「カニを飼ってみたいけど、どうやって飼えばいいのか分からない」という人も多いのではないでしょうか。
カニを飼育することには、独特な魅力があります。
今回は、カニを飼育することで感じられる魅力や注意点について紹介します。
初めての方でも簡単に始められるので、カニの飼育を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
自宅で飼育できるカニはどんなカニ?
カニは、世界で約8,000種類存在しているといわれています。
川に生息するカニや海で生息するカニなど、その生態は多様です。
また、カニで一般的にイメージされるのは、ズワイガニやタラバガニといった食用のカニではないでしょうか。
これらのカニは、サイズも大きく、環境が整っていないと飼育できないため、自宅での飼育には向いていません。
そのため、自宅での飼育に向いているカニは、サイズが小柄で、環境の変化にも強い種類であるといえます。
自宅で飼育できるカニの種類
自宅で飼育できるカニは、さまざま存在していますが、今回はその中でも人気の高い以下4種類のカニについて紹介していきます。
- サワガニ
- モクズガニ
- ドワーフクラブ
- スナガニ
それぞれのカニの特徴について確認していきましょう。
サワガニ
サワガニは、北海道と沖縄を除く日本のほぼ全域に生息している日本固有のカニです。
甲幅が2〜3センチと小柄で、水質の綺麗な川に生息しています。
食用として、唐揚げなどで調理されることもありますが、小柄で凝った飼育環境も必要ないことから、観賞用としても利用されます。
川で手軽に捕獲できるのも、人気の一つです。
モクズガニ
モクズガニは、基本的に食用として利用されるカニで、見た目が上海ガニに似ているといった特徴を持っています。
食用としてのモズクガニは、可食部は少ないですが、蟹味噌が絶品なため、カニの中でも人気の高い種類です。
また、繁殖の時期以外には川で生息するカニなので、川で探せば一般の方でも捕獲もできます。
甲幅は8cm程度とサワガニに比べるとサイズは大きいため、飼育するなら少し大きめの水槽が必要です。
ドワーフクラブ
ドワーフクラブは淡水に生息する小型のカニで、甲長は約1.5cm〜2cm程度です。
体色は非常に色彩豊かで、種類によって異なる色合いや模様を持っています。
そのため、観賞用のカニとして最適です。
また、大きな水槽を必要とせず、小さなプラケースでも飼育可能なため、手軽に飼育できます。
関連記事:初心者でも安心!簡単に飼育できるドワーフクラブの魅力と育て方
スナガニ
スナガニは、甲幅が約3cmで日本では東北地方以南に生息するカニです。
海辺の砂浜に生息しており、飼育する際は同じような環境を作ってあげることが大切です。
また、普段は砂に隠れて生活しているため、深い砂を用意するようにしましょう。
さらに、砂を乾燥させないために水槽には海水をしっかりいれてあげる必要があります。
カニを飼育する魅力は?
カニを飼育することには、犬や猫とはまた違った独特な魅力があります。
続いては、その魅力について詳しくご紹介します。
飼育が簡単
カニは、動物などのペットと比べてサイズが大きくなく鳴いたりしないため、飼育の手間がかかりません。
また、価格も手頃で購入できるうえ、サワガニのように日本に広く生息しているカニなら自分で捕獲も可能です。
そのため、初心者でも飼育が難しくないペットとして、カニはおすすめといえるでしょう。
しかし、飼育の環境や水質管理を怠ると、カニへ大きなストレスがかかるため、十分に注意が必要です。
観察する楽しみがある
カニを飼育するメリットの一つは、カニの行動や生態を観察する楽しみがあることです。
カニは非常に活発なため、水槽内をうろついたり、餌を探したりする様子が観察できるでしょう。
また、カニが脱皮するときの様子や、卵を産みつける瞬間など、生きたカニならではの貴重な観察ができます。
さらに、色鮮やかなドワーフクラブなどを飼育していると、その姿を見るだけで癒されるという方も少なくありません。
カニを飼育するための環境
カニを飼育するためには、カニがストレスなく過ごせるような環境作りが大切です。
また、カニには陸生カニ・半陸生カニと海生カニの2種類のタイプがいるため、それぞれに最適な環境について見ていきましょう。
陸生カニ・半陸生カニ
陸生と半陸生のカニは、水場だけでなく陸地も作ってあげなければいけません。
また、石や岩、流木などを設置してカニが隠れられる場所を設けるのも大切です。
水場に関しては、脱皮のために、最低でもカニの体が覆われる程度の水量にしましょう。
水量は多くても問題ありませんが、カニが陸地に上がれないということにならないように気をつける必要があります。
海生カニ
海生カニを育てるときは、海水でなければ長生きしてくれません。
そのため、海水を汲みに行くか、カルキ抜きをした水道水に人工海水の素を溶かして、人工の海水を作成して使用します。
また、底には海で拾ってきた砂利などを敷くようにしましょう。
さらに、陸生と半陸生のカニのときと同様に、石組みなどで身を隠せられる場所を作ってあげることが大切です。
水量が減って、塩分濃度が高くなってしまうと、カニにとって悪影響です。
そのため、水量が減ったら、その都度カルキ抜きした水を給水するようにしましょう。
カニを飼育する際に注意することは?
カニを飼育する際は、以下のことに注意しなければいけません。
- 水質管理をしっかりする
- エサを与えすぎないようにする
- 同じ水槽で複数匹飼わないようにする
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
水質管理をしっかりする
特に、海に生息するカニを飼育する際は、水道水ではなく塩分濃度がある水で飼育する必要があります。
水道水のカルキ抜きを行った後に、人工海水の素を溶かして人工の海水を作りましょう。
適切な水質を維持することが、カニの長生きにつながります。
エサを与えすぎないようにする
エサは汚れの原因となり、食べ残しが多いと水換えを頻繁に行わなければいけなくなります。
そのため、エサは適量与えるようにしましょう。
しかし、エサを食べる量も個体によって差があるため、一度にどれくらいの量を食べるかをあらかじめ観察しておくことが大切です。
同じ水槽で複数匹飼わないようにする
同じ水槽で複数のカニを飼育する場合に懸念しなければいけないのが、共食いのリスクです。
お腹を空かせたカニが仲間を食べてしまうことも珍しくなく、特に脱皮して無防備な状態のカニが狙われやすくなります。
しっかりエサを与えていても共食いは発生する可能性があるので、カニを飼う場合は、なるべく単体で育てるようにしましょう。
カニを飼育するうえでよくある質問
カニを長く育てるためには、最低限の知識が必要不可欠です。
続いては、カニの飼育に関してよくある質問を紹介していきます。
飼育できるカニはどこで購入する?
飼育ができるカニは、川や海などで捕獲できますが、自ら捕まえにいくのは手間がかかります。
そこで、飼育用のカニを購入しようと考えたときに候補になるのが、ペットショップやネットです。
ペットショップなら、実際にカニを見られるだけでなく、飼育に必要な用品も合わせて購入できるため、初めてカニを飼う方におすすめです。
また、飼育に関するアドバイスや情報を教えてもらえる点もメリットの一つでしょう。
カニを飼育するために必要なエサは?
カニは雑食性の生き物であるため、基本的にはどのようなエサでも食べます。
しかし、同じようなエサばかりでは食べなくなってしまうため、異なるタイプのエサをバランスよく与えてあげなければいけません。
魚の切り身やシラスのような動物性のエサから、野菜や果物などの植物性のエサまで幅広く用意しておきましょう。
また、カニは雑食性とはいえ、どのようなエサでも全く食べない場合があります。
そのような場合は、カニに余計なストレスがかかっていないかを確認してください。
例えば、室温が高すぎたり、周りの音がうるさかったりした場合は、エサに手をつけない可能性があります。
そのため、カニの飼育環境はしっかり整えておくようにしましょう。
おすすめのエサは?
カニを飼育するうえでのおすすめは、ザリガニのエサです。
ザリガニのエサは栄養価が高く、なおかつ、ペットショップなどで簡単に手に入れられる点が魅力です。
また、エサを食べる量は1匹ずつ異なるため、しっかり観察して一度にどの程度の量を食べるのか把握するようにしましょう。
食べ残しの放置は、水を汚す原因となります。
そのため、最適な量を見極めて与えることが大切です。
部屋が臭くなることはある?
陸生や半陸生のカニを飼育する場合、必要な水の量が少ないため、水が汚れやすくなる傾向があります。
そのため、カニの飼育をしている部屋に臭いがこもる可能性があります。
しかし、こまめな水換えや定期的なメンテナンスを行うことで、臭いを最小限に抑えられるでしょう。
カニの飼育方法と注意点についてのまとめ
今回は、カニを飼育する方法とその注意点について紹介してきました。
カニは、陸生や半陸生のカニと海生のカニでは、飼育環境が異なります。
そのため、飼育するカニに合った環境を作ってあげることが大切です。
また、水質管理をしっかりしなければ長生きできないため、こまめな水換えや塩分濃度の管理などを怠らないようにしましょう。
カニは、ほかのペットと比べて飼育の手間がかかりません。
そのため、お家で何か生物を飼ってみたいと考えている方は、手軽なカニから始めてみてはいかがでしょうか?