に釣竿を垂らすことで、比較的簡単に捕まえられます。

イソガニの飼育に関しては、共食いを防止するために、水槽を分けたり個別の飼育空間を用意したりすることが大切です。

また、脱皮時にはほかのイソガニに狙われやすくなるため、安全な場所で脱皮させる必要があるでしょう。

このように、イソガニの飼育には気を付けるポイントがたくさんあります。

しかし、イソガニは比較的飼育しやすいカニのため、これからカニを飼ってみたいという方におすすめです。

ぜひ本記事を参考に、イソガニの飼育から始めてみてはいかがでしょうか。